女性医師の担当で死亡率・再入院率は3%も低くなる

2018年01月10日

前回は世界中で最も注目された研究論文を紹介しましたが、今回は注目度が3番目の日本人研究者の論文の紹介です。

米国の急性期病院に入院した65歳以上の150万人の調査で、内科では女性医師が治療した方が男性医師よりも死亡率や再入院率が3~4%も低い結果が出ています。この理由を過去の研究の結果をもとに考えると、男性医師と比較すると女性医師は診療ガイドラインにのっとった治療を行う傾向があり、患者とのコミュニケーションスキルも男性医師よりも高いことにあると推測できます。すなわち、女性はリスクを回避する傾向があるために、患者とコミュニケーションを取りながらより安全で確実な治療法を選択することで、死亡率や再入院率が低下するようです。

なお、外科で執刀医が女性と男性で比較したカナダの調査では、女性の執刀医の方が死亡率が低いと報告されていますが、執刀医の性別を選べない緊急入院患者のみで比較すると、男女の医師で性別による差は認められませんでした。

患者さんの中には、女性医師はなんとなく頼りないと思われている方も多いのではないかと想像しますが、逆に女性医師が担当医になった場合の方が死亡率や再入院率が低いのですから、ラッキーです。もちろん、男性医師にも名医は沢山いますのでご安心を。医師を選ぶときには、性別ではなく腕を見極めることですので、本ブログを参考にして下さい。(名医の特徴ダメ医師の見分け方