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ヤセ体型

女子高生の過半数が「自分は太っている」と考える

2018年05月01日

日本の女子高生の過半数(51.9%)が、「自分は太っている」と考えていることが国立青少年教育振興機構の調査で報告されています。しかしながら、実際にBMIが25以上の肥満はわずかに2.7%のみでした。この結果は、女子高生が必要以上にダイエット思考が強いことを示しています。ちなみにアメリカの女子高生では19.7%で、日本よりもはるかに低値であり、日本ほど痩せることに執着はないようです。
この調査結果は、本ブログ(イソフラボンで痩せるは根拠無し、消費者庁が改善措置命令、2017.11.10)で示したように、太っていないのに自分は太っていると思い込んでいるケースや、痩せているのが美人と勘違いして、痩せたいと願う女性が多いことに原因があります。私が講義に行っている短大の女学生からも、「痩せるにはどうすれば良いでしょうか?」という質問を度々受けますが、全く肥満はありません。

美人(魅力的な女性)の第一条件は健康であり、そして生き生き、ハツラツしていることです。痩せすぎは不健康で、逆に女性の魅力を落としてしまいます。

 

ヤセ体型は認知症のリスク大

2015年05月10日

高齢化社会における最大の課題は、平均寿命と健康寿命の差を如何に小さくするかということです。健康寿命とは、他人の手をかりずに自分だけで生活が可能な寿命です。現在の平均寿命と健康寿命との差は、女性では12.40年で、男性では9.02年です。この期間は、他人の介助が必要な期間ということになります。この差を限りなく小さくし、生涯現役の仕事で収入を得て、その収入で人生を楽しむことが、本人にとっても日本の将来にとっても重要です。

要介護の期間において、撲滅すべき疾患の一つには認知症があります。2012年における認知症の患者数は462万人であり、2025年の患者数の予測は700万人と激増し、5人に1人の高齢者が認知症になると計算されています。この認知症のリスクとして、ヤセ体型が関与することがロンドン大学の研究で報告されました。約200万人を15年間に渡って追跡調査した結果、BMIが20以下のヤセ体型では、正常体型と比較すると認知症発症率が34%も高い結果となっています。ヤセ体型が如何に認知症発症に関与するかの機序は明らかにされていませんが、ヤセ体型は短命であることも周知の事実ですので、健康寿命を延ばすには、ヤセ体型は避けるべきであることは確かです。過度な食事制限でヤセ体型の方は、食事の改善で標準体型にするのは比較的容易でしょう。ヤセ体型の方の中には、食べたくても食が細くて量を食べられない、食欲自体がないなどの方もおられるでしょう。そんなお悩みの方は、無料健康相談にお電話ください(フリーダイヤル: 0120-5931-50)。なお上記の研究では、肥満者は認知症のリスクを30%下げた結果になっていますが、肥満者では生活習慣病など他の疾患の罹患率を上げるので、肥満もさけるべきです。健康で長生きするには、2013年9月10日の本ブログで紹介したように、BMIが22~25位が理想です。バランスの良い食事と適度な運動で、無理なく体型維持をなさってください。

病気に罹りにくい体型は BMI = 22

2013年09月10日

前のブログで、長生きなのは小太りと書きました。では、太めの方が絶対的に良いのでしょうか?実際に、太めの方が長生きであることは事実です。ただし、BMIが25以上の肥満の場合は、病気になる率(有病率)が高くなるのです。上図のように、最も病気になりにくいのは、男性は22.2で、女性は21.9になっています。すなわち、男女ともにBMIを22位にコントロールしておくのが病気に罹らないのです。従って、病気にならずに、しかも長生きするためには、BMIを22~25位に保つべきなのです。

