大腿骨骨折は西日本に多発

2017年10月20日

寝たきりにつながる恐れがある高齢者の大腿骨骨折は、西日本に多く、東北地方に少ない傾向があり、東西で約2倍の差があることが骨粗鬆症財団などの研究チームから発表されました。

大腿骨骨折

研究内容は、2015年に大腿骨骨折で手術した40歳以上の症例割合を、都道府県別に分析しています。その結果、多いのは男性では沖縄、長崎、和歌山で、女性では兵庫、和歌山、沖縄でした。少ないのは男女ともに秋田、青森、岩手の東北地方の3県で、約2倍の差がありました。

大腿骨骨折の割合が西日本で多く、東北地方などの東日本で少ない理由の詳細は解析されていませんが、カルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKの濃度が東日本で高いことから、これを多く含む納豆の消費量が関係している可能性が示唆されています。他にも納豆の効能には、たんぱく質の補給や腸内細菌叢を整えて免疫力を高めるなどの効能がありますが、ビタミンKは血液をサラサラにする薬(ワルファリン)の作用を抑えますので、服薬中の方は摂取を控えてください。大腿骨骨折の予防法としては、食事によるカルシウムやビタミンD、ビタミンKの摂取のほかに、ウォーキングなどの運動を習慣化することで脳から骨を作れという指令をださせることが重要です。

通勤形態と生活習慣病の関係

2017年10月10日

通勤形態(電車orバス、徒歩or自転車、自動車orオートバイ)により生活習慣病に罹患する確率が異なることが、関西医科大学から発表されました。研究対象は、大阪の5888人の勤労者(平均年齢61歳、男性37%)です。

通勤形態と生活習慣病2

自動車orオートバイ通勤のグループと比較すると、電車orバスで通勤するグループでは、肥満リスク42%減、高血圧28%減、糖尿病34%減で、生活習慣病になるリスクが大きく減少しています。自転車or徒歩通勤では、肥満リスクは24%減でしたが、高血圧と糖尿病のリスクは差が認められませんでした。

この理由として考えられるのは、電車orバス通勤では自宅から駅やバス停までを歩くことに加え、駅での乗り換えでも歩くことが要因と考えられます。一方、自家用車やオートバイの場合は、自宅から職場まで直接移動するので、歩く距離が短いことが生活習慣病のリスクを高めていると考えられます。自転車or徒歩での通勤が生活習慣病のリスクを大きく減少させていない理由としては、自宅から職場までの距離が短く、運動量が小さいためと考えられます。

この解析では、運動習慣や食事内容、自宅から職場までの距離などの詳細な因子を加えた考慮が必要ではありますが、通勤における運動量が生活習慣病に影響を与えている可能性は高いようです。従って、一駅前で降りて歩くことや、帰りにスポーツクラブで運動する習慣、休日には体を動かす趣味を持つことなど、生活習慣病を予防する上で大切であることを示しています。

 

風邪には抗生物質を使わない:厚生労働省の医師向け手引き

2017年10月01日

厚生労働省は医師向けに、「風邪には抗生物質を処方しない事」を推奨する手引きを示しました。その理由は、①風邪のウイルスには抗生物質は効果がないこと、②過度な抗生物質の使用で薬剤耐性菌を増やしてしまうことにあります。

風邪の原因の約90%はウイルスなので、抗生物質は効かないことは本ブログで示してきました(風邪への対処法)。抗生物質は細菌には効果があるのですが、ウイルスには効果が無いのです。従って、風邪をひいた場合は、栄養と水分を十分に摂って暖かくして休むのが正しい対処法なのです。

抗生物質と菌

しかしながら、風邪で受診した患者の約6割は効果のない抗生物質が処方されています。その原因として、4割以上の患者は抗生物質はウイルスをやっつけるので、風邪やインフルエンザに効果がある、と間違った知識を持っていることにあります。一方の医師の方にも問題があり、万一細菌が原因だったら重症化の危険があるとの過度な心配、薬を処方しないと患者が納得せずにヤブ医者扱いされること、処方箋で収入になる、などの理由で効果のない抗生物質を処方している現実があるのです。

その結果として、抗生物質の多用は薬剤耐性菌を増やす一因になっているのです(薬剤耐性菌)。薬剤耐性菌とは、抗生物質にさらされながらも生き残った菌は、その抗生物質に耐えて生き残れるように変化してしまうのです。薬の効かない菌が増えることで、患者の命を脅かすことになってしまいます。加えて、抗生物質の常用は、腸内細菌が死んでしまうことで、下痢や免疫力の低下も招きます。

医師が正しい処置をするのは当然ですが、患者の方々も薬や病気に関する知識を身につけることも必要です。本ブログは、一般の方々の健康維持に必要な内容をお届けしていますので、ぜひ参考にしてください。