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がん

がん5年生存率66.1%に上昇

2019年08月10日

2009年~2010年にがんと診断された患者の5年生存率が66.1%に上昇したことが、国立がん研究センターから発表されました。昨年の集計と比較すると、0.3%上昇しています。

部位別では、前立腺がんや乳癌では、初期の発見ではほぼ治癒出来ることを示していますが、一方で膵臓がんでは初期発見でも生存率は低く、臓器別で著しい差が見られます。

高齢化に伴いがんの罹患率はさらに上昇することが予想され、確率的には2人に1人となります。故に、自分でできる罹患予防の生活改善をしておくことが必要です。喫煙や深酒を止め(タバコと酒で食道がんのリスク増喫煙で遺伝子変異)、バランスの良い食事(がん患者における糖質制限とケトン生成食への異議)、適度な運動を習慣づけましょう(がん・予防(4))。本ブログを参考にしていただければ幸いです。

* 上皇后様が比較的早期の乳癌を手術されるとの報道がありました。1日も早い全快をお祈りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オプジーボの効果は筋肉量に左右される

2019年03月01日

がんの免疫療法として話題となったオプジーボですが、本ブログでも紹介したように、投与した患者の約2割しか効果はありません(オプジーボの効果は2割のみ超高額抗がん剤オプジーボの使用は如何にあるべきか?)。従って、効果のある患者とそうでない患者を如何に予測するかが必要でした。その予測因子として、患者の筋肉量が関係していることを、大阪大学の研究チームが英国の科学誌に発表しています。

この研究では、患者を筋肉量が多い群と少ない群で比較しています。筋肉の多い患者群では薬の効果が7ヶ月継続しているのに対し、筋肉量が既に少なくなっている患者群では2ヶ月ほどしか効果が継続せず、投与後にがんが進行するリスクは3倍も高い事が報告されています。このメカニズムはまだ明らかにはなっていませんが、筋肉からがんの増殖を抑える物質が分泌されていることが考えられています。

健康維持の基本は、バランスの良い食事と適度な運動ですが、この報告からもいえることは、普段から運動をして、筋肉の衰えを防いでおくことが大切です。

 

タバコと酒で食道がんのリスク増

2019年01月10日

がんの発症率は2人に1人で、死亡原因の約3割はがんと高率です。従って、健康長寿を目指すには、がんのリスクを避けることが重要です。以前のブログにて「喫煙で遺伝子変異」が起きやすくなり、がんの発症を誘発することを示しました(喫煙で遺伝子変異)。京都大学や東京大学医科学研究所などの研究チームが、喫煙や飲酒により食道がんを発症する詳しい仕組みを解明し、世界でトップレベルの科学誌:ネイチャーに発表しました。

研究方法は、健康な人と食道がんの患者の計134名(23~85歳)の食道から、がん化していない細胞を採り、遺伝子の変異を比較しています。その結果、喫煙と飲酒が多いほど発がんに関わる遺伝子(NOTCH1、TH53など)に変異が多く起きていることを観察しています。この変異が、がんの発症の元になっているのです。

少量の酒は健康に役立ちますが、過ぎたるは及ばざるがごとしです。一方、喫煙は百害あって一利なしです。食道がんの他にも肺がんのリスクを高くしたり、高血圧の原因になるので血管系の疾患のリスクも高めますので、禁煙しましょう。日常生活でのがんの予防は以前のブログをご覧下さい。(がん・予防(3)(4)

 

 

オプジーボの効果は2割のみ

2018年10月10日

京都大学の本庶佑特別教授がノーベル医学生理学賞に決まったのは、誠に喜ばしいことであり、同じ日本人として嬉しい限りです。本庶先生の開発した抗がん剤のオプジーボは、本ブログでも2年前に紹介しました(超高額抗がん剤“オプジーボ”の使用は如何にあるべきか?)ので、お読み下さい。

ノーベル賞を受賞するような抗がん剤ですので、一般の方々には「全てのがんに特効薬的に効く!」と勘違いされているケースもあるようですので、説明を追加します。

① 効果の期待できるがんの種類は、悪性黒色腫(メラノーマ)、非小細胞性肺がん、腎細胞がん(腎臓がん)などに限られており、他のがんに対する効果はデータが不十分。

② 効果が期待できるのは使用患者の2割程度で、全ての患者に特効薬的に効くわけではない。

③ 使用する病期は、末期のステージ4で転移の認められる場合、外科手術後に再発したケースなどであり、全ての患者に初期段階から使用することはありません。

④ 副作用はこれまでの化学療法の抗がん剤よりは少ない(医師は自分に抗がん剤は使用しない)が、甲状腺機能障害、1型糖尿病、肝炎、腎炎、重症筋無力症などが有り、それぞれの頻度は低いが重症例が多い。

がん患者さんは藁にもすがりたい心境ですので、オプジーボの治療を望まれることは十分に理解できますが、例えば初期の大腸がん、胃がんや乳癌などは、外科手術で取り除けばほぼ完治しますので、オプジーボは必要ありません。上記の事を理解した上で、主治医と良く相談してから治療方針を選択して下さい。

遺伝性乳癌はもう一方も予防的切除を推奨(日本乳癌学会)

2018年05月20日

日本乳癌学会は、遺伝子変異による乳癌を発症した患者では、未だ癌になっていない側の乳房も予防的に切除することを「強く推奨する」としました。

乳癌は女性に最も多いがんで、乳癌の年間発症者は約8万人にのぼります。このうち遺伝性の乳癌は5~10%を占めており、BRCA1またはBRCA2と呼ばれる遺伝子に変異の認められる女性の場合は乳癌になりやすく、生涯のうちに40~90%の高い確率で乳癌を発症します。従って、遺伝子変異の認められる乳癌を発症した場合は、再発防止の観点から、もう一方の未だ発症していない乳房も、予防的に切除することを強く推奨するとしています。この予防切除で10年後の生存率を、切除しなかった71%から89%に上昇するという英国の研究結果があります。

生存率が上昇することは結構なことですが、問題点も考えられます。第一に、予防切除は健康保険の適用外ですので、自費負担額は約150万円と高額です。第二には、切除しなくても再発しないかもしれませんので、心理的に女性のシンボルである乳房はできる限り切除したくないと考える方も多くいます。予防切除は、健康保険の適用で安価にできるように健康保険制度を改正することと、心理カウンセリングが十分に行われることで女性患者の心理的負担が取り除かれることが必要です。

 

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