群馬大学病院の腹腔鏡手術について、病院が過失を認め、謝罪しました。報告書は、①手術前の検査が不十分、②執刀医の未熟な技術、③術後措置の不十分、が重なって8人が死亡したとの内容でした。一般的に大学病院などでは、患者の検査結果と今後の治療方針について、主治医は医療チーム内で十分な討論をしてから治療を行いますが、殆どがこの執刀医の独断で行われていたようです。しかも、手術は自分の能力をはるかに超えているのに、その自覚が全くありません。また、この医師は学会で「手術成績は概ね良好」と虚偽の発表していたので、患者を手術の練習台として扱い、患者の安全よりも手術の実績作りを優先したとみられても仕方がありません。他にも、“がん”と診断して手術したところ、“がん”ではないと判明しても遺族には知らせず、死亡診断書にも“がん”とうその記載をした例、術後に腹水が溜って救急外来を受診した患者を入院させず帰宅後に死亡した例など、多数の不手際が報告されました。医師としての適性を欠いているばかりか、人間としても問題があります。さらに、教授や病院の管理体制にもかなりの不備があるようです。上司の教授は、どのような手術がなされて、経過はどうか報告を受けて確認するのが常識です。ここまで気が付かないのは、通常はあり得ません。
1月10日のこのブログで紹介したように、大学病院は名医中の名医が最高の医療を与えてくれる病院と思っている方も多いのですが、それは誤解です。大学病院の医師の目的は、研究論文を沢山書いて、教授になる事です。患者の治療に情熱を持っている医師は、出世できません。問題になっているような人間性の極端に歪んだ医師は稀ではありますが、一般世間との触れ合いが少ない狭い世界で生きているので、庶民の感覚と異なる医師も存在します。
大切なのは、病気にならないように、普段からの健康管理です。何度も書きますが、バランスの良い食事と適度な運動が基本です。他には、楽しめる趣味や規則正しい生活などがあります。もちろん、美露仙寿もお勧めです。そして、病院の選び方の項で紹介しましたように、元気なときから信頼できる病院の情報を集めておきましょう。