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高血圧・高脂血症・高血糖

高脂血症と対策

2016年07月20日

健康相談で圧倒的の多いのがLDLです。その理由は、これまでに度々本ブログに書てきたように、低すぎる基準値の上限とコレステロール悪者説による脅しの結果です。本来の基準値の上限は、健康な人の2.5%(下限も2.5%外れるので合計5%)が外れる値なのですが、現在の健診の基準値である総コレステロール199 mg/dl とLDLの119 mg/dl では、健康に全く問題のない中高年の半分以上が異常高値になり、病人扱いされています。さらにこの方達は、コレステロールが血管を詰まらせ、それを運ぶのが悪玉のLDLという間違った情報で脅され、服薬治療を強要されるのです。実際は、コレステロールは細胞膜やホルモンなどの大切な原料であり、これを組織に運ぶ役目がLDLなので、これらの成分が不足するとがんや認知症などに罹患しやすくなります。さらに、コレステロールが血管に付着するのは、血管の動脈硬化などを修理している状態なので、血管を詰まらせているというのは全くの濡れ衣です。従って、総コレステロールやLDLは、基準値よりやや高めの人のほうが長生きしています。

しかしながら、脂質濃度が極端に高い場合は、改善が必要です。高脂血症の原因は大きく2つに分類され、1つ目の遺伝的に高い体質の家族性高脂質血症は服薬が必要ですが、全体の中では少数派です。多くの場合は、2つ目の暴飲暴食に運動不足が重なったタイプで、バランスの良い食事と有酸素運動の生活改善で基礎代謝を上げることにより、以前の値まで戻す事が可能ですが、時間と根気が必要です。そこで、副作用の心配がなく脂質代謝向上をサポートするのが、私が研究している漢方飲料の美露仙寿(めいるせんじゅ)です。美露仙寿は、枸杞子(くこし)、山渣子(さんざし)、余甘子(よかんし)、菊花(きっか)、鹿角霊芝(ろっかくれいし)、大棗(たいそう)、ヨクイニンの7種の漢方に用いられる植物の抽出濃縮液です。この抽出濃縮液を、健康な方々に1日当たり15 ml 瓶4本を3か月間飲用した結果を示します(医学検査61: 541-547, 2012より抜粋)。他の生活は、全く変更はありません。

脂質データ 3

その結果、総コレステロールは225.3 から212.2 mg/dl へ統計学的に有意に低下しています。この研究でLDLは実測していないのですが、LDL=総コレステロール ーHDL-中性脂肪÷5で計算できます。上表の様に、HDLは変化していないので、LDLと中性脂肪の合計が低下していることになります。これまでの研究で、美露仙寿は基礎代謝を向上させ、基礎体温の上昇や血流量の増加が確認されています(未病システム学会雑誌21: 1-6, 2015)が、上記の結果より、同時に脂質の代謝も改善されるものと考えられます。健康長寿の基礎は、バランスの良い食事と有酸素運動ですが、美露仙寿はそのサポーターと成り得ます。

高脂血症を指摘された方々は、服薬が必要なのか、どのような生活改善をすべきか、本ブログの高脂血症のカテゴリーの記事を参考にして考えてください。

「ホームページからの健康相談」の上手な利用法 (血圧)

2016年07月10日

血圧に関しても、沢山の相談があります。

相談例 【血圧が150 mmHgで服薬を勧められましたが、飲みたくありません。服薬以外で改善する方法はありますか?】

上記の場合、最高血圧の記載しかありません。現況を把握するには、最低血圧、年齢、身長、体重、喫煙、運動習慣などのデータが必要です。例えば、下の表のように、最高血圧が150 mmHg と同じでも、年齢や最低血圧により解釈が異なっています。

血圧

30歳代や40歳代の若い世代では、150 mmHg は高めなので、原因究明と対策が必要です。しかし、最高血圧は年齢とともに上昇するので、70歳以上の高齢では150 mmHg程度は問題がありません。従って、年齢は重要な因子になります。

次に、最低血圧の記載も重要です。Aの場合は、最高血圧と最低血圧の差(脈圧)が25しかありません。このような傾向は30~50歳代の若い世代にみられる事が多く、心疾患などが原因である可能性があります。

逆に、Cの場合には上下の差が大きくなっています。このような症例は高齢者に多く見られます。加齢とともに、最高血圧の上昇と最低血圧の低下が同時に進行するので、上下の差(脈圧)が大きくなります。原因として、心臓近くの血管で動脈硬化が進行している可能性があります。

Bの場合は、最高血圧と最低血圧は基準値よりもやや高めでしたが、上下の差(脈圧)は50と良い値なので、動脈硬化の進行は未だ無いように見えます。血圧上昇の原因は不明なことも多いのですが、中高年で比較的多い原因は肥満とストレスです。身長と体重からBMIを計算して、25以上の場合は肥満です。肥満の場合は、体重1 kg 当たりの減量で血圧が2 mmHg 低下するので、10 kg の減量で20 mmHg程度の低下が期待できます。従って、食事療法と運動療法の組み合わせが有効です。職場内で慣れない仕事に移動になった場合や、売り上げ目標などの精神的ストレスが原因になる場合も多々あります。この場合は、その原因を取り除くことが不可欠です。

