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糖質制限

糖質制限で老化?

2019年07月20日

糖質制限を長期間継続することで老化が早まる可能性を、マウスを使った実験で東北大学の研究グループが発表しました。

実験方法は、マウスを「標準食」、「低糖質・高脂肪」、「低糖質・高たんぱく」の3つのグループに分けて、同じカロリーの食事を与えています。「標準食」のグループと比較すると、「低糖質・高たんぱく」のグループは寿命が約2割短くなっていました。この時、腸内で乳酸菌を作る細菌が減少して、がんなどの疾患に罹患し易くなっていたとみられています。

このマウスを使った実験結果が、直接にヒトに当てはまるかは定かではありません。なぜなら、ヒトとマウスは食生活が根本的に異なるからです。しかしながら、本ブログでは極端な糖質制限は健康を害する(糖質制限で糖尿病のリスク増コレステロール:糖質制限により急上昇のメカニズム)ので、健康な状態での栄養素は糖質=50%、たんぱく質+脂質=50%をお勧めしています(健康長寿食は炭水化物の減と脂肪の増)。

糖質の摂り過ぎが良くないことは明らかですし、糖尿病などでの血糖コントロールには糖質制限が極めて重要なのですが、糖質制限をする場合は専門家の指導で正しく行うことが不可欠です。

コレステロール:糖質制限により急上昇のメカニズム

2018年08月01日

糖質制限により脂質(総コレステロール、中性脂肪、LDL、HDL)が上昇したとの相談を複数の方からいただきましたので、その機序を説明します。

コレステロールは、食事から20~30%、体内合成が70~80%で成り立っていて、食事で摂取する量が多ければ、体内合成が減って、トータルで一定になるように調整されています。ところが、極端な糖質制限をするとエネルギー源の殆どが脂質とタンパク質になります。食事からの脂質の摂取量が極端に増えると、体内の合成を減らす調節が対応出来ずに、脂質(総コレステロール、中性脂肪、LDL、HDL)が増えていきます。

糖質は取り過ぎるといけないのですが、極端な糖質制限は栄養バランスを崩すので、健康を害する因子になります(糖質制限で糖尿病のリスク増)。理想的で健康的な栄養の取り方は、糖質50%でタンパク質と脂質で50%です(健康長寿は炭水化物の減と脂肪の増)。

なお、LDLが高いと血管を詰まらせて心筋梗塞などを引き起こすというのは、単なる脅しで医学的根拠はありません。アメリカではコレステロール値の測定は必要ないし、高くても治療はしません。(遺伝性の高脂血症を除く)(コレステロール:アメリカでは検査も治療も必要なし )しかしながら、何事もバランスが大事です。
私の意見は、極端な糖質制限を止めて、食事のバランスを糖質50%とタンパク質と脂質で50%にすることです。理想的な食事のバランスは、糖尿病の食事療法であり、これは健康な方にも適用されます。

がん患者における糖質制限とケトン生成食への異議

2017年12月20日

今年も残すところ僅かとなりました。本ブログには沢山のアクセスがあり、また無料健康相談も多くの方々にご利用いただきまして、有り難うございます。健康相談の内容で多かったのは、がんに関するものでした。近年では、がんは二人に一人が罹患し、三人に一人が亡くなる疾患ですから、ご相談の件数が多くなります。その中で、治療中や予防における「糖質の制限とケトン生成食」に関するご相談があります。研究者の中には、がん患者は糖質を制限して、ケトン生成食(脂肪とタンパク質)にすべきとの意見がありますが、私はこの意見には反対であり、3代栄養素(糖質、タンパク質、脂質)のバランスを大きく崩すべきでないと考えています。この意見の相違を解説します。

糖質制限とケトン体食の主張

がん細胞は、通常の細胞と比べると3~8倍くらい多くのブドウ糖を消費して、爆発的な速度で増殖します。従って、栄養源であるブドウ糖を与えなければ、がん細胞は飢え死にするとの考えです。さらに、肉や脂肪などのケトン生成食からは、がん細胞は栄養を補給できないが、正常細胞では栄養源となるので、ケトン生成食にすることで正常細胞だけが生き残るとの論理です。

異議

確かに、がん細胞はブドウ糖をエネルギー源として増殖しているので、上記の論理によりがん細胞が飢え死にして、回復しそうな気がします。しかし、この理論は実験室のシャーレの中で培養しているがん細胞を死滅させることは出来るでしょうが、複雑な人間の身体を維持するには当てはまりません。なぜなら、ブドウ糖を制限するとがん細胞は飢え死にしますが、その前に正常細胞の方が先に飢えて死んでしまいますので、生命を維持出来ません。さらにがん細胞は、ケトン生成食を栄養源として利用できないとのことですが、脂肪とタンパク質だけでも生き延びることが出来るという研究報告があります。さらに、糖質制限とケトン生成食では、米や果物などを全て絶ち、脂肪とタンパク質だけの食事になりますから、栄養のバランスを崩してしまい、回復力が低下します。

免疫力と体力をつける食事

がんと闘うには、免疫力と体力をつけることが不可欠です。そのためには、糖質としての炭水化物や良質のタンパク質、腸内細菌を活性化する発酵食品、抗酸化力を高める野菜や果物などをバランス良く摂取するべきです。加えて、ウォーキングやラジオ体操などの有酸素運動で、代謝活性を促進させることが、がんと闘うためには必要です。(がん・予防(1)、(2)(3)(4)

将来的に、ご自身や家族ががんとの闘病になったとき、どちらの主張が正しいかを吟味して対応して下さい。

* 健康で幸せな年をお迎え下さい。

 

糖質制限で糖尿病のリスク増

2017年09月20日

ダイエットや糖尿病の予防を目的とした“糖質制限”がブームになっています。巷ではシャリのない寿司、ご飯のない牛丼、麺のないラーメンなど、訳のわからないメニューも登場していますが、無理な糖質制限は糖尿病のリスクを高めますのでご注意!

糖質制限と糖尿病

糖質制限が糖尿病のリスクを高めるメカニズムは、次の2つです。1つ目は、使わないと衰えてしまう筋肉と同じで、糖質制限を続けると膵臓のベータ細胞の機能が衰えてインスリンの分泌低下を招きます。元々、日本人は農耕民族でインスリンの分泌が少ない体質ですから、糖尿病になるリスクがより高まってしまうのです。世界のトップレベルの科学誌である「nature」の論文にも、糖質制限したマウスではインスリンを分泌するベータ細胞の機能が低下することが報告されています。

もう1つのメカニズムは、筋肉の減少です。極度の糖質制限で体内の糖質が不足して脳が活動できなくなるなどの危険が迫ると、筋肉を分解して糖を生み出す「糖新生」という反応が起こります。その結果、糖をエネルギーとして消費する筋肉が減ることで、血糖値をコントロールできなくなり糖尿病が発症します。

本ブログで常に主張している健康の基本は、バランスの良い食事(食と健康)と適度な運動(ジョギング運動)です。バランスの良い食事とは、3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質のバランスを守ることです。糖質だけを制限すればこのバランスを崩してしまうので、健康を害します。ダイエットする場合は、このバランスを崩さずに、全体のカロリーを制限し、1か月で1~2キロ程度の緩やかな減量(リバウンド防止)をすべきです。