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薬・副作用

新型コロナ後遺症における漢方の可能性(クコを中心に)

2021年09月27日

新型コロナウイルスに多くの方が感染し、入院もできずに自宅療養(現実は放置状態)せざるを得ない状態が続いています。感染から回復した後も後遺症に苦しめられるケースが多いのですが、対応できる専門病院や外来は少ないのが現状です。後遺症は、倦怠感、味覚・嗅覚障害、脱毛、咳・痰、集中力・記憶力の低下など様々な全身症状ですが、検査しても肺や脳などには異常が認められず、原因不明の症例が殆どです。故に、治療はこれらの症状を緩和させる対症療法になっています。そこで、これらの後遺症の緩和ならびに根本的治癒を目的とした漢方の可能性を考察します。

医薬品と漢方の違いを、図に示しました。右に示した医薬品の成分は、一般的には単一の化学薬品なので、ピストルの弾に例えられます。咳や味覚障害、不眠などの的(症状)に当たれば、比較的強力に効果を発揮します。しかし、原因という的はハッキリしないので、命中させることは難しいのです。これに対して、左に示した漢方は多数の有効成分を含んでいるので、散弾銃に例えられます。自然の植物由来なので散弾の1粒(成分量)は小さいので、効き目は穏やかであり、効果が出るまでには時間を要する場合が一般的です。しかし、多数の小さな散弾(多種の成分)は広範囲に広がって、多くの症状や不明な原因にまでも命中することで、全身の症状を緩和する確率が高いのです。

漢方で上品薬(副作用が極めて少なく、効き目の穏やかな漢方薬の分類)として用いられるクコによる全身の症状緩和の医学研究論文を紹介します。クコの果汁を飲んだグループと偽の果汁を飲んだグループを30日後に比較すると、クコ果汁を飲んだグループのみで脱力感、疲労感、ストレス、息切れ、集中力、睡眠の質などの全身症状の改善が明らかになっています(J Med Food. 2012 ,15(11):1006-14、The J of Alternative and Complementary Medicine 2008, 14(4) 1089 )。また、酸化ストレス(身体の錆び)は90%以上の疾患の発症に関与する因子と考えられていますが、これらを防ぐ代表が抗酸化酵素のSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)やGSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)です。これらの抗酸化酵素も、30日間のクコ果汁の飲用で統計学的に明らかに改善(Nutrition research 2009, 29: 19-25)していますので、全身における疾患の発症の予防や改善に寄与する可能性を示しています。

同様に、クコを主材料とする健康飲料でも、ウイルスに感染した細胞を攻撃するキラーT細胞(CD8発現T細胞)の活性の上昇や、疲労の軽減に働くHSP(ヒートショック蛋白)、GSH(抗酸化物質グルタチオン)の増加(医学検査2012, 61(3): 541-547)、血流の増加(Int. J. Phytomedicine 2016, 8: 353-358)、冷え性や便秘などの未病の改善(日本未病システム学会雑誌 2015, 21(3): 1-6)など、全身の症状の改善が報告されています。

現時点では、漢方がコロナ後遺症に有効である直接データはありませんが、これらの研究論文からクコなどの漢方が全身症状の予防や改善への寄与が示されていますので、コロナ後遺症の全身的な症状も改善する可能性を示唆しています。漢方は数千年の昔から用いられている古き治療法ではありますが、最先端の治療法にもなり得ます。試してみる価値は十二分にあるでしょう!

抗生物質の6割が効果の無い風邪などに処方

2020年01月10日

抗生物質は、細菌を殺す薬であり、ウイルスには効果が無いことを、本ブログでは度々記載しています。例えば、風邪をひいて病院に行くと、抗生剤が処方されています。しかし、風邪の原因の90%程度はウイルスが原因なので、抗生物質は効果がありません。(風邪とインフルエンザ(罹患時の対処)風邪に抗生剤を使わない病院に報酬⇒?????)。

自治医科大学の研究チームの調査では、1年に平均で8957万件の抗生剤が処方されていましたが、抗生剤が必要と判断された件は全体の8%のみで、56%は抗生剤の効かないウイルス性の疾患でした。

さらに、処方された抗生剤の86%は、様々な細菌に効く広域抗菌薬と呼ばれる抗生剤であるので、抗生剤が効かない耐性菌を生み出す原因となる可能性を高めています(抗生物質の多用で耐性菌)。

これらの間違った抗生剤の処方は、当然のことながら医師に責任があるのですが、患者自身も必要の無い抗生剤が処方されていることを知るべきです。

 

 

高齢者にはリスクの高い睡眠剤と抗不安薬

2019年12月20日

年齢を重ねる毎に、慢性の疾患などに罹りやすくなり、より多くの薬を服用する様になります。実際、65歳以上の90%は何らかの薬を服用し、その内の約半数は5種類以上、約10%は10種類以上の薬を服用しています。

しかし高齢者では、薬の服用による副作用のリスクが高まっているのです。その理由は、①肝臓での薬の分解能の低下、②腎臓が薬を尿中に排泄する能力の低下、③身体の水分量の減少による水溶性の薬の高濃度化、④脂肪組織の増加による脂溶性薬の体内の蓄積などがあります。その上、多くの薬剤の服用による薬物相互作用のリスクが格段に増加しています。

薬剤の中でも特に、睡眠薬と抗不安薬は高齢者にとってリスクが高くなっています。即ち、これらの薬を高齢者が服用することで、転倒や認知機能障害が起こりやすくなることが報告されています。また、止められなくなる依存性を起こしやすく、死亡リスクも高くなるのです。現実に、これらの薬剤は80歳代の高齢者に最も多く処方されており、その危険性が指摘されています。

高齢者へのリスクの高い薬の処方は、本来は専門家である担当の医師が抑制していくべきなのですが、患者に求められれば断れないことや、経営を考えて多くの処方をするなどの問題点もあります。薬は必要なものではあるのですが、患者自身もその使用は最小限度に抑えるべきです。

 

コレステロール:アメリカでは検査も治療も必要なし

2018年07月10日

無料健康相談には、多くの方からの相談が寄せられています。中でも圧倒的に多いのが、コレステロール(総コレステロール、LDLコレステロール)に関するものです。その内容は、「コレステロールが基準値を超え、医師から血管が詰まって死ぬから高脂血症薬を飲むように言われたが、飲みたくない。」というものです。薬を飲むか否かは本人が決めることですので、その決断の参考になる様に、次のようなことを示しています。

①現在の基準値は低すぎて、健康な中高年者の約半分は異常高値になる(病人を作る検診・ドック健常人を病人にする方法(高コレステロール)基準値(正常値)のウソが修正される?)。

②コレステロールが動脈硬化を起こして血管を詰まらせる悪者説は間違いで、真実は動脈硬化を起こした血管を修理するためにコレステロールが集まってくる(救急隊)。

③コレステロール値と心筋梗塞や脳梗塞との関係性はない。

④総コレステロールは高いよりも低い方が危険(総コレステロール値が200~280 mg/dl で死亡率が低く、160 mg/dl 以下では死亡率が4~6割程度高くなる。総コレステロールが180 mg/dl 以下では、280 mg/dl 以上よりもがん死亡率は約5倍も高い。など)

⑤アメリカでは、家族性高脂血症(遺伝性の高脂血症)でないことを確認するための検査を1回すれば、コレステロールは検査も治療も生涯にわたって必要ない。

特筆すべき疾患が無い場合は総コレステロールは280 mg/dl 、LDLコレステロールは180 mg/dl 位までは服薬の必要性はなく、食事や運動などの生活改善で対応すべきと考えます。逆に、薬で下げすぎることで横紋筋融解症による痛みやしびれ、免疫力の低下による罹患の危険にさらされます。

高脂血症薬は製薬会社のドル箱商品で年間売上額は数千億円、コレステロール関連の健康食品の売り上げも200~300 億円あるのです(正義(人間ドック学会の基準値)は力で潰された?)。「血管が詰まって死ぬ」という医師の脅しや、コレステロール悪者説で不安をあおることで、必要の無い薬や健康食品が売れているのです。 この販売戦略に協力するのか、このブログの主張を信じるかは、皆様の判断です(ホームページからの健康相談(高脂血症薬は飲むべきか?)高脂血症と対策響の大きかった「コレステロールの基準値と対策」)。

アルツハイマー治療薬は効果が不十分:フランスで保険適用から除外

2018年07月01日

フランスの保健省は、アルツハイマー型認知症の治療薬(日本名:アリセプト、ミニール、イクセロンまたはリバスタッチ、メマリー)を、保険適用から除外することを発表しました。その根拠は、2016年に同国の高等保険機構が公表した勧告によるもので、世界中で公表された研究成果から「薬を使うことで、施設への入所を遅らせたり、病気が重症化するのを抑制するなどの良い影響を示す証拠が十分でない。一方で、副作用による食欲低下や暴言・暴力などが出現しやすくなっている。」との理由によるものです。

日本で用いられる治療薬の添付文書にも、「本剤がアルツハイマー型認知症そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。」と書かれています。効果として期待できるのは、記憶力などが落ち込むのを一時的に穏やかにすることのみです。従って、アルツハイマー型認知症の発症初期には進行を遅らせる可能性はありますが、進行してしまった症例では効果は期待できません。しかしながら、多くの医師は進行した患者にも処方を継続しているのが現実です。実際、日本では85歳以上の高齢者の約17%にこの治療薬が処方され、年間で約1500億円以上が使われています。日本での保険適用は、現時点では除外される気配はありませんので、患者は効果の期待できない薬を飲まされ続けるのでしょうか?

 

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