本来の基準値の設定とは、健康な人が95%入る範囲のことですから、基準値を外れるのは5%のみのはずです。現在の血圧の基準値である最高血圧が 130 mmHg 以下では、中高年の80%位が異常高値になってしまいます。中高年では、血圧の基準値を少し超えた程度で深刻になることはありません。最低血圧、年齢、身長、体重、喫煙、運動習慣などのデータを添えて、ご相談ください。

血圧イラスト2【参考記事】

2015年11月1日:ホームページからの健康相談(降圧剤を飲むべきか?)

2014年5月1日:基準値(正常値)のウソが修正される?

2013年11月20日、30日:健康人を病人にする方法(3:血圧)

「ホームページからの健康相談」の上手な利用法 (LDL)

2016年07月01日

ホームページからの健康相談を、沢山の方々にご利用いただきまして、有難うございます。相談の検査項目のみならず状況把握ができる詳細なデータあると、より適切なアドバイスをすることができます。ご相談件数が最も多いLDLと血圧(次回)を例に、上手な相談の仕方を説明させていただきます。

相談例 【LDLが200 mg/dl を越えています。短期間に低下する方法をアドバイスください。】

上記の場合、LDLの記載しかありません。ご相談のLDLの高値の原因として食べ過ぎ、アルコール摂取過多、運動不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣と、体質的なもの(遺伝的)があり、原因により対応が違ってきます。生活習慣なのか体質的なものかを判断する為に、総コレステロール、中性脂肪、HDL、身長、体重、年齢、肝機能の値、喫煙、運動、家族の健康状況などを総合的に見て、どちらが原因かを判断します。生活習慣が原因の場合には生活改善である程度まで低下しますが、遺伝的な場合には服薬が必要です。以下に、A、B、Cの3人の例で説明します。

脂質4

Aの場合は、中性脂肪と他の3項目も全て高いので、暴飲暴食が原因の可能性が強い症例です。このタイプは、カロリーの摂り過ぎなので肥満がある場合が多いです。身長と体重の記載があれば、さらに確定的です。カロリー制限と有酸素運動で、高脂血症の改善が期待できます。

高脂血症改善 Bの場合は、BMI=22.1 の標準体重であることから、暴飲暴食の期間が短いことが推測されます。元々やや高めの脂質に加えて、最近の運動不足と食べ過ぎが原因で値が上昇したと考えられます。1カ月前から始めた運動と食事制限で、中性脂肪は著しく改善していますが、総コレステロールは運動と食事制限で低下するには長期間を要しますので、まだ成果が出ていません。なお、総コレステロールは変動幅が小く極端に低下することは有りませんが、運動により基礎代謝を向上させることで、暴飲暴食をする前の値くらいまでゆっくりと低下していくと予想されます。

Cの場合は、総コレステロールとLDLが高いのですが、中性脂肪は高くはないので、食事が原因とは考え難いです。さらに、HDLが低くてLDLとのバランスが崩れているので、家族性の高脂血症(遺伝性)の可能性が高いと考えられます。このタイプは、肥満は無く痩せている場合も多いです。家族内にも同様の高脂血症者がいる可能性があります。この症例の改善には、高脂血症薬の服用が必要になります。

他には、糖尿病や甲状腺の病気、薬剤が影響して上昇するケースもあります。ですからLDLが高いといっても、食事や運動療法で改善が見込まれる場合、服薬が必要な場合、疾患の治療で低下する場合などがあります。LDL以外にも、罹患している病気、服用している薬剤、総コレステロール、中性脂肪、HDL、身長、体重、年齢、肝機能の値、喫煙、運動、家族の健康状況など、多くのデータを添付してくださることで、より的確なアドバイスが可能になります。

【参考記事】

2015年10月20日:ホームページからの健康相談(高脂血症薬は飲むべきか?)

2015年4月10日:コレステロールは食事制限の必要性なし!

2014年5月1日:基準値(正常値)のウソが修正される?

2013年10月30日:健康人を病人にする方法(2:高コレステロール血症)

健診で病人にされる!

