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基準値

健診で病人にされる!

2016年05月10日

年に1度の健康診断で、都内のH病院の健診センターに行ってきました。私(62歳)は健康を指導する立場にあるので、自分の健康状態は常に気を使っています。ですから、検査結果は全てA評価で当然と思いきや、BやCがあります。以前から書いてきたように、健診に行くと健康人も病人にされてしまう典型例ですので、BやCの結果についてコメントを書いてみます。

脂質は、総コレステロール204 mg/dl、LDLが130 mg/dl で基準値を超えているので、B判定になっています。現在の総コレステロールの基準値199 mg/dl、LDLは119 mg/dl以下ですが、この値をクリアする健康な中高年は半分もいません。健康な中高年の値は総コレステロールは男性で250 mg/dl、女性280 mg/dl、LDLは男女ともに180 mg/dl 位までなら問題ありません。コレステロールは細胞膜やホルモンの材料で、LDLはコレステロールを組織に運ぶ大切な成分なので、悪玉ではありません。実際、総コレステロールもLDLも基準値以下の人より、基準値を少し超えた人の方が長生きしているのです。基準値を超えて病院に行くと脅されて薬を飲まされますが、薬が改善するのは病院の経営状態(収入)であり、患者の健康ではありません。参考として、

2014年5月1日:基準値(正常値)のウソが修正される?

2013年10月30日:健常人を病人にする方法(2:高コレステロール血症)  をご覧ください。

血糖値は104 mg/dl で、基準値の99 mg/dl を越えていてC判定でした。健康な中高年の値は、男性114 mg/dl、女性106 mg/dl 位までは心配いりません。私の場合は、昨年も同じ値なので、体質と解釈できます。ただし、毎年少しづつ上昇して100 mg/dl を超えている方は、近い将来に糖尿病の可能性がありますので、食事と運動の改善が必要です。

肝機能はγ-GTが75 U/l で、基準値を超えているのでB判定でした。晩酌は週に3~4日で日本酒1~1.5合位、居酒屋はたまに行く程度です。検診の直前に飲みに行ったのが影響しているのでしょう。でも、GPTが20 U/l 台なので、肝臓の疲れは極軽いものと考えられます。大目に見ましょう。

全体を評価すると、62歳では全く問題ないので、BやC評価は心外です。私の場合、今の食事や運動(主に水泳)を継続していれば良いと考えています。BやC評価を多くしているのは、病院のお得意様(患者)を増やす作戦ですので、協力する必要は有りません。

健診の問題点は、①基準値が厳しすぎるので、全く健康な中高年でも半分以上は再検査になること、②昨年や一昨年のデータは考慮せずに機械的に判定するので、体質的に高い・低い場合も異常値とみなされることです。真に治療が必要な人を見つけるような健診であって欲しいものです。

正義(人間ドック学会の基準値)は力で潰された?

2015年04月01日


昨年の5月1日の本ブログで、人間ドック学会が新基準値を発表した記事を掲載しました。この基準値は、1万人以上の健康人のデータから導いたものですので、信頼に値するものです。例えば、血圧は147 mmHgまでと、これまでより高くなっています。血圧は、年齢とともに上昇するので、昔いわれていた「年齢+90は的を射ていますし、1987年の老人基本健診の高血圧の基準値は180 mmHgでした。健康に全く問題のない高齢者の約8割は、130 mmHgを超えています。現在の130 mmHgは若者の基準値であり、これを高齢者にあてはめるのは無理があります。

総コレステロールの基準値は、人間ドック学会の基準値では280 mg/dlまでとなっています。1990年の基準値は、250 mg/dlでした。その後、メバロチンという高脂血症薬が発売されたとたんに220 mg/dl にさげられて、今まで正常だった数百万人が一夜にして高脂血症という病名をいただいたのです。本来、基準値とは、健康な人の95%が入る範囲です。220 mg/dlでは高齢者の約半分は異常値扱いになってしまいますので、基準値とは言えません。

