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薬・副作用

大手製薬会社ノバルティスファーマが業務停止処分

2015年02月10日

今回の内容は、「賢い患者」の予定でしたが、製薬会社の行政処分の話題に変更します。「賢い患者」は次回の掲載とします。

これまで度々、薬には効果の他に副作用があるので、使用は最小限度にすべきと書いてきました。その副作用に関して、製薬会社が隠していた事例です。

ノバルティスファーマ社は、3000例以上の薬の副作用情報を国に報告していなかった問題で、業務停止処分(15日程度)を受けることになりました。薬による重い副作用が確認された場合には、製薬会社は30日以内に国に報告しなければならないことが法律で定められています。しかし、白血病治療薬の16例の副作用が報告されなかったために、昨年7月に業務改善命令を受けていました。その後の調査で、26種類の薬で3264例の重い副作用も報告していなかったことが判明しました。

同社の行政処分は2回目ですが、降圧剤バルサルタン(商品名ディオパン)の虚偽広告事件でも社員が起訴されており、再度の業務停止処分がなされる可能性があります。(反省が見えないところが怖い!)

(ディオバン事件: ディオバンは、京都府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大の計5大学が臨床研究を実施。京都府立医大と慈恵医大の論文は、ディオバンが他の高血圧治療薬より、脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いと結論づけている。しかし、同社の広告に利用するために、より効果を高く見せるように改ざんした虚偽の論文であるとして、薬事法違反(虚偽記述・広告)の疑いで逮捕された事件。)

薬の副作用による最近の死亡例は、今週の記事で前立腺がんの新薬「ザイティガ錠」(ヤンセンファーマ社)を服用した患者4人が重症低カリウム血症を発症して1人が死亡した例、昨年12月にも前立腺がんの抗がん剤「ジェブタナ」(一般名カバジタキセル:サノフィ社)を投与後に患者5人が死亡していた例、昨年10月の糖尿病薬SGLT2阻害薬3剤で5人の死亡例が報告されています。薬は、病気を治すためのものであり、薬で命を縮めるのは論外です。

 薬には効果とともに副作用がありますが、副作用の隠ぺいや効果の過大広告などは、氷山の一角のようです。病院での新薬の治験では、副作用などの都合の悪いデータは、依頼した製薬会社の社員によって握りつぶされることは、よく耳にしていました。ですから、副作用が少ないとのうたい文句で発売された後に、多くの事故が起きていることは度々あります。医薬品は、ヒトの健康や生死に直結するものですから、高いモラルの上に製造販売されなくてはならない商品なのですが、製薬会社が利益第一主義に走り過ぎていると思われる現況を理解しましょう。薬は必要最小限に!

健康食品で健康被害(ウコン)

2014年09月20日

平成18年厚生労働省から「健康食品が原因と疑われる健康被害の報告例」が発表されました。近年、多様な方法で世界中から購入可能となった健康食品ですが、一部の商品を利用された方に健康被害が現れました。

健康食品とは、不足しがちなビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養補給を補助する食品で「サプリメント」とも呼ばれます。「天然の有効成分のみを抽出した自然食品」などと効能効果が宣伝されていますが、抽出されたことにより数倍~数百倍に及ぶ不自然な量が健康を害する原因になっています。その健康被害で多いのがウコンです。

ウコンは中国原産ショウガ科の植物で主に香辛料として用いられます。俗に「肝臓の機能を高める」といわれますが、日本で発生した健康食品による肝障害の原因の4分の1<を占めるといわれます。

ウコンによる肝障害の原因成分については、2011年6月29日のNHKの「ためしてガッテン」が、ウコンに含まれる大量の鉄分が原因とする調査結果を紹介しています。健康な人なら問題はないが、肝炎にかかった人は鉄が肝臓にたまりやすく、その過剰な鉄が酸化促進作用で肝炎をさらに悪化させるのです。

他のウコンの肝障害の原因として、有効成分「クルクミン」が体内で酸化を抑える抗酸化物質として作用する一方で、鉄と同じように酸化促進作用も持つ両刃の剣との説もあるのです。また、アルコールによって誘発された肝障害が、クルクミンにより増悪するとの研究があります。日本で盛んに宣伝されている二日酔い防止や肝機能強化といった効果に対するまったく逆の作用指摘されているのです。

消化器系に関しても、食事中に含まれる通常量であれば安全とされていますが、過剰、長期の摂取で下痢や腹痛などを起こすことがあります。胃潰瘍、胆石症の方は利用してはいけません。

栄養は、バランスの良い食事で摂るべきで、不自然な形の加工物は要注意です。

特保のウソ(2)

2014年09月10日

特保のウソの最たるものは、特殊な実験条件です。本来、実験は一般のお客様の状況を反映した条件で行わなければならないのです。しかしながら、特保の実験条件は極めて特殊な条件でのデータを用いていることがしばしばです。例えば、よく知られた商品ではエコナクッキングオイルがあります。健康効果として、肥満気味の方や中性脂肪が高めの方にお勧めとあったのですが、実際にラットやヒトで検証すると脂肪燃焼や中性脂肪燃焼への効果は認められていません。この理由は、メーカー側の実験条件では、調理に使用したものでなく直接飲ませたデータや、健康人ではなく糖尿病患者を用いたデータを使っていたためなのです。ですから、健常者では何の効果もないのですが、誰にでも効果があるような表現を用いていたのです。なお、発がん物質が含まれていたことは論外です。

他の例では、脂肪が燃焼するという高濃度茶カテキンの「ヘ●●●緑茶」です。私は、そんなのは効果がないから運動した方が好いよと常に言っています。なぜなら、この実験は肥満の強い人の場合に、多少の効果が期待できるものなのです。肥満でない通常の体型の人には効果がないことは、「男女ともに、BMIの低い人では体脂肪低減を認めず」と、論文の結論に書いてあるのです。しかしながら、テレビの宣伝では、通常体型の俳優にも効果があるように表現しています。なお、茶カテキンは過量摂取(600 mg/day)で肝障害などの健康被害を起こす恐れがあるので、アメリカでは摂取制限されている成分です。ヘ●●●緑茶350ml缶には540mgのカテキンが入っています。効果がないといって多量に摂取すると、逆に病気になる可能性がある特保であることを知ってください。

さらに最近の例では、特保のコーラの売れ行きが好調です。でも、本当にコーラを飲んで体脂肪が落ちて、ダイエットや健康に良いのでしょうか?どう考えても、私には眉唾にしか聞こえません。CMは、ボクサーの矢吹ジョーがポテトチップス、ピザ、フライドチキンなどの高カロリー食品を食べているが、特保のコーラを飲めば脂肪の吸収が抑えられるので安心というものです。実際の実験では、マーガリンがびっしり入ったパンを摂取した場合に、脂肪の吸収が僅かに低減されている程度である。すなわち、過摂取の脂肪分の大部分は吸収されるので、コーラを飲んでもダイエットどころか肥満につながるのが実際です。この様な紛らわしい表現は、本来なら薬事法違反になるのですが、認可施設や実験施設のお偉いさんは厚労省の天下りなので、大手を振ってまかり通るのです。

 

この様に、特保の製品を買うと厚生省の天下り役人のフトコロが暖かくなる効果はありますが、一般消費者にはうたっているような効果は殆ど期待できません。

次回は、健康食品による健康被害についてです。

特保のウソ(1)

2014年09月01日

これまで薬の副作用について書いてきたので、読者の方は薬は極力飲まない方が賢明ということをご理解いただけたと思います。では、健康食品の特保はどうなのでしょうか?特保とは、「食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする商品」とあり、2009年の売り上げは約5500億円になっています。特保商品は、国が安全や効果にお墨付きを与えたものなので安心と思っている方も多いでしょう。ところが、ここにも産学官の癒着が生んだウソが隠れているのです。

第一に、特保が認可されるためには安全性や効果が実証された医学データが必要です。ところが、このデータにもピンキリがあるのです。名の通った医学雑誌に掲載された研究データなら、信用性が高いといえます。なぜなら、この様な雑誌に掲載されるには審査委員の厳しい審査を通過しなければならないからです。審査委員は、実験の妥当性はもちろん、文章の表現までチェックしますので、信ぴょう性のない内容では、受理されないのです。しかしながら、特保の実験データの多くは、特保申請に有利なデータを作る産学官癒着の研究所がおこなっているのです。そのデータをもとに、この研究所ゆかりの学会で発表して、自作自演の効果や安全性をアピールするのです。もちろん、研究所は官僚の天下り先であるのです。その研究所とは、公益財団法人「日本健康・栄養食品協会」で、全国の700以上の健康食品関連の会社が加入しています。この財団の専務理事は厚生労働省からの天下りポストになっています。さらに、特保の臨床試験を請け負う「総合医学研究所」は、特保の臨床試験で経営が成り立っており、利害関係の強い学者の経営なのです。原発事故のとき、安全神話を作り続けてきた御用学者たちのいい加減ぶりが明らかになりましたが、特保でも同じことが存在しています。

次回は、健康食品の摂取が原因の健康被害などについての記事です。

ホルモン剤で癌のリスク増

2014年07月01日

 重度の更年期障害に悩む患者さんは、少しでも楽になりたいとの思いからホルモン剤の投与を希望される方が少なくありません。このホルモン補充療法は、女性ホルモンを投与すること で、急激な女性ホルモン低下によって生じる、のぼせ・ほてり・発汗異常などを伴う更年期障害を改善させるものです。

ホルモン剤と癌

  しかし、治療に使われるホルモン剤は、乳がんの発生増加と死亡増加と関係していると報告されています。閉経後の16000名を、ホルモン投与群とプラセボ群(偽薬)に分けて、約8年間観察すると、乳がんの発生率は投与群で385名に対しプラセボ群は293名で、投与群で1.25倍高くなります。乳がんでの死亡者は投与群で51名、プラセボ群では31名と、1.57倍もホルモン投与群で高くなっていますまた、このホルモン投与によって増大した乳がんリスクは、投与の中止で顕著に減少し、投与を中止すると約2年で元の状態に戻るというのです。この発表でも、8500名の女性にホルモン剤の投与を行い、8100名の女性はプラセボ群として、両者を比較しています。乳がんの発生率は、投与群で1.26倍に上昇していました。

  同様に、ホルモン剤の投与は、子宮体がんになりやすいこともわかっています。更年期障害がつらいのは理解できるのですが、医師はホルモン投与のリスクの説明を充分にすべきですし、患者側はこの説明を聞いた上で、症状の改善効果ががん発症のリスクをはるかに上回ることを納得してから行うべきです。

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