2016年05月10日

年に1度の健康診断で、都内のH病院の健診センターに行ってきました。私(62歳)は健康を指導する立場にあるので、自分の健康状態は常に気を使っています。ですから、検査結果は全てA評価で当然と思いきや、BやCがあります。以前から書いてきたように、健診に行くと健康人も病人にされてしまう典型例ですので、BやCの結果についてコメントを書いてみます。

健診結果

脂質は、総コレステロール204 mg/dl、LDLが130 mg/dl で基準値を超えているので、B判定になっています。現在の総コレステロールの基準値199 mg/dl、LDLは119 mg/dl以下ですが、この値をクリアする健康な中高年は半分もいません。健康な中高年の値は総コレステロールは男性で250 mg/dl、女性280 mg/dl、LDLは男女ともに180 mg/dl 位までなら問題ありません。コレステロールは細胞膜やホルモンの材料で、LDLはコレステロールを組織に運ぶ大切な成分なので、悪玉ではありません。実際、総コレステロールもLDLも基準値以下の人より、基準値を少し超えた人の方が長生きしているのです。基準値を超えて病院に行くと脅されて薬を飲まされますが、薬が改善するのは病院の経営状態(収入)であり、患者の健康ではありません。参考として、

2014年5月1日:基準値(正常値)のウソが修正される?

2013年10月30日:健常人を病人にする方法(2:高コレステロール血症)  をご覧ください。

血糖値は104 mg/dl で、基準値の99 mg/dl を越えていてC判定でした。健康な中高年の値は、男性114 mg/dl、女性106 mg/dl 位までは心配いりません。私の場合は、昨年も同じ値なので、体質と解釈できます。ただし、毎年少しづつ上昇して100 mg/dl を超えている方は、近い将来に糖尿病の可能性がありますので、食事と運動の改善が必要です。

肝機能はγ-GTが75 U/l で、基準値を超えているのでB判定でした。晩酌は週に3~4日で日本酒1~1.5合位、居酒屋はたまに行く程度です。検診の直前に飲みに行ったのが影響しているのでしょう。でも、GPTが20 U/l 台なので、肝臓の疲れは極軽いものと考えられます。大目に見ましょう。

全体を評価すると、62歳では全く問題ないので、BやC評価は心外です。私の場合、今の食事や運動(主に水泳)を継続していれば良いと考えています。BやC評価を多くしているのは、病院のお得意様(患者)を増やす作戦ですので、協力する必要は有りません。

健診の問題点は、①基準値が厳しすぎるので、全く健康な中高年でも半分以上は再検査になること、②昨年や一昨年のデータは考慮せずに機械的に判定するので、体質的に高い・低い場合も異常値とみなされることです。真に治療が必要な人を見つけるような健診であって欲しいものです。

「血圧120 mmHg未満で病死27%減」の本当の意味

2015年12月01日

医学研究者なら誰でも知っている世界の一流医学雑誌のNew England Journal of Medicineに、「血圧120 mmHg未満で病死27%減」に関する論文が発表されたことを、多くのメディアが報じました。この題目だけなら、血圧は低くした方が良いと受け取れますし、私が本ブログで書いてきた「中高年の血圧130~150 mmHgは薬不要」という記事は間違いなの?と思われるかもしれません。しかし、この論文の中身を正しく理解していただければ、血圧を120 mmHg以下にする必要はないことがお解りいただけます。

患者情報

この研究では、患者群を血圧140 mmHg以下にする群(4678名)と、120 mmHg以下にする群(4683名)の2群に分けています。両群の人数は、ほぼ同じです。3年半の研究期間の後に、140の群では210名(4.5%)が死亡し、120の群では155名(3.3%)が死亡しています。従って、(4.5-3.3)÷4.5=0.27 (27%)から、120の群で死亡率が27%減少したとの結論に至っています。確かに、計算は間違いではありませんが、実際に差があるのは210-155=55人なので、4600名からみると僅かに1.2%の差しかありません。この手法は、研究者が自分の研究成果を誇張したい時に用いて、インパクトを大きくしているのです。

逆に、急性腎不全および急性腎障害で救急搬送された患者は、120以下の群では2倍近くおり、低血圧で救急搬送された患者も1.5倍多くなっています。この一因として、降圧剤を多量に使用することの副作用が考えられます。また、両群の肥満度の指数であるBMIは、29.8と29.9の著しい肥満患者です。このBMIは、日本人の一般的な身長である175 cmでは体重が92 kgに相当します。BMI>30の肥満率は、アメリカ人では35~36%と高いのですが、日本人では3~4%程度と低いので、この患者群での研究結果をそのまま日本人にあてはめるのは適当ではありません。この英語の論文を原文で読む日本人は殆どいないのを良いことに、製薬会社や病院に都合の良い情報のみがメディアで報じられているのです。

日本人を対象としたこれまでの研究で、降圧剤で血圧を20 mmHg以上下げる群では、20以内の低下群と比較すると、脳梗塞発症率が高くなり、総死亡率が1.5~5倍も高くなっています。さらに、転倒や交通事故の確率が増加し、うつ等による自殺や認知症に成り易いことが知られています。これは、血圧が低すぎることで脳の神経細胞に栄養分や酸素が十分に供給されないことによると考えられます。

本ブログでこれまで書いてきたように、中高年の血圧130~150 mmHgは問題ありません。降圧剤による大幅な血圧の低下は逆に危険が多いので、肥満の解消や有酸素運動での血流改善を基本に考えてください。製薬会社や病院に都合の良いメディアの情報を鵜呑みにせず、薬は必要最小限度に!

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