正義(人間ドック学会の基準値)は力で潰された?

2015年04月01日


昨年の5月1日の本ブログで、人間ドック学会が新基準値を発表した記事を掲載しました。この基準値は、1万人以上の健康人のデータから導いたものですので、信頼に値するものです。例えば、血圧は147 mmHgまでと、これまでより高くなっています。血圧は、年齢とともに上昇するので、昔いわれていた「年齢+90は的を射ていますし、1987年の老人基本健診の高血圧の基準値は180 mmHgでした。健康に全く問題のない高齢者の約8割は、130 mmHgを超えています。現在の130 mmHgは若者の基準値であり、これを高齢者にあてはめるのは無理があります。

総コレステロールの基準値は、人間ドック学会の基準値では280 mg/dlまでとなっています。1990年の基準値は、250 mg/dlでした。その後、メバロチンという高脂血症薬が発売されたとたんに220 mg/dl にさげられて、今まで正常だった数百万人が一夜にして高脂血症という病名をいただいたのです。本来、基準値とは、健康な人の95%が入る範囲です。220 mg/dlでは高齢者の約半分は異常値扱いになってしまいますので、基準値とは言えません。

人間ドック学会の基準値は、今日(H27年4月)から使用するとのことでした。膨大なデータを基に算出した疑いようがない正義(人間ドック学会の基準値)は、いつの間にか潰されてしまっています。その理由は、医師会と製薬会社が絶大な力で潰しにかかった結果なのです。もしも、この基準値が使用されたなら、患者数は激減し、病院経営は火の車になりかねません。また、降圧剤は年間1兆円、高脂血症薬は4000億円を売り上げる製薬会社は、売上額激減で経営が圧迫されます。ですから、これまで製薬会社は大学の偉い御用学者の先生方に、年間4000億円もの研究費を寄付して、基準値を厳しくする(引き下げる)ことで患者を増やしてきたのです。人間ドック学会の新基準値の採用は死活問題ですから、医師会と製薬会社は全力で潰そうとする訳です。また、医療費の増加が財政を圧迫しているので、厚生労働省は人間ドック学会の基準値を実行すれば医療費削減が実現できるのですが、現実はできないのです。何故なら、医薬品会社の役員ポストは、お役人の天下り先です。製薬会社に儲けていただかないと、自分たちの老後の保障がなくなります。正義(人間ドック学会の基準値)は、金の力の前には無力なようです。テレビのように、正義の味方がいれば良いのですが。

医者のいうことは全て正しい、医者の薦める薬を飲んでいれば健康でいられる、と思っておられる方は、健康長寿は望めません。薬は必要最小限度にして、バランスの良い食事と適度な運動が、健康の基本です。(お勧めの本: 薬をやめれば病気は治るー岡本裕)。このブログをお読みいただいている方々は、少なからず私の主張に賛同いただいていると思っています。皆様方が、食事、運動、美露仙寿で健康長寿を実践し、私の主張が正しいことを証明してください。