11月の終盤になり、インフルエンザが流行する季節になってきました。現時点では、例年の5倍も感染者が増えているそうですので、要注意です。インフルエンザに感染した場合には、抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザなど)が汎用されています。抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスを殺す薬ではなく、増殖を抑えるものです。従って、インフルエンザに感染した初期の段階で投与することで、ウイルスの増殖が抑えられるので、回復までの期間が短縮し、重症化を防ぐために使用されます。感染してからの期間が長くなると、既にウイルスの量が増えてしまっているので、抗ウイルス薬としての効果はありません。
インフルエンザの感染で、抗インフルエンザ薬を使用しなかった場合に重症化して入院する確率は2.11%ですが、抗インフルエンザ薬を使用することで0.37%に低下させることになります。従って、抗インフルエンザ薬が重症化を防いで入院患者を減らしていることは間違いありません。ですが、入院患者を1人減らすために必要な抗インフルエンザ薬の値段を計算すると、約20万円にもなるのです。製薬会社や医療機関の収入面からみればOKですが、コスパとしては決して良いものではありませんので、感染しないように防御することが重要です。
風邪をひいて熱を出した時には、抗生物質と解熱剤とおもわれている方もいるようですが、風邪の90%程度はウイルス性なので、抗生物質は効きません。また、熱が出るのはウイルスが熱に弱いので、体の防御反応として熱を出しています。故に、解熱剤で平熱にしてしまうと、免疫力が低下して回復が遅れます。高熱で解熱剤を使用する場合は、37~38℃位までの薬量にします。(本ブログ2013年12月10日の風邪への対処法、2014年6月1日の解熱剤で免疫力低下)
インフルエンザは、予防注射で感染する確率を下げることができます。1回の注射では感染を約50%程度減少させ、2回注射では70~80%程度低下させるのですが、予防注射を2回しても4~5人に1人は感染します。予防注射は、午後よりも午前中にすると抗体価が高くなりやすくてより感染しにくくなりますので、午前中に実施している病院を選んでください。。
私たちの防衛策として、うがい、手洗い、水分補給、部屋の加湿、有酸素運動やバランスの良い食事による体力増強などで、感染しないようにしましょう。うがいは、喉が腫れて痛い時などはうがい薬を使いますが、通常の健康状態のときは水道水でOKです。殺菌作用のあるうがい薬を健康時から常用していると、有用菌まで殺してしまうので、逆効果になるからです。こまめな水分補給は、喉の菌やウイルスを洗い流すのに有効で、飲み込んで胃に入ると胃酸で死んでしまいます。食事は、体を温めるものを摂って、食後にはヨーグルトなどの乳酸菌で免疫力を鍛えましょう。私の研究している漢方飲料の“美露仙寿”(めいるせんじゅ)は、免疫細胞の活性化や基礎代謝の向上、乳酸菌の増加作用などが確認されています。多くの愛飲者から、風邪をひかなくなったとのお声をいただいています。特にこの時期は、受験生にもお勧めです。