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喘息

妊娠初期の葉野菜が児の喘息症状を予防

2018年04月20日

妊娠の初期に妊婦が葉野菜(レタス、ほうれん草など)やアブラナ科野菜(ブロッコリー、カリフラワーなど)を多く摂取すると、児が2歳時点での喘息症状の予防効果が高い事を、国立成育医療研究センターなどの研究チームがイギリスの国際医療雑誌に報告しました。

研究の方法は、妊娠女性511名において野菜の摂取量により5群に分類して、野菜の摂取量と児が2歳の時点における喘息症状(喘鳴:ぜんめい)との関係を解析しています。その結果、野菜を多く摂取している群では最も摂取量の少ない群と比較すると、喘息症状を呈する確率は約4割も減少しており、この傾向は野菜の摂取量と相関していました。特に、葉野菜やアブラナ科野菜を多く摂取している群では、約5割も低いことが認められています。胎児の呼吸器の形成は妊娠初期に始まるので、葉野菜などが児の呼吸器の形成に役立つと考えられます。

野菜は、抗酸化作用や食物線維などにより、健康長寿には欠かせないものですが、妊婦と胎児にも有用であることが示されています。全ての世代において、野菜の摂取を心がけましょう!

喘息根治への研究

2016年10月10日

喘息は、アレルギー反応を起こした病原性免疫細胞が血管の外に出て、気管支に炎症を起こすことで発症します。喘息の治療には主にステロイドが使われますが、その仕組みはステロイドが免疫を抑え込むことを利用しています。従って、喘息の症状は緩和しますが、体全体の免疫力が低下するので感染症などに罹りやすくなる上に、副作用として糖尿病などの内分泌疾患も発症する可能性が高まります。この様に、ステロイドによる治療は症状を緩和するもので、喘息そのものを治療しているのではありませんし、副作用も生じます。

千葉大学の研究チームは、これまで不明だった病原性免疫細胞が血管の外に出るメカニズムを解明しました。その犯人はミル9というたんぱく質で、これが血管に付着して通り道を作ることで、病原性免疫細胞が血管外に出ていきます。従って、ミル9が機能しなくなれば炎症を起こさなくなるので、喘息は根治できるようになります。その方法として、ミル9の働きを止める抗体を作成して実験用の喘息マウスに投与したところ、病原性免疫細胞は血管の外に出なくなることが確認されました。

このミル9抑制抗体の治療法が実用化されれば、喘息のみならず、花粉症やアトピー性皮膚炎などの他のアレルギー疾患も根治の可能性があります。期待の高い研究です。