BMIを理想的な体格である22~25位にするためには、食事と運動が基本になります。間違っても『みるみる痩せる』などの宣伝文句の薬品や健康食品類は使ってはいけません。特に、海外からの輸入品は要注意です。後の項でも説明しますが、これらの商品の中には日本では承認されていない医薬成分が混入していることもあり、肝障害などの健康被害や、最悪では死亡例もあるのです。
これまでに沢山のダイエット方法が出ては消えていきました。これは何を意味しているかというと、今まで登場したダイエット方法は全て失敗しているということです。その原因として、大きく2つあると言えます。1つ目は、健康に悪いダイエット方法で、その代表がリンゴ、バナナ、キャベツなど、1種類の食品だけを食べ続けるダイエット方法です。この方法の原理は、この食品だけでは偏った栄養成分であるために、体内の蓄積した成分を使い切って不健康になり、痩せていくものです。健康状態を保つための栄養バランスは、糖質(ごはん類)が6~6.5割、脂質が2~2.5割、蛋白質(肉、魚類)が1~1.5割に加え、ビタミンとミネラルが必要なのです。ですから、1つの食品だけを食べ続ければ、栄養が偏って、健康を害して痩せるのですが、こんなバカなことが体に良いわけがありません。さらに、1つの食品だけを食べ続ければ、当然のことながら飽きが来ますので、必ず挫折します。
2つ目の失敗の理由は、急激に痩せようとするので失敗して、リバウンドで逆に太ってしまうケースで、圧倒的に多いのです。それは、1か月で10キロや20キロも痩せたなどという宣伝文句に踊れされてしまうからです。ダイエット希望者の心理として、早く結果を出したと思うものです。そこに付け込んで、業者は短期間で痩せられると宣伝すれば、客を得やすいのです。実際は、短期間で急激に痩せたとしても、体の内部の代謝が追い付いていないので、多くはリバウンド状態になるのです。
失敗しないダイエット方法は、1か月当たり1~2キロずつ、カロリー制限と有酸素運動を組み合わせての減量です。これは、糖尿病の食事と運動療法をそのまま取り入れれば良いのです。健康な状態なのに糖尿病の療法?と思われるかもしれませんが、糖尿病の食事療法や運動療法は、健康維持や多くの病気の治療時の基本に使われるのです。糖尿病の食事療法は、前述の糖質、蛋白質、脂質のバランスを崩さずに、カロリーを制限するもので、最も健康的なダイエット方法なのです。また、エネルギー代謝を高めるための有酸素運動は、糖尿病の運動療法をそのまま利用できます。何故に最も確実な方法が見向きもされないのかといえば、多くの肥満者は、この方法に派手さが無いので、たったの1キロや2キロでは焼け石に水を思うからでしょう。しかし、月に1.5キロ痩せたとしたら、1年では18キロで、2年なら36キロ確実にやせるのです。しかも、リバウンドの危険性も極めて少ないのです。確実に、しかもリバウンドなく痩せたい方は、糖尿病治療の本を買って、実行してください。

長生きの体型は小太り

2013年08月30日

では、実際に長生きなのはどんな体型なのでしょうか?脳卒中や心臓病の既往歴のない30歳以上の日本人8924名を対象として、BMIと死亡率の関係を19年間にわたり調査すると、BMIが23~24.9で死亡率が最も低く、BMIが21.0~22.9ではこれとほぼ同等でした。これらの範囲より太っていてもやせていても死亡率が高く、特にやせている方が太っているよりも死亡率が高くなることが分かったのです。つまり、日本では肥満とされるBMI25より少し下で死亡率が低いのです。健康な65~79歳の日本人26747名を対象として平均11.2年の追跡調査でも、BMI 20~29.9の死亡率が低いことが分かりました。また、この範囲より太っていてもやせていても死亡率が高く、壮年者を含めた先の研究結果と同様、特にやせている方が太っているよりも死亡率が高くなることが確認されました。

他にも沢山の研究があります。1995年~2006年に宮城県内の40歳から79歳の男女約5万人を対象に追跡調査を行い、BMI別の平均余命を割り出したところ、最も長生きできるのはBMI25以上30未満の人でした。米疾病対策センターが医学誌に発表した最新のレポートでも、肥満指数(BMI)が25~30未満の「過体重」のグループの方が、BMIが18.5~25未満の「普通体重」のグループよりも死亡リスクが6%も低いという結果でした。この研究は、北米や欧州、南米、アジアの100件近い研究データから成人約290万人を分析したもので、信頼度が高いうえに、あらゆる人種で普遍的に認められる結果といえます。

*BMI:ボディマスインデックス(body mass index)の略で肥満度の指標です。BMIは、「体重(kg)/身長(m)の二乗」から求められ、世界的な基準では25以上が過体重、30以上が肥満とされていますが、日本では25以上を肥満と定義しています。

つまり、どちらかと言えばやや太めの方が長生きするので、過度なダイエット志向に警鐘をならすものです。長生きしたけば、やせ過ぎは避けるべきなのです。なぜ肥満者のほうが長生きするのでしょうか?その説として、

①太めの人は痩せている人に比べて免疫力が高く、感染症にもかかりにくい。

②コレステロール値も高いほうが、頑丈な体を作るのに不可欠な細胞膜やホルモン、ビタミンDを多く作ることができる。
③脂肪の蓄積があったほうが満足に食事の摂れない病気に罹った時でも生き残れる。
④肥満者のほうが平時から体のメンテナンスに気を遣うので、病気を早期発見できるなどの可能性、が挙げられます。

 厚生労働省が如何にいい加減な根拠で病人作りをしているかを、ご理解いただけたことでしょう。後に、沢山の国民を病人に仕立て上げる方法を詳しく説明します。