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薬・副作用

ワクチンの功罪

2014年06月20日

ワクチンは病気の予防にとの理由で、勧められています。確かに、そのメリットも理解はできるのですが、それと同時に副作用などのデメリットも知って、どちらが大きいかを判断したうえで、接種の可否を判断しなければいけません。

最近の例では、子宮頸がんの予防ワクチンで考えてみましょう。テレビのCMで、子宮頸がんはワクチンで確実に予防できるようなイメージを放送しています。では、実際の予防効果はどうなのでしょうか?子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)であり、例え感染しても9割以上の場合は、自己免疫力で治癒します。がんに発展するのは0.1%程度で、約1000人に1人です。次に、ワクチンの効果ですが、子宮頸がんを予防できる確率は10分の1程度と予測されています。なぜなら、このワクチンは英国製であり、日本人女性の子宮頸がんに関与するウイルスの型と異なるからであります。副作用として、注射後に失神した報告やけいれんが止まらなくなった例がありましたが、英米では死亡例も報告されているのです。

自治体が予防接種の費用(3回分で約4.5万円)を負担してくれるので無料だから摂取するほうが得とばかりに飛びつきそうですが、この費用は元々私たちの税金なのです。予防効果が低く、副作用の心配のあるワクチンは、私の娘や孫娘には受けてほしくありません。

解熱剤で免疫低下

2014年06月01日


熱が出て病院に行くと、多くの方は解熱剤を処方されて、喜んで帰ってきます。でも、この解熱剤は、治りを遅らせる原因であることをご存知ですか?

何故に熱が出るのかというと、ウイルスや細菌に感染した時に、次の2つの方法で抵抗力=免疫力を上げるために熱が出ているのです。1つめは、ウイルスや細菌は熱に弱いので、体温を上げることでこれらが住みにくい環境を作っているのです。2つ目は、体温を上げることで、白血球の活動が活発化するので免疫力がアップするのです。要するに、敵を弱らせた状態で自分の攻撃力を上げることにより、感染症との闘いに勝利しようとしているのです。ところが、この状態で解熱剤が投与されると、体温が低下して抵抗力が落ちてしまうのです。

自分の子供が熱を出していると、人情としては解熱剤で楽にしてあげたいという気持ちはわかるのですが、治りを早くするためには、解熱剤は控えましょう。(ただし、40℃を超えるような場合は、解熱剤で多少下げるのはOKです。)

 

抗生物質の多用で耐性菌

2014年04月20日

  抗生物質は、ご承知の通り、細菌感染症から人類を救ってくれたといっても過言ではありません。しかしながら、現在の医療ではその使用量が度を超しているために、抗生剤の耐性菌を生み出し、また使用過多による体内の有益菌までも死滅させることがあるのです。抗生剤の効かない耐性菌は、昔はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が話題になり、その後はバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)が問題になりました。これらの菌がなぜ出現したのかと言えば、抗生物質を使いすぎたために、細菌がそれに対抗して抗生物質が効かないように進化したのです。日本は世界の中でも最も抗生剤を多用しているので、耐性菌であるMRSAの院内感染の多いのが現状です。感染症の患者から検出される黄色ブドウ球菌の内、耐性菌のMRSAが検出される頻度は、長崎大学では約60%位の高頻度です。海外ではアメリカやイタリアでも40%程度、ドイツでは10%以下、オランダは殆ど検出されていません。如何に日本の検出率が高いかが解ります。何故に、この様な高い頻度で耐性菌が蔓延するのでしょうか?それは抗生剤の使い過ぎにあるのです。例えば、風邪をひいて病院にいくと抗生物質が処方されることが多いです。でも、インフルエンザなどのウイルスには抗生物質は効かないのは常識です。でも、何か薬を出さないと患者が納得しないので、抗生剤を処方するのです。患者は薬はいらないと断った方が良いのです。


耐性菌の歴史

  抗生物質の多用は、薬剤耐性菌を生み出すばかりではありません。皆さんも、抗生物質を飲んだ後に下痢をした経験はありませんか?腸内には100兆個と言われる腸内細菌が住んでいて、食物の消化吸収を助け、感染防御や免疫刺激を行うことで体内の半分以上の免疫機能を担っているのです。その腸内細菌までもが、抗生剤の多用で死んでしまうために、下痢をしたり、免疫機能が低下したりしているのです。また女性では、膣内細菌が有害な菌の繁殖を抑えているのですが、抗生剤の多用でその有益菌が死んでしまい、膣内に雑菌が繁殖しやすくなるのです。この様に、抗生剤は正しい使用方法では有益なのですが、多用することにより免疫力が落ちて、健康を害するのです。

ステロイドの副作用

2014年03月20日


ステロイド剤は、抗炎症作用や免疫抑制作用を有する有益な薬剤です。湿疹や皮膚炎などにはてき面な効果を発揮します。また、膠原病などの自己免疫疾患にも広く使われています。しかしながら、長期に大量投与することにより、取り返しのつかない副作用も生むのです。例としては、ステロイド薬が白血球の機能を低下させることで、ウイルスや細菌、微生物などの外敵と戦う力が弱まり、 感染症が起こりやすくなります。この状態は「易感染」と呼ばれ、インフルエンザ、肺炎、結核などがあります。

    ステロイド薬を大量に投与すると、ステロイドが血糖値を下げる働きがあるインスリンの作用を阻害するために、血糖値が高くなるステロイド糖尿病になることがあります。ステロイド薬の投与が血液中のナトリウムを増やし、血圧を高めて高血圧がみられる場合があります。この他にも、骨粗しょう症、副腎機能低下など、たくさんの副作用が報告されています。使用する場合は、副作用を考慮する必要があります。

 皮膚炎では、ステロイド軟膏を使用すると一時的には改善しますが、止めるタイミングが重要です。中途半端な時期に中止すると、それまで抑えられていた炎症が一気に噴き出して、以前よりさらに悪化することがよくあります。時間をかけて、少しずつ使用量を減らしていくことが必要です。ステロイド剤は、「両刃の剣』であるのです。

抗がん剤の副作用(3)

2014年03月10日

他の薬の副作用の頻度について、紹介しましょう。日本では表に出ないことが多いので、アメリカの副作用情報を示します。1994年の処方箋数は約30億枚でした。この中で、約200万人が副作用で入院しています。確率として、1500分の1でした。さらに、この中の10万人が死亡しているのです。病気ではなく、薬の副作用で死亡した患者の確率は、なんと3万分の1なのです。宝くじの1等に当たる確率は100万分の1ですから、この約300倍の確率で薬の副作用で死亡するのです。薬は、効果と副作用を持った両刃の剣なのです。ですから、腕の良い医師程、少ない薬で治療するのです。“君子医師と薬に近寄らず”をモットーに、どうしても我慢できない時、薬でしか命を救えない時以外は、薬は極力飲まないことです。