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アルコール

健診データの読み方・考え方(6:痛風とアルコール)

2019年05月20日

痛風にビールが良くないことは、広く知られています。その理由は、ビールに含まれるプリン体の構造が尿酸に似ているので、尿酸が合成されやすいからです。そこで酒飲みは、「プリン体のない蒸留した焼酎ならいいだろう!」と言い訳を考えます。しかしながら、アルコール自体にも尿酸を増やす作用があるのです。

アルコールは、肝臓で解毒されます。その処理に使うエネルギーはATPと言う物質で、使用後には尿酸の原料になるのです。さらに、アルコールの分解の過程で乳酸ができるのですが、これは尿酸が尿中へ排泄される量を減らしてしまいます。さらに、アルコールには利尿作用があるので、体内の水分をオシッコとして排泄します。その結果、血液の水分量が減るので、結果として血液中の尿酸濃度が高くなります。

この様に、ビール以外のアルコール飲料も尿酸値を上昇させる作用があります。また、酒に合う美味しいツマミはプリン体を多く含む物が多いので、摂取量が多くなりがちです。適量の酒は百薬の長ですが、飲み過ぎて毒にならないように注意しましょう。

 

酒の季節 ⇒ 健康的に飲みましょう

2018年12月10日

師走も半ばになりました。これからは、忘年会や新年会など飲酒の機会が多くなります。身体に悪影響がないように、健康的に飲みましょう。

気をつけたいことは、飲酒後の入浴ではヒートショックによる死亡事故を起こしやすくなります。前回のブログのように、ヒートショックは気温の変化が大きいときに、血圧の変動が大きくなって起こります。アルコールを飲むと血管が拡張するので、血圧が低下します。この状態で熱い湯船につかっていると、血圧の低下が大きくなるので、頭に血が十分に回らず気を失って倒れる可能性が高くなります。倒れた場所がお湯を張った浴槽だと、溺死につながってしまうのです。飲酒後に風呂に入ると酔いがさめるような気になりますが、それはありません。酔いがさめるまで入浴を待てないのなら、ぬるめの温度のシャワーにしましょう。

もう一つ気をつけたいことは、次の日の車の運転です。寝たから大丈夫と思っても、アルコールが残っていることもあります。個人差はありますが、日本酒1合またはビール大瓶1本のアルコールを分解するには、一般的には4時間程度かかります。沢山の量を飲んだ場合には、翌朝には飲酒運転で検挙されることもあり得るのです。翌朝にアルコールが分解されていたとしても、その代謝産物のアセトアルデヒドが体内に残っていると、判断力の低下やとっさの動きが鈍くなって、事故を起こす可能性が高くなります。翌日のことも考えた酒量にしましょう。

お酒は、楽しく安全に。