タグ
病院選び

名医の特徴

2015年02月01日


名医の特徴は、

① セカンドオピニオンを嫌がらない

② 検査データやレントゲン写真などを躊躇なくくれる

③ 自分の専門外は、他の医師を紹介する

④ 体調や症状に応じて薬を増減し、止め時を示す(名医ほど少ない薬で治療する)

⑤ 薬の副作用や処置の危険性も予め説明する

等です。

患者には、自分の治療方法を選ぶ権利がありますので、2~3か所の病院の医師の意見を聞いたうえで、決めることに問題はありません。その場合、セカンドオピニオン(他の医師の意見)を嫌がらないことや、検査データやレントゲン写真などを躊躇なくくれる医師は、よく勉強しているので自分の診断や治療に対して自信があると言えます。ですから、セカンドオピニオンを申し出た時に、すぐに同意してもらえるような医師の場合には、腕の良い医師である確率が高いので、他の病院に行く必要性は低いです。逆に、他の病院でも診てもらいたいといった時に怒る医師は、自信の無さの表れといえますので、他の病院で治療した方が賢明な可能性が考えられます。以前、お客様に検査データをもらってくるようにアドバイスした時に、病院側が個人情報なので出せない、カルテ開示になるので特別な手続きが必要などの理由で、もらえなかった例がありました。自分の検査データをもらうのに、何故に個人情報保護法に抵触するのか意味が分かりません。このような病院や医師は、レベルが低く、都合の悪いことを隠す可能性がありますので、お勧めできません。

医師は、自分の専門分野には詳しくても、それ以外は常識的な知識レベルであることが一般的です。従って、自分の専門分野以外の症状に関しては、他の専門医の診断を勧めることが賢明です。決して責任を放棄しているのではなく、責任感が強いからこそ、患者により良い治療が受けられるように考えている結果です。

前回、ダメ医者の最大の特徴として、薬を大量に処方することを挙げました。これとは逆に、名医は