抗生剤で肥満児

2016年08月20日

2歳までに抗生剤を3回以上飲んだ子供は、4歳時点で肥満児になり易いという研究が、胃腸の専門誌「Gastroenterology、2016年」に発表されました。

抗生剤は、細菌感染の治療に用いられていますが、人への投与量よりも2倍以上の量が食用の家畜へ使用されています。その目的は、食用家畜の感染を防ぐことに加え、抗生剤が成長を促進するので、より大きな状態で早く出荷できることが経験的に知られているためです。その機序として、マウスに抗生剤を投与された場合は、腸内細菌のバランスが変化して、10~15%も太ることが確認されています。

同様の現象が、人にも起きていると考えられます。小児の時期の抗生剤の使用は、腸内細菌のバランス変化が体質として残りやすいために、肥満児になる傾向があると考えられます。この時期の肥満は、将来の生活習慣病を誘発します。抗生剤は、感染症の治療には不可欠なのですが、その使用は必要最低限にすることが望まれます。