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健診データの読み方・考え方(4:血圧:変動因子)

2019年05月01日

血圧は常に変化しています。

日内変動:朝の目覚めとともに血圧は上昇し、日中は比較的高くなります。これにより、活動するために必要な酸素や栄養分などを運搬しています。また、夜になると下がり、睡眠中は最も低くなります。正確な血圧の測定は、同じ時間に同じ状態で測定することが必要です。

気候:季節によっても変動し、夏は低く、冬は高くなります。その理由は、人の体温は常に37℃に保たなければいけないので、寒くなると熱を逃がさないように血管を細くするのです。冬場にヒートショックが起きやすいのは、寒い脱衣場で血管が細くなり血圧が上昇すると脳出血などを起こしやすいのと、熱い湯船に入ると急に血管が太くなるので脳に行く血液量が減ることで意識を失い溺死する事故が起きやすいためです。

加齢:血圧は、年齢とともに上昇します。加齢とともに血管が堅くなっていくので、健康に過ごしていても、多くの高齢者の血圧は130 mmHg を超えて140 mmHg 位になります。なお、降圧剤で血圧を下げ過ぎるのは、危険です。血流量が落ちると、血管が詰まって脳梗塞を起こしやすくなり、またフラフラして転倒事故が起きやすくなります。血圧は適度に保つ必要があります。


肥満:血圧は、肥満で高くなります。一般的に、体重1 kgの増加で血圧は 2 mmHg程上昇します。従って、肥満で血圧が高めの方は、食事療法と運動療法で減量すると、血圧も低下します。病院は、血圧高めで直ぐに服薬を勧めますが、先ずは食事療法と運動療法を試して見ましょう。

健診データの読み方・考え方(3:血圧:単位)

2019年04月20日

健康の指標として最も知られている項目の一つである血圧ですが、単位をご存じですか?

血圧の単位は、mmHg(ミリメートル水銀)です。病院の診察室の血圧計には水銀が入っていて、この水銀を何ミリ押し上げる圧力であるかが血圧値になります。例えば、血圧が130 mmHg とすると、血圧計の水銀を130 mm (13 cm)押し上げる圧力です。

では、何故に水銀を使っているのでしょうか?もしも、水で測定すると単位は mmH2O になりますが、比重の軽い水では水銀の約13倍の高さまで押し上げてしまいますので、2~3メートルくらいの高さの血圧計が必要になり、現実的ではないからです。

尚、家庭用の血圧計はデジタル式です。医師や看護師などの訓練を受けた医療従事者は、水銀計で正確に血圧を測定できますが、一般家庭では失敗無く簡易的に測定できるようにデジタル計が用いられています。デジタル血圧計は、水銀計とほぼ同じ値になるように作られています。

次回は、血圧の変動に関与する因子についてです。