人間ドック学会の基準値は、今日(H27年4月)から使用するとのことでした。膨大なデータを基に算出した疑いようがない正義(人間ドック学会の基準値)は、いつの間にか潰されてしまっています。その理由は、医師会と製薬会社が絶大な力で潰しにかかった結果なのです。もしも、この基準値が使用されたなら、患者数は激減し、病院経営は火の車になりかねません。また、降圧剤は年間1兆円、高脂血症薬は4000億円を売り上げる製薬会社は、売上額激減で経営が圧迫されます。ですから、これまで製薬会社は大学の偉い御用学者の先生方に、年間4000億円もの研究費を寄付して、基準値を厳しくする(引き下げる)ことで患者を増やしてきたのです。人間ドック学会の新基準値の採用は死活問題ですから、医師会と製薬会社は全力で潰そうとする訳です。また、医療費の増加が財政を圧迫しているので、厚生労働省は人間ドック学会の基準値を実行すれば医療費削減が実現できるのですが、現実はできないのです。何故なら、医薬品会社の役員ポストは、お役人の天下り先です。製薬会社に儲けていただかないと、自分たちの老後の保障がなくなります。正義(人間ドック学会の基準値)は、金の力の前には無力なようです。テレビのように、正義の味方がいれば良いのですが。

医者のいうことは全て正しい、医者の薦める薬を飲んでいれば健康でいられる、と思っておられる方は、健康長寿は望めません。薬は必要最小限度にして、バランスの良い食事と適度な運動が、健康の基本です。(お勧めの本: 薬をやめれば病気は治るー岡本裕)。このブログをお読みいただいている方々は、少なからず私の主張に賛同いただいていると思っています。皆様方が、食事、運動、美露仙寿で健康長寿を実践し、私の主張が正しいことを証明してください。

1周年:人気記事ベスト10

2014年07月10日

  今回も「医学博士の健康ブログ」にお越しくださいまして有難うございます。お陰様で、ブログが始まってから1年が過ぎ、40の記事を掲載しました。アクセスの多かった記事は、以下の通りです。

上位のベスト3は、健康な人を病人に仕立てて、必要のない治療や投薬をする医療のカラクリです。このブログをお読みの方は、医療の裏側がみられるので、医者や病院に騙されない知恵がついていると思います。しかし、多くの方が医者の言葉は絶対的に正しいと信じているのです。中には、趣味のごとく病院に通い、健康のためにと大量の薬を飲んでいる方もおられます。こんな事をしていたら、健康な人でも病気になってしまうのに、と思うこともしばしばです。何が正しくて、何が間違っているのか、正しく判断できるように勉強しましょう。

人生で一番大切なものは、自分と家族の健康です。これからも、健康管理に役立つ記事を書いていきます。今後とも、ご愛読のほどお願いいたします。

 

基準値(正常値)のウソが修正される?

2014年05月01日


これまで、健康診断の基準は厳しすぎて、健康人を病人にしていると書いてきました。即ち、正常な検査結果を異常値と判定して、健康人を病人にすることにより、必要のない治療や投薬をして病院や製薬会社が儲けていたのです。私の主張が真実であることを証明したのが、2014年4月5日付朝日新聞1面の「『健康』の基準緩和─血圧・肥満度・コレステロール(人間ドック学会)」というタイトルの記事です。

血圧の基準値(正常値)は、年齢に関係なく130 mmHgとされてきましたが、これは若者の値であって、健康な高齢者は140~150 mmHg位あるのです。1987年の高血圧の基準値は180 mmHgだったのをご存知でしょうか?その後、50 mmHgも引き下げて130 mmHgにし、健康な高齢者に降圧剤を飲ませていたのです。なお、血圧は年齢とともに変化するので、本来は年齢別に基準値を作るべきなのです。

肥満に関しては、BMIが肥満と判定される25~26位が長生きであることは統計学的解析から明らかだったのですが、今回は男性が27.7で女性が26.1まで上がっています。ただし、一番病気が少ない体型は男女ともにBMI=22ですので、健康で長生きするには22から25位が適当と考えられます。なお、腹囲の男性85 cm、女性の90cmは全く医学的が根拠がありません。

