塩分摂取 1 位はカップ麺

2017年05月20日

日本人が塩分を多く摂取している食品を、国立健康・栄養研究所が2012年の国民健康・栄養調査のデータをもとに解析しました。対象は、20歳以上の男女2万6726人です。その結果、1位はカップ麺で1日当たりの食塩摂取量は5.5グラム、2位がインスタントラーメン、3位が梅干しでした。厚労省の食塩摂取量の1日の目標値は、男性で8グラム未満、女性で7グラム未満ですから、カップ麺だけで1日の目標値の半分以上を摂取してしまう計算です。

食塩摂取量を減らす方法として、スープは飲まないことや、塩分の少ない商品を選ぶなどの工夫も必要です。例えば、“だしの〇〇で減塩”のカップ麺の塩分は2.8グラムなので、一般のカップ麺の約半分ですが、それでも目標値の約3分の1の量です。スープを飲まないで麺とかやくだけなら、1.0グラムに減量できます。

余分な塩分(ナトリウム)を尿中に排泄するには、カリウムが働きます。カリウムを多く含む食品は野菜や果物ですから、野菜をたくさん食べることと食後のデザートに果物を摂ることを心がけましょう。

 

人工甘味料で脳卒中・認知症のリスク3倍

2017年05月11日

人工甘味料入りのダイエット飲料を1日に1本以上飲んでいた人は、全く飲まない人よりも脳卒中や認知症に3倍なり易いことを、米国ボストン大学の研究チームが発表しました。なお、砂糖入りの飲料を飲んでいる人では、飲まない人との差は認められませんでした。

人工甘味料は、血糖値を抑えたい人や、肥満を心配する人がカロリー制限を目的として摂取されています。しかしながら、現実には逆の結果を招いています。例えば、人工甘味料入りの水を飲んだマウスでは、糖尿病につながり得る耐糖能障害を起こすことが報告されています。また、人工甘味料のカロリーはゼロに近いにもかかわらず、脂肪を蓄積して体重の増加を招くことも知られています。これらの人工甘味料による身体への影響の機序は不明な点は多いのですが、耐糖能障害や体重増加の原因として、膵臓が砂糖と同じように人工甘味料にも反応してインスリンを分泌することにより、インスリン抵抗性や脂肪の蓄積を招く結果と考えられます。

人工甘味料で脳卒中や認知症のリスクが高まる機序は明らかではありませんが、私の個人的見解としては次のように考えます。身体が活動するエネルギーとして血糖が利用されていますが、特に脳細胞の活動には多量の糖分を消費しています。糖が身体にとって重要なエネルギーであることから、“甘い=美味しい”と感じることで必要な糖分を補給するシステムが成り立っているのです。ところが、人工甘味料では実際の“糖”は補給されていないにもかかわらず、脳は“甘い”と感じて錯覚が引き起こされることで、感覚と現実の乖離が生じます。その結果、脳のエネルギー不足などの障害が起きて、脳卒中や認知症などが発症すると考えます。上記の耐糖能障害や肥満を引き起こすことと同じメカニズムが、脳にも影響を与えている可能性です。

化学的に合成された物質が、身体に良い訳がありません。自然の食品をバランス良く摂ることが大切です。

多すぎる薬での副作用防止へ指針策定(厚労省)

2017年05月01日


薬局で、買い物カゴ一杯に沢山の薬を処方された方をよくみかけます。あんなに沢山の薬を飲んだら、病気が回復するどころか逆に副作用で健康を害してしまいます。本ブログでは以前より、服薬量を減らすために、薬の副作用の問題点や減薬について、下のような記事を書いてきました。

2016年5月20日:新薬の副作用調査で不正

2016年1月20日:薬の副作用死

2015年7月20日: ジェネリック医薬品の普及率向上のみならず投薬量を削減すべき

2015年5月1日: 残薬(飲み残し薬)が年475億円分

2014年3月10日:抗がん剤の副作用(3)

2014年2月20日:抗がん剤の副作用(2)

2014年2月10日:抗がん剤の副作用(1)

この様に、薬には作用の他に副作用があるので、投薬は必要最小限にすべきことを主張してきました。

現実を見てみると、高齢者は高血圧や糖尿病など複数の持病を抱えることが多く、平均で6種類の薬が処方されており、複数の医療機関から10種類以上の投薬を受けている場合も多くあります。高齢者は、薬を分解する能力が低下していることから多剤投与の副作用を受けやすいために、体調を崩して入院するケースも増えています。そこで、厚生労働省は、高齢者が複数の薬を服用した際の副作用のリスクを減らす対策について、検討を始めました。他にも、飲み間違いや飲み忘れによる残薬の問題についても検討する方針です。

今回の厚生労働省の動きは“今更ながら”という感じはしますが、まともな方向は向いているようです。ただし、製薬業界は利益第一主義で抵抗してくるでしょうし、ダメ医師ほど沢山の薬を処方する傾向がありますので(2015年1月20日:ダメ医師の見分け方)、今後の推移を見守っていきましょう。