がんの5年生存率と10年生存率 (2:膵臓がん)

2016年02月10日

がんの生存率の調査結果から、膵臓がんは5年生存率(9.2%)、10年生存率(4.9%)と最も生存率が低く、危険ながんであることが示されています。最近では、ジャーナリストの竹田圭吾氏が、51歳の若さで亡くなったことがニュースになりました。一般的に、膵臓がんは症状に乏しく、検診のエコー検査などでも見つけにくいので、発見された時には既にかなり進行していること多いです。初期段階のStage Ⅰで発見されたとしても、下表のごとく、5年生存率は40.5%、10年生存率に至っては29.6%しかありません。病期の進行したⅢ~Ⅳ期では、僅かに一桁またはそれ以下の生存率です。膵臓がんでは、現時点では決定的な治療法は無く、手術と抗がん剤で対応していますが、殆ど無力な状況です。

膵臓がんは、罹患してしまうと長期生存が厳しい現実ですから、リスク因子を軽減することが大切です。膵臓がんの原因は、遺伝性は10%以下で、大部分のリスク因子は喫煙(2.2倍)、肥満(2倍)、飲酒(1.38倍)、糖尿病(血糖値10mg/l当たり14%)などがあげられます(研究者によりリスク倍率は異なります)。従って、日常生活を改善することが重要です。①煙草は百害あって一利なし。禁煙しましょう。②BMIが22~25位の体型が、最も病気が少なく長生きできます。食事療法と運動療法で、適正な体格にしましょう。③酒は百薬の長ですが、飲み過ぎは毒に変わります。適量に。④糖尿病は、多くの病気を誘発します。適正な血糖値にコントロールしましょう。これらの生活改善で、他の疾患にもなり難い健康体に近づきます。

万が一に罹患してしまった場合には、諦めずに生きる気力を保つことです。私がこの会社にお世話になってから、医学の常識では理解できない症例を幾つも経験しています。その一つが、昨年の膵臓がんでした。除去手術のために開腹した方は、既に手の施しようがなくそのまま閉じたので、通常はごく短期間で亡くなります。この方は、抗がん剤の投与を拒否して、美露仙寿(めいるせんじゅ)と免疫療法の併用を選択しました。現在は、腫瘍マーカーは正常値で、ゴルフを楽しむほどに回復しています。すい臓がんの生存率は極めて低いのですが、その低い数字の中に自分が入ることに気力を集中しましょう。生きようとする気力は、免疫力や回復力を高めます。