コレステロールは、男性254 mg/dlまで、女性は280 mg/dlまでを基準値(正常値)としました。昔の基準値は250 mg/dlでした。メバロチンというコレステロールを下げる薬が発売されると同時に、基準値が220mg/dlに変更されていたのです。この基準値では、半分以上の中高年が異常値になります。要するに、薬を飲ませるために基準値を引き下げていたのです。コレステロールは、細胞膜やホルモンの原料となる大切な栄養成分なので、薬で下げすぎると健康を害するのです。

また、LDLは悪玉と宣伝されてきました。実際は、LDLはコレステロールを組織に運ぶ大切な役割をしているので、これまでの基準値を超えた値の人の方が長生きしているのです。LDLは決して悪玉ではないので、今回の大幅な上方変更は当たり前です。

学会はこの新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定です。
製薬会社から研究費という名目でワイロを受け取っている御用学者が、薬を沢山売りたい製薬会社と結託したウソの数々が、少し改善されるようです。

健常人を病人にする方法(3:血圧)

2013年11月20日

総コレステロールと同様に、血圧も基準値を下げることによって患者を増やしているのです。現在の基準値は130 mmHg以下ですが、1987年から2000年までの老人基本健診での高血圧の基準値は180 mmHgだったのです。その後、2000年には年代別になり、80歳代では160 mmHgで59歳以下は130 mmHgとなったのです。2004年、2008年と変更があり、現在の130 mmHgが採用されています。この様に、20年で血圧の基準値は50 mmHgも低くなり、約3000万人が高血圧の病名を頂戴することになるのです。

では、本当に健康を維持するのに適切な血圧の基準値はどれなのでしょうか?最初に、年代別の平均血圧を示します。40歳代までは130 mmHgの基準値でぼぼ問題ないのですが、50歳代からは健常者でも130 mmHg を超えて、70歳代の平均値は140 mmHgを超えるのです。
高血圧の基準値である130 mmHgを超える割合は、40歳代で既に半数が高血圧の診断になり、70歳代では正常範囲に入るのは2割にも満たないのです。基準範囲の設定方法の項で説明した様に、本来は健常者の95%が入るように設定すべきなのです。しかしながら、現状の基準値である130 mmHg では、この様に多数の中高年者が病人にされているのが現状なのです。

では、血圧は低い方が元気で長生きできるのでしょうか?80歳の老人の5年生存率と血圧の関係を示しました。これによると、血圧を130 mmHg 以下の基準値内に保っていると5年生存率は低く、逆に160以上の高血圧と診断されている方が長生きなのです。なぜなら、130 mmHgの基準値は若者には適合していますが、老人には合わないのです。老人の場合、加齢とともに血管の弾力が落ちてきますから、ある程度の血圧がないと血液を全身に送れません。だから、図のように、健常者でも加齢とともに血圧は上昇して、70歳代では平均で140 mmHg 以上になるのです。

一般に、高血圧になると脳出血を起こすので危険であると宣伝し、降圧治療を勧めています。確かに、血圧が200 mmHg を超えるような場合には正解です。しかし、脳卒中の内、出血による死亡は約3割なのですが、脳血栓による死亡はその倍の約6割もあるのです。薬剤による過度な降圧治療は血流障害を引き起こし易く、脳血栓の可能性を高めているのです。さらに、高齢者で130 mmHg を少し超えた程度で、全く必要のない薬剤を飲まされて、血圧が100 mmHg 程度になっている方がたくさんいます。この方々の多くは、ふらふらしたり、体に力が入らないなどの症状がある場合がしばしばです。降圧剤を止めるようにアドバイスすると、直ぐに体調を回復されます。降圧治療で長生きするよりも、体調を崩し、命を縮めている場合の方が多いことを知るべきです。何のための薬剤なのでしょうか?