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血圧

ヒートショックに注意

2018年12月01日

今日から12月(師走)です。寒さも本番に入りますので、健康管理に注意をしましょう。特に、12月と新年の1月に多いのが、ヒートショックによる入浴中の死亡事故です。

ヒートショックとは、暖房の効いた暖かい部屋から、入浴のために寒い脱衣場や浴室に入ったことや、次に熱い湯船に入ることで血圧が急激に高低変化して起こる死亡事故です。年間で約1万7千人が亡くなっていますが、交通事故の死亡者数は約4万1千人ですから、4倍以上も多いのです。特に高齢者など血圧変動の大きい方は、要注意です。

ヒートショックは部屋の寒暖差によって起こるので、寒い地方に多いと考えられますが、最もヒートショックの事故が少ないのは寒さの厳しい北海道なのです。何故に北海道が少ないかというと、家中の暖房がしっかりしているので、脱衣場や浴室も暖かく、部屋の寒暖差が無いからです。

部屋の温度以外での注意点は、飲酒後の入浴を避けること、41度以上の熱い湯は避けることなどがあります。冬場の入浴は、身体が温まるので天国ですが、危険と隣り合わせであることにも留意しましょう!

 

 

「血圧120 mmHg未満で病死27%減」の本当の意味

2015年12月01日

医学研究者なら誰でも知っている世界の一流医学雑誌のNew England Journal of Medicineに、「血圧120 mmHg未満で病死27%減」に関する論文が発表されたことを、多くのメディアが報じました。この題目だけなら、血圧は低くした方が良いと受け取れますし、私が本ブログで書いてきた「中高年の血圧130~150 mmHgは薬不要」という記事は間違いなの?と思われるかもしれません。しかし、この論文の中身を正しく理解していただければ、血圧を120 mmHg以下にする必要はないことがお解りいただけます。

患者情報

この研究では、患者群を血圧140 mmHg以下にする群(4678名)と、120 mmHg以下にする群(4683名)の2群に分けています。両群の人数は、ほぼ同じです。3年半の研究期間の後に、140の群では210名(4.5%)が死亡し、120の群では155名(3.3%)が死亡しています。従って、(4.5-3.3)÷4.5=0.27 (27%)から、120の群で死亡率が27%減少したとの結論に至っています。確かに、計算は間違いではありませんが、実際に差があるのは210-155=55人なので、4600名からみると僅かに1.2%の差しかありません。この手法は、研究者が自分の研究成果を誇張したい時に用いて、インパクトを大きくしているのです。

逆に、急性腎不全および急性腎障害で救急搬送された患者は、120以下の群では2倍近くおり、低血圧で救急搬送された患者も1.5倍多くなっています。この一因として、降圧剤を多量に使用することの副作用が考えられます。また、両群の肥満度の指数であるBMIは、29.8と29.9の著しい肥満患者です。このBMIは、日本人の一般的な身長である175 cmでは体重が92 kgに相当します。BMI>30の肥満率は、アメリカ人では35~36%と高いのですが、日本人では3~4%程度と低いので、この患者群での研究結果をそのまま日本人にあてはめるのは適当ではありません。この英語の論文を原文で読む日本人は殆どいないのを良いことに、製薬会社や病院に都合の良い情報のみがメディアで報じられているのです。

日本人を対象としたこれまでの研究で、降圧剤で血圧を20 mmHg以上下げる群では、20以内の低下群と比較すると、脳梗塞発症率が高くなり、総死亡率が1.5~5倍も高くなっています。さらに、転倒や交通事故の確率が増加し、うつ等による自殺や認知症に成り易いことが知られています。これは、血圧が低すぎることで脳の神経細胞に栄養分や酸素が十分に供給されないことによると考えられます。

本ブログでこれまで書いてきたように、中高年の血圧130~150 mmHgは問題ありません。降圧剤による大幅な血圧の低下は逆に危険が多いので、肥満の解消や有酸素運動での血流改善を基本に考えてください。製薬会社や病院に都合の良いメディアの情報を鵜呑みにせず、薬は必要最小限度に!

血圧測定

ホームページからの健康相談 (降圧剤を飲むべきか?)

2015年11月01日

『ホームページからの健康相談』で2番目に多い相談内容は、降圧剤(高血圧の薬)を飲むべきか?です。

高血圧に関する記事は、

です。これらの内容をまとめます。

  1. 中高年には低すぎる基準値

現在の基準値は130 mmHg以下ですが、1987年から2000年までの老人基本健診での高血圧の基準値は180 mmHgでした。その後、2000年には年代別になり、80歳代では160 mmHgで59歳以下は130 mmHgとなったのです。2004年、2008年と変更があり、現在の130 mmHgが採用されています。この様に、20年で血圧の基準値は50 mmHgも低くなっています。

血圧基準値の変化

前回も書いたように、基準範囲とは、健康な人(健常者)を沢山集めて、その内の95%の人が入る範囲ですので、5%は基準値を越えます。現在の血圧の基準値である130 mmHg以下では、60歳以降の健常者の約80%は高血圧になってしまいます。低すぎる基準値であることは明白で、この基準値で約3000万人が高血圧患者になっています。降圧剤の年間売り上げは約1兆円と莫大な金額で、医療機関や製薬会社の大事な収入源です。血圧は年齢とともに上昇するので、本来は年齢別に基準値を作るべきであり、中高年は2000年の基準値が正解と考えています。

  1. 血圧と寿命の関係

血圧は、低い方が元気で長生きできるのでしょうか? 一般に、高血圧になると脳出血を起こすので危険であると宣伝し、降圧治療を勧めています。確かに、血圧が200 mmHg を超えるような場合には、降圧治療は正解です。しかし、脳卒中の内、出血による死亡は約3割なのですが、脳血栓による死亡はその倍の約6割もあるのです。薬剤による過度な降圧治療は血流障害を引き起こし易く、脳血栓の可能性を高めているのです。実際、80歳の老人の5年生存率と血圧の関係では、血圧を130 mmHg 以下の基準値内に保った場合の5年生存率は低く、逆に160 mmHg以上の高血圧と診断されている方が長生きなのです。降圧治療は、長生きするよりも、体調を崩し、命を縮めている場合の方が多いことを知るべきです。

  1. 降圧剤は一生やめられないはウソ!

降圧剤を飲み始めると一生止められないといわれていますが、これは間違いです。ただし、服薬を急に止めると反動で血圧が不安定になる可能性があります。止め方は、以下を参考にしてください。

* ストレスの除去

高血圧の原因の多くは、肉体的または精神的ストレスが原因です。休養や気分転換などでストレスを除去することが必要です。

* 禁煙

煙草は、血管を硬くし、収縮させることで血圧を上昇させます。百害あって一利無しです。

* 体重を減らす

肥満がある場合は、食事療法と運動療法で減量すると、体重1 Kg当たり2 mmHg低下します。

* 有酸素運動

有酸素運動は、血流を改善するので、血管の抵抗が減り、血圧が低下します。日常生活に取り入れることが不可欠です。

上記をしばらく実行して、血圧をチェックして以前より安定していたら、薬を1/2に減らします。この状態でまたしばらく様子をみます。さらに安定してきたら、薬の量を最初の1/4に減らして、様子をみます。この様に、半年~1年単位の期間をかけて、徐々に薬を減らしていけば、止められる可能性が高くなります。

  1. まとめ

* 中高年の血圧130~150 mmHg位は、加齢による生理的変動範囲内で問題ない。

* 180 mmHg位までは服薬よりも、禁煙、減量、運動で改善をはかる。

医者の薦める薬を飲んでいれば健康でいられると思っておられる方は、健康長寿は望めません。上記の記事を参考にして、降圧剤を飲むべきかを考えてください。

(お勧めの本: 薬をやめれば病気は治るー岡本裕)。

健常人を病人にする方法(3:血圧、追記)

2013年11月30日

ご存知かもしれませんが、血圧は常に変動しています。例えば、夏と比較すると冬の血圧は、寒さで血管が収縮するために高くなります。入浴の前後で、血圧は大きく変動します。脱衣場が寒いときは上昇し、適温の入浴では下降します。この変化は、高血圧の症状が酷い人ほど大きくなりますので、この様な方は浴室の温度を温めておいた方が賢明です。また、よく耳にするのは、病院高血圧とか白衣高血圧とか言われている症状です。殆どの方は、病院で医師や看護師が血圧を測る時には緊張していますので、家で測った時よりも20~30 mmHg 位高いことがしばしばです。この値で高血圧の診断をされて薬を飲まされているケースも多々あるのです。家でリラックスしている時の血圧を測っておいて、ノートに記録しておくと、自分の正確な状態が分かります。

血圧に関しては、塩分を取りすぎると高血圧になるといわれていましたが、この説は必ずしも正しくありません。すべての人が食塩をとると血圧が上がり、減塩すると血圧が下がるというわけではないのです。食塩の摂取量によって血圧が変動する、食塩感受性のある人と食塩感受性のない人がいるのです。塩感受性で最も広く使われている定義は、アメリカの国立衛生研究所(NIH)のプロトコールで使われているもので、7日間の10 mmolナトリウム摂取量から7日間の240 mmolナトリウム摂取量になった時、平均動脈血圧が10%以上上昇している場合を食塩感受性であるとしています。前者が食塩感受性(salt-sensitive)、後者が食塩非感受性(nonsalt-sensitive)です。東京大学医学部の藤田敏郎教授の研究(1995年)では、日本人の多くは後者であり、塩感受性のある人は約2割と報告しています。食塩感受性の人は、腎臓からのナトリウム排せつ機能に異常が生じ、ナトリウムが体内に蓄積し、その結果、血圧が上昇します。一方、食塩非感受性の人は、腎臓のナトリウム排せつ機能が正常に働くので、体内に入った余分なナトリウムは排せつされやすいため、血圧への影響は少ないのです。このことから、食塩非感受性の人が高血圧の治療で減塩治療を行っても、効果が現れにくく、無理をして極端に塩分を落とすと、塩分不足や栄養不足のため、かえって無気力になったり疲れやすくなったりする可能性がある。特に夏場などは、発汗によって大量の塩分が失われるため、注意が必要となります。高血圧になった人の多くも食塩非感受性で、こういったタイプの人は、いくら塩分を減らしても、それだけでは高血圧症を好転させることは難しいです。最近、欧米では、すべての人に減塩を勧めるのではなく、食塩感受性の人だけに勧めるべきであるという考え方が強くなってきました。この様に、食塩摂取量に関する保健政策は質的な変換を求められるようになった。食塩摂取量に影響される人は注意すべきであるが、少なくとも高血圧家系でない人は注意する必要は少ないと思われます。

食塩と血圧

東京大学医学部の藤田敏郎教授の研究(1995年)

健常人を病人にする方法(3:血圧)

2013年11月20日

総コレステロールと同様に、血圧も基準値を下げることによって患者を増やしているのです。現在の基準値は130 mmHg以下ですが、1987年から2000年までの老人基本健診での高血圧の基準値は180 mmHgだったのです。その後、2000年には年代別になり、80歳代では160 mmHgで59歳以下は130 mmHgとなったのです。2004年、2008年と変更があり、現在の130 mmHgが採用されています。この様に、20年で血圧の基準値は50 mmHgも低くなり、約3000万人が高血圧の病名を頂戴することになるのです。

血圧基準値の変化
では、本当に健康を維持するのに適切な血圧の基準値はどれなのでしょうか?最初に、年代別の平均血圧を示します。40歳代までは130 mmHgの基準値でぼぼ問題ないのですが、50歳代からは健常者でも130 mmHg を超えて、70歳代の平均値は140 mmHgを超えるのです。
高血圧の基準値である130 mmHgを超える割合は、40歳代で既に半数が高血圧の診断になり、70歳代では正常範囲に入るのは2割にも満たないのです。基準範囲の設定方法の項で説明した様に、本来は健常者の95%が入るように設定すべきなのです。しかしながら、現状の基準値である130 mmHg では、この様に多数の中高年者が病人にされているのが現状なのです。
年代別平均血圧血圧正常率
では、血圧は低い方が元気で長生きできるのでしょうか?80歳の老人の5年生存率と血圧の関係を示しました。これによると、血圧を130 mmHg 以下の基準値内に保っていると5年生存率は低く、逆に160以上の高血圧と診断されている方が長生きなのです。なぜなら、130 mmHgの基準値は若者には適合していますが、老人には合わないのです。老人の場合、加齢とともに血管の弾力が落ちてきますから、ある程度の血圧がないと血液を全身に送れません。だから、図のように、健常者でも加齢とともに血圧は上昇して、70歳代では平均で140 mmHg 以上になるのです。

血圧と生存率
一般に、高血圧になると脳出血を起こすので危険であると宣伝し、降圧治療を勧めています。確かに、血圧が200 mmHg を超えるような場合には正解です。しかし、脳卒中の内、出血による死亡は約3割なのですが、脳血栓による死亡はその倍の約6割もあるのです。薬剤による過度な降圧治療は血流障害を引き起こし易く、脳血栓の可能性を高めているのです。さらに、高齢者で130 mmHg を少し超えた程度で、全く必要のない薬剤を飲まされて、血圧が100 mmHg 程度になっている方がたくさんいます。この方々の多くは、ふらふらしたり、体に力が入らないなどの症状がある場合がしばしばです。降圧剤を止めるようにアドバイスすると、直ぐに体調を回復されます。降圧治療で長生きするよりも、体調を崩し、命を縮めている場合の方が多いことを知るべきです。何のための薬剤なのでしょうか?