元気なセンテナリアン(百寿者)になろう!(1:センテナリアンの現状)

2019年10月20日

センテナリアン(百寿者)とは、百歳以上の長寿者を意味しています。1世紀(百年)は英語でcentury であることから、1世紀以上の長者者がセンテナリアン(centenarian)です。尚、110歳以上の長寿者は、スーパーセンテナリアンと言われています。センテナリアンの人数は年々増加し、平成30年の時点では6万9785人になっています。

センテナリアンが年々増加していることは喜ばしいことなのですが、長生きしても健康でなければ老後を楽しむことは出来ません。平均寿命から健康な期間を差し引いた要介護期間の平均値は約10年にも及びますが、平均寿命が年々延長しているにもかかわらず、要介護期間は昭和の時代から比較しても、全く短縮されていません。センテナリアンの方々においても、その健康状態は約80%の方が要介護状態になっています。そこで、自活出来るセンテナリアンを目指して、健康状態を今から保たなければいけません。


百歳を超えても元気で自活するためには、若い時から毎日の健康貯金が必要です。健康貯金とは、①若さを保つ、②健康維持、③認知症の予防などの日々の積み重ねが挙げられます。これらの具体的な日頃の注意点について、最新の研究報告を中心に次回から挙げていきます。

 

いちかわ市民アカデミー講座:元気なセンテナリアン(百寿者)になろう!!

2019年10月10日

いちかわ市民アカデミー講座の3大学交流講座に講演に行ってきました。演題は、元気なセンテナリアン(百寿者)になろう!!です。

いちかわ市民アカデミー講座は、市川市の3つの大学(昭和学院短期大学、和洋女子大学、千葉商科大学)が協力して、大学の教室を会場にして、一年間を通して学ぶものです。それぞれの大学の募集定員は、80名、70名、100名ですが、毎年好評で昭和学院短期大学では今年も100名以上の受講希望者が有り、その中から80名が抽選で選ばれました。各大学の講演は年間10回行われますが、その中の各1回は3大学の受講者が他の大学への聴講が可能な3大学交流講座になっています。

私が担当した3大学交流講座の講演には、他の大学の受講者からも多くの申し込みが有り、100名以上の方に来ていただきましたので、教室は満杯で、追加の席を用意していただきました。講演内容は、元気な百寿者になる為の日常生活の注意点などで、①若さの維持、②免疫力の向上、認知症を予防するための食事や運動がメインでした。午後1時半からの眠い時間帯でしたが、居眠りする方は全くなく、皆さんが熱心に聞いて下さっていました。やはり、健康で長生きすることに意識が高いようです。尚、この様な会に積極的に参加しようとする意識は、健康長寿の1つの要素であることが知られていますので、参加者の方は元気なセンテナリアン(百寿者)になる可能性が高いといえます。

講演にある内容は、本ブログでも照会していますので、是非参考にして、健康長寿を目指して下さい。

肥満ワクチンの研究

2019年10月01日

肥満は、糖尿病や心臓病などのリスクであることが知られています(肥満児対策健診データの読み方・考え方(9:肥満と糖尿病))。最も病気になる確率が低いのは、男女共にBMI=22です(BMI=体重kg÷身長m÷身長m)(病気に罹りにくい体型は BMI = 22)ので、基本的には食事と運動で常に体重をコントロールすることが必要です。しかしながら、現実には食事と運動による体重をコントロールは、実行が難しい現実があります。そこで、太りやすい体質の人への『肥満ワクチン』があれば嬉しいと思う人は少なくありません。

大坂市立大学や東京大学などの研究チームが発表した研究は、肥満に関連した腸内細菌をワクチン注射で減らすことで、肥満を抑える方法でした。腸内細菌の一種であるクリストリジウム・ラモーサムは、肥満や糖尿病の発症に関与することが報告されているので、この腸内細菌に対する免疫を高めるワクチンを開発しました。この腸内細菌を抑えることで、ブドウ糖を吸収する働きが低くなり、肥満や糖尿病を抑制することを期待しています。実験結果は、高脂肪食を与えたマウスに注射すると、ワクチン接種していないマウスと比較すると、体重の増加が12%抑えられていました。将来は、太りやすい体質の方への肥満ワクチンの開発につながると期待されています。

腸内細菌と肥満との関係の研究には、痩せタイプの人の腸内細菌を肥満体質の人に移植すると、肥満が抑制されています。この様に、腸内細菌は体型とも関係していることが明かです。

しかしながら、この様な方法はまだ研究段階ですから、現時点では肥満防止の基本は、バランスの良い食事と適度な運動です。毎日の生活の中に取り入れましょう。