通勤形態と生活習慣病の関係

2017年10月10日

通勤形態(電車orバス、徒歩or自転車、自動車orオートバイ)により生活習慣病に罹患する確率が異なることが、関西医科大学から発表されました。研究対象は、大阪の5888人の勤労者(平均年齢61歳、男性37%)です。

自動車orオートバイ通勤のグループと比較すると、電車orバスで通勤するグループでは、肥満リスク42%減、高血圧28%減、糖尿病34%減で、生活習慣病になるリスクが大きく減少しています。自転車or徒歩通勤では、肥満リスクは24%減でしたが、高血圧と糖尿病のリスクは差が認められませんでした。

この理由として考えられるのは、電車orバス通勤では自宅から駅やバス停までを歩くことに加え、駅での乗り換えでも歩くことが要因と考えられます。一方、自家用車やオートバイの場合は、自宅から職場まで直接移動するので、歩く距離が短いことが生活習慣病のリスクを高めていると考えられます。自転車or徒歩での通勤が生活習慣病のリスクを大きく減少させていない理由としては、自宅から職場までの距離が短く、運動量が小さいためと考えられます。

この解析では、運動習慣や食事内容、自宅から職場までの距離などの詳細な因子を加えた考慮が必要ではありますが、通勤における運動量が生活習慣病に影響を与えている可能性は高いようです。従って、一駅前で降りて歩くことや、帰りにスポーツクラブで運動する習慣、休日には体を動かす趣味を持つことなど、生活習慣病を予防する上で大切であることを示しています。