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糖尿病

健診データの読み方・考え方(9:肥満と糖尿病)

2019年06月20日

肥満とともに糖尿病に成り易くなることは、前々回(7: 糖尿病の検査データ)に示しました。その関係は、以下のように説明されます。

肥満の原因は、栄養の摂り過ぎです。過剰な栄養分は、脂肪細胞に蓄えられます。この脂肪細胞からは、インスリンの効果を弱めてしまう物質が分泌されます。その結果、インスリンの効きが悪くなるので、血糖値が上昇して糖尿病を発症します。

白人の場合は、祖先が狩猟民族で栄養価の高い肉類を多く摂っていたので、インスリンの分泌量が多い体質なので、肥満しても糖尿病の発症率は高くありません。日本人の祖先は農耕民族で、栄養価の低い農作物を主食にしていたので、インスリンの分泌能力は低い体質になっているのです。従って、肥満になるとインスリン抵抗性物質の増加で、糖尿病を発症しやすい体質を持っています。

利用的な体系は、BMI(体重÷身長÷身長)が22です。BMIが25以上は肥満に分類されます。食事と運動でコントロールしましょう。

健診データの読み方・考え方(8:尿糖の意味)

2019年06月10日

糖尿病は、尿に糖が出る病気と書きますが、糖尿病では常に尿糖が陽性になっているわけではありません。尿糖が陽性になる状況を説明します。

尿糖は、血糖値が170 mg/dl を超えると、超えた分だけが尿中に排泄されます。この仕組みは、①血液中の不要な物質は、腎臓で濾過されます。②血液中の糖分は、一端は濾過されるのですが、エネルギー源として身体に必要な物なので、腎臓は再吸収して血液中に戻すことで、尿中には出ないようにコントロールされています。③ところが、この糖を再吸収出来る能力は170 mg/dl までなので、この値を超えてしまうと、再吸収が間に合わなくなります。④再吸収されなかった糖分は、尿中へ排泄されます。

従って、尿糖が陰性(ー)なら血糖値は 170 mg/dl 以下で、陽性(+、2+、3+など)の場合は血糖値が 170 mg/dl を超えていることを示しており、+が大きくなるほど血糖値も高いのです。この様に、採血して血糖値を測定しなくても、大まかな血糖値が推測できます。

尿糖の試験紙は、ドラッグストアーで50枚入りが2000円位で購入できます。尿糖が陽性化しないように、コントロールしましょう。

試験紙節約の裏技:

尿検査用の試験紙を家庭で使用する場合は、下の図のように、縦に半分に切ると、1本で2回使用できます。結果は変わりませんので、節約になります。

健診データの読み方・考え方(7:糖尿病の検査データ)

2019年06月01日

糖尿病は、今や国民病になっていますが、その主原因には日本人が糖尿病になりやすい体質があります。その理由は、次のような歴史があります。日本人のルーツは農耕民族なので、カロリーの低い農作物を主食にしていたので、インスリンの分泌量が少しですんでいました。ところが、近年の飽食の時代になりカロリーの高い食べ物が増えたのですが、インスリンの分泌能力は低いままの体質は変わらないので、糖尿病を発症しやすいのです。

糖尿病の典型的な検査データを示します。空腹時の血糖値が142 mg/dl と高値なので、糖尿病が強く疑われます。その原因として、中性脂肪とγーGTが高値であることから、飲酒と過食が挙げられます。BMIも29.1で肥満があるので、長期に渡り不摂生な食生活が想像されます。クレアチニンと尿素窒素の値から、腎症の発症は無いようです。ALT(GPT)がやや高めなので脂肪肝の可能性がありますので、エコー検査や血液のコリンエステラーゼなどでの検査が必要です。また、網膜症の検査もしておくべきです。

今後は、食事療法と運動療法で生活の改善が不可欠です。

健康クイズ ② 糖尿病

2018年03月10日

健康クイズの第2回目は、患者数が多い糖尿病に関する問題です。予防や改善のためにお役立てください。

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問題①  日本人は2型糖尿病に

a.  なり易い

b.  なりにくい

 

問題② 肥満は糖尿病に

a. なり易い

b. 関係ない

 

問題③ 小児の糖尿病(1型糖尿病)の原因は

a.  不摂生な生活

b.  免疫疾患

 

問題④ 糖尿病患者は尿糖が

a.  常に陽性

b.  コントロールが良い時は陰性

 

問題⑤ 糖尿病で尿量は

a. 血糖値が高いと増える

b. 特に関係は無い

 

問題⑥ HbA1c(糖化ヘモグロビン)は

a.  その日の平均的血糖値を反映

b.  1~2ヶ月前の平均的血糖値を反映

 

問題⑦ 糖尿病で食事療法が必要な理由は

a.  少なくなったインスリンの量に食事量を合わせる

b.  食費を節約して薬代にする

 

問題⑧ 糖尿病でトクホのウーロン茶やコーラを飲んだ場合

a. 沢山食べても構わない

b. 食事療法を守る

 

問題⑨ 糖尿病で運動は

a.  疲れるからやらない

b.  毎日の習慣にする

 

問題⑩ 糖尿病患者は

a.  高血圧になり易い

b.  血圧とは関係ない

 

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正解① 日本人は2型糖尿病に

a.  なり易い

日本人の祖先は農耕民族なので、栄養価の低い農作物で生き延びられる体質になっていて、インスリンの分泌量が少ないのです。現代の高カロリーの食事は沢山のインスリンが必要なので、インスリン分泌する膵臓が疲れてしまい、糖尿病を発症し易い傾向があります。

