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インスリン

健診データの読み方・考え方(10:糖尿病の食事療法の意味)

2019年07月01日

糖尿病では、食事療法が不可欠です。その理由を、下の図で説明します。

健常な状態では、食べ物の量に応じてインスリンが分泌され、血糖値をコントロールしています(左)。糖尿病になると、インスリンの分泌量が少ないので、食べた量を処理できなくなり、血糖値が上昇してしまいます(中)。そこで、少なくなったインスリンの量に合わせて食物の量を減らすことで、バランスを保つのです(右)。日本人の糖病患者の約95%は2型糖尿病です。その多くの患者では、食事療法を厳格に実行することで治療が可能です。

糖の吸収を穏やかにするというコーラやウーロン茶などがCMで流れています。いかにも、これを飲めば沢山食べてもOKというイメージですが、実際に吸収を阻害できるのは数10 kcal 程度と極僅かです。ご飯は1杯で160 ~180 kcal 、ハンバーガーは1個で約300 kcal ですから、吸収を阻害できるのは約1口分と言うことになります。CMに惑わされて食べ過ぎないようにしましょう。

糖質制限で糖尿病のリスク増

2017年09月20日

ダイエットや糖尿病の予防を目的とした“糖質制限”がブームになっています。巷ではシャリのない寿司、ご飯のない牛丼、麺のないラーメンなど、訳のわからないメニューも登場していますが、無理な糖質制限は糖尿病のリスクを高めますのでご注意!

糖質制限と糖尿病

糖質制限が糖尿病のリスクを高めるメカニズムは、次の2つです。1つ目は、使わないと衰えてしまう筋肉と同じで、糖質制限を続けると膵臓のベータ細胞の機能が衰えてインスリンの分泌低下を招きます。元々、日本人は農耕民族でインスリンの分泌が少ない体質ですから、糖尿病になるリスクがより高まってしまうのです。世界のトップレベルの科学誌である「nature」の論文にも、糖質制限したマウスではインスリンを分泌するベータ細胞の機能が低下することが報告されています。

もう1つのメカニズムは、筋肉の減少です。極度の糖質制限で体内の糖質が不足して脳が活動できなくなるなどの危険が迫ると、筋肉を分解して糖を生み出す「糖新生」という反応が起こります。その結果、糖をエネルギーとして消費する筋肉が減ることで、血糖値をコントロールできなくなり糖尿病が発症します。

本ブログで常に主張している健康の基本は、バランスの良い食事(食と健康)と適度な運動(ジョギング運動)です。バランスの良い食事とは、3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質のバランスを守ることです。糖質だけを制限すればこのバランスを崩してしまうので、健康を害します。ダイエットする場合は、このバランスを崩さずに、全体のカロリーを制限し、1か月で1~2キロ程度の緩やかな減量(リバウンド防止)をすべきです。