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健康管理

健診データの読み方・考え方(5:痛風の検査データ)

2019年05月10日

痛風を発症した状態の典型的な検査データを示しました。

特徴は、①患者の99%は男性。②尿酸値は10 mg/dl 以上。③白血球数が増加。④CRPが陽性。です。他には、γーGTが高値で脂肪肝が認められることが多いという特徴があります。

①痛風の患者は殆どが男性です。何故に女性は痛風にならないかというと、女性ホルモンが痛風の原因である尿酸を尿中に排泄するためです。

尿酸は、食べ物から約2割、体内で約8割が合成されます。その後、尿中へ約8割が排泄され、約2割は便中に排泄されます。合成と排泄の量が等しければ、血中の尿酸値は正常値に保たれます。肉類などのプリン体の多い食品を多量に摂取すると、排泄量よりも合成量の方が大きくなるので、血中の尿酸値が高くなります。女性は、ホルモンの影響で尿中への尿酸排泄量が大きいので、血中に溜まりにくくなっています。

②尿酸値が10 mg/dl 以上になると、血液中に溶ける量をオーバーしてしまうので、栗のイガのような先の尖った結晶になります。この結晶が、指などの関節を刺激するので、痛みを感じるのです。

③すると、異常を察した白血球が痛みのある患部に急行して炎症状態になり、④CRPが陽性化します。

尿酸値が基準値を超えた場合は、食生活を改善しましょう。

 

 

 

健診データの読み方・考え方(4:血圧:変動因子)

2019年05月01日

血圧は常に変化しています。

日内変動:朝の目覚めとともに血圧は上昇し、日中は比較的高くなります。これにより、活動するために必要な酸素や栄養分などを運搬しています。また、夜になると下がり、睡眠中は最も低くなります。正確な血圧の測定は、同じ時間に同じ状態で測定することが必要です。

気候:季節によっても変動し、夏は低く、冬は高くなります。その理由は、人の体温は常に37℃に保たなければいけないので、寒くなると熱を逃がさないように血管を細くするのです。冬場にヒートショックが起きやすいのは、寒い脱衣場で血管が細くなり血圧が上昇すると脳出血などを起こしやすいのと、熱い湯船に入ると急に血管が太くなるので脳に行く血液量が減ることで意識を失い溺死する事故が起きやすいためです。

加齢:血圧は、年齢とともに上昇します。加齢とともに血管が堅くなっていくので、健康に過ごしていても、多くの高齢者の血圧は130 mmHg を超えて140 mmHg 位になります。なお、降圧剤で血圧を下げ過ぎるのは、危険です。血流量が落ちると、血管が詰まって脳梗塞を起こしやすくなり、またフラフラして転倒事故が起きやすくなります。血圧は適度に保つ必要があります。

肥満:血圧は、肥満で高くなります。一般的に、体重1 kgの増加で血圧は 2 mmHg程上昇します。従って、肥満で血圧が高めの方は、食事療法と運動療法で減量すると、血圧も低下します。病院は、血圧高めで直ぐに服薬を勧めますが、先ずは食事療法と運動療法を試して見ましょう。

健診データの読み方・考え方(3:血圧:単位)

2019年04月20日

健康の指標として最も知られている項目の一つである血圧ですが、単位をご存じですか?

血圧の単位は、mmHg(ミリメートル水銀)です。病院の診察室の血圧計には水銀が入っていて、この水銀を何ミリ押し上げる圧力であるかが血圧値になります。例えば、血圧が130 mmHg とすると、血圧計の水銀を130 mm (13 cm)押し上げる圧力です。

では、何故に水銀を使っているのでしょうか?もしも、水で測定すると単位は mmH2O になりますが、比重の軽い水では水銀の約13倍の高さまで押し上げてしまいますので、2~3メートルくらいの高さの血圧計が必要になり、現実的ではないからです。

尚、家庭用の血圧計はデジタル式です。医師や看護師などの訓練を受けた医療従事者は、水銀計で正確に血圧を測定できますが、一般家庭では失敗無く簡易的に測定できるようにデジタル計が用いられています。デジタル血圧計は、水銀計とほぼ同じ値になるように作られています。

次回は、血圧の変動に関与する因子についてです。

 

 

健診データの読み方・考え方(2:子供のデータ)

2019年04月10日

検査データを見るときは、年齢を考慮します。

子供と大人の血液検査データで大きく異なるのは、ALP(アルカリフォスファターゼ)です。ALPは、感動の検査にも用いられますが、骨にも多く分布しています。子供は骨の成長が大きいので、ALPは高くなっています。他には、LDHが高く、クレアチニンは低値の特徴があります。妊婦はALPだけが高くなりますが、これは胎児の骨が成長中だからです。

また、血圧や呼吸数などのバイタルサインも異なります。子供は、呼吸数や脈拍は多いのですが、血圧は大人よりも低くなっています。体温は、子供で高く、加齢とともに低くなっていきます。

健診データの読み方・考え方(1:検査前は絶食)

2019年04月01日

今日4月1日は、新学期・新年度の始まりです。私が講義を担当している短大では、毎年この日に健康診断があります。

本ブログは、知っていると役に立つ「健診データの読み方・考え方」について、今回からシリーズでお送りします。第1回は、何故に検査前は食事をしてはいけないかを説明します。

健診の前日は夜9時までには食事を済ませ、当日も食事をしないように注意があります。その理由を、上の図に示しました。血液検査では、中性脂肪や血糖値が上昇しますので、正確な判断が出来なくなります。食事の影響は長時間残りますので、前日の深夜まで飲食していると、当日に食事をしていなくても、中性脂肪や血糖値は影響されます。

また腹部の超音波検査(エコー)では、食べ物と一緒に空気が入るので、検査が不可になります。その理由は、超音波は空気で遮断されるためです。さらに、食事をすると膵液が分泌されて、膵臓が萎縮しますので、検査しても判定不能になってしまいます。

検査前に激しい運動をすると、筋肉細胞が壊れて中の酵素(CK:クレアチンキナーゼ)が血液中に出てくるので、結果としてCKが高値になります。検査当日は、運動も控えて下さい。

 

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