 

正解② 肥満は糖尿病に

a. なり易い

肥満では、白色脂肪細胞が増加して、インスリンの伝達を妨げる物質(TNF-α)やインスリンを働きにくくする物質(レジスチン)などが分泌されます。インスリンの効きが悪くなるので、沢山のインスリンを分泌しなければいけなくなり(高インスリン血症)、膵臓が疲れてしまい糖尿病を発症します。糖尿病以外でも、肥満では高血圧や高脂血症など、多くの疾患を発症し易くなります。

 

正解③ 小児の糖尿病(1型糖尿病)の原因は

b.  免疫疾患

糖尿病には、1型と2型があります。2型糖尿病は、全体の約95%を占め、不摂生な生活とストレスなどで発症します。主に小児にみられる1型糖尿病(約5%)は、自己免疫疾患が原因で、外敵を攻撃する免疫が自分の膵臓を敵と勘違いして攻撃して破壊してしまうことで発症します。治療は、インスリン注射が必須です。

 

正解④ 糖尿病患者は尿糖が

b.  コントロールが良い時は陰性

尿中に糖分が排泄されるのは、血糖値が170 mg/dl以上になったときに、超えた分だけ排泄されます。糖尿病患者でも、血糖値を170 mg/dl以下に良好にコントロールしていれば、尿糖は陰性です。

 

正解⑤ 糖尿病で尿量は

a. 血糖値が高いと増える

血糖値が高ければ高いほど、それを薄めようとして周りの細胞から水分を奪います。血液中に増えた水分は尿として排泄されるので、尿量が増えます。水分を奪われた細胞は、干からびないように、喉が渇いたというサインを出して、水を沢山飲んで補充するので、多飲多尿になります。

 

正解⑥ HbA1c(糖化ヘモグロビン)は

b.  1~2ヶ月前の平均的血糖値を反映

HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンに糖が結合したものです。この結合反応は、赤血球が生まれてから壊れるまでの寿命である120日間直線的に進行します。血液中の赤血球は、生まれたばかりから120日たったものまでが均等に含まれるので、60日(約2ヶ月)前の平均的血糖値が反映されます。

 

正解⑦ 糖尿病で食事療法が必要な理由は

a.  少なくなったインスリンの量に食事量を合わせる

健康なときは、食べた量に合わせてインスリンが分泌されます。糖尿病では、インスリンの量が少なくなっている(または効果が低下)ので、インスリンに合わせて食事量を調整します。

 

正解⑧ 糖尿病でトクホのウーロン茶やコーラを飲んだ場合

b. 食事療法を守る

トクホのウーロン茶やコーラを飲むと、沢山食べても問題が無いようなイメージのCMが見受けられます。しかし、これらの飲料で抑制できるのは微々たるものなので、効果を過信して多く食べてしまうと、逆効果になります。食事療法(カロリー制限)を守らなければいけません。

 

正解⑨ 糖尿病で運動は

b.  毎日の習慣にする

運動療法は、食後高血糖を抑えて血糖コントロールをよくすることや、運動を継続することでインスリンの働きをよくします。ただし、合併症がある場合は逆効果になる場合がありますので、担当医の指示に従って下さい。

 

正解⑩ 糖尿病患者は

a.  高血圧になり易い

血糖値が高くなると、正解⑤で述べたように、細胞から水分を引き込むことで血管内の体積が増えるので、血圧が上昇します。他にも、脂質の代謝も低下するなど、様々な疾患を起こしやすくなります。

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糖尿病の予防と管理には、バランスの良い食事と適度な運動が不可欠です。この知識を武器に糖尿病に勝利しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

糖質制限で糖尿病のリスク増

2017年09月20日

ダイエットや糖尿病の予防を目的とした“糖質制限”がブームになっています。巷ではシャリのない寿司、ご飯のない牛丼、麺のないラーメンなど、訳のわからないメニューも登場していますが、無理な糖質制限は糖尿病のリスクを高めますのでご注意!

糖質制限と糖尿病

糖質制限が糖尿病のリスクを高めるメカニズムは、次の2つです。1つ目は、使わないと衰えてしまう筋肉と同じで、糖質制限を続けると膵臓のベータ細胞の機能が衰えてインスリンの分泌低下を招きます。元々、日本人は農耕民族でインスリンの分泌が少ない体質ですから、糖尿病になるリスクがより高まってしまうのです。世界のトップレベルの科学誌である「nature」の論文にも、糖質制限したマウスではインスリンを分泌するベータ細胞の機能が低下することが報告されています。

もう1つのメカニズムは、筋肉の減少です。極度の糖質制限で体内の糖質が不足して脳が活動できなくなるなどの危険が迫ると、筋肉を分解して糖を生み出す「糖新生」という反応が起こります。その結果、糖をエネルギーとして消費する筋肉が減ることで、血糖値をコントロールできなくなり糖尿病が発症します。

本ブログで常に主張している健康の基本は、バランスの良い食事(食と健康)と適度な運動(ジョギング運動)です。バランスの良い食事とは、3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質のバランスを守ることです。糖質だけを制限すればこのバランスを崩してしまうので、健康を害します。ダイエットする場合は、このバランスを崩さずに、全体のカロリーを制限し、1か月で1~2キロ程度の緩やかな減量(リバウンド防止)をすべきです。