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ホルモン剤

セカンドオピニオン(前立腺がんにおける漢方)

2018年02月10日

がんの患者数は年間約98万人(男性56万人、女性42万人)で、死亡者は約37万人(男性22万人、女性15万人)と増加傾向にあります。これらの中で前立腺がんは、死亡者数は全がんの1%程度(男性で5.6%)と少ないのですが、患者数では男性がん患者の17.6%を占め、最も多く発症しています。治療法は、手術、放射線、ホルモン療法などがあります。

事例(80歳男性):

排尿の際に痛みを感じて受診。PSAが64(基準値:70歳以上 4.0 ng/mL 以下)と高値で、前立腺癌と診断される。担当医からは手術を勧められるが、本人は後遺症などを考慮して手術は望まず、他の治療法を模索。

治療法は、手術、放射線、ホルモン剤などがあり、がんの悪性度や進行度、年齢などを総合的に考慮して選択します。手術の後遺症には、尿管括約筋の損傷により尿漏れや失禁が多発し、性機能障害(勃起障害:ED)などもあります。放射線治療では、外部照射では排便障害、内部照射でも排便困難や排尿痛などがあります。ホルモン剤療法では、生活に支障が出るような副作用は比較的少ないのですが、乳房の女性化や性機能障害が少数見られます。

セカンドオピニオン:

漢方により免疫力を向上させることで自己治癒力を高めると共に、ホルモン剤の投与で回復することを期待して、1~2ヶ月の間PSAで経過観察する。

漢方飲料は、がん細胞を攻撃する白血球(NK細胞およびキラーT細胞)を活性化することが確認されている美露仙寿(めいるせんじゅ)を用いた(医学検査 2012年 541-547)(がん・予防(4)医師は自分に抗がん剤は使用しない)。美露仙寿の15 ml 瓶 を1日15本飲用し、その後に徐々に飲用本数を減らした。加えて、ホルモン剤を3ヶ月毎に投与と、内服薬2種類を毎朝夕の2回を継続した。その結果、治療開始の直後には、PSAは低下傾向を示して治療の有効性が認められたので、この方法を継続する事を選択した。診断から4ヶ月後にはPSAは基準値付近までに劇的に低下し、5ヶ月後には基準値内に低下した。その後も低下し続け、現時点でもPSAは低値を示している。副作用などは全くなく、体調は良好。担当医は、放射線治療の追加を提案するが、本人は拒否し、現行法を望んでいる。

前立腺がんでは、多くの患者で必要の無い手術が行われています。その結果、尿漏れなどの後遺症に悩むことになるのですが、その後遺症の治療を行うことで病院は継続して患者を確保しています。放射線治療も同様ですので、その必要性を考慮するべきです(医は算術のシナリオ)。

漢方とホルモン剤を選択するには、がんの悪性度と進行度を考慮することが必要です。がんの悪性度を示すグリーソンスコアが8以上の場合や、PSAが半年以内に2倍以上に急上昇している場合などでは、悪性度が高いので治療法は慎重に考慮しなければなりませんが、これらの患者は一部のみです。ホルモン剤を使用せずに、漢方のみでもPSAが低下するケースも多くあります。治療法は情報を収集して慎重に選択することと、よりリスクの少ない有効な治療を提供してくれる医師を選んで下さい。

 

ホルモン剤で癌のリスク増

2014年07月01日

 重度の更年期障害に悩む患者さんは、少しでも楽になりたいとの思いからホルモン剤の投与を希望される方が少なくありません。このホルモン補充療法は、女性ホルモンを投与すること で、急激な女性ホルモン低下によって生じる、のぼせ・ほてり・発汗異常などを伴う更年期障害を改善させるものです。

  しかし、治療に使われるホルモン剤は、乳がんの発生増加と死亡増加と関係していると報告されています。閉経後の16000名を、ホルモン投与群とプラセボ群(偽薬)に分けて、約8年間観察すると、乳がんの発生率は投与群で385名に対しプラセボ群は293名で、投与群で1.25倍高くなります。乳がんでの死亡者は投与群で51名、プラセボ群では31名と、1.57倍もホルモン投与群で高くなっていますまた、このホルモン投与によって増大した乳がんリスクは、投与の中止で顕著に減少し、投与を中止すると約2年で元の状態に戻るというのです。この発表でも、8500名の女性にホルモン剤の投与を行い、8100名の女性はプラセボ群として、両者を比較しています。乳がんの発生率は、投与群で1.26倍に上昇していました。

  同様に、ホルモン剤の投与は、子宮体がんになりやすいこともわかっています。更年期障害がつらいのは理解できるのですが、医師はホルモン投与のリスクの説明を充分にすべきですし、患者側はこの説明を聞いた上で、症状の改善効果ががん発症のリスクをはるかに上回ることを納得してから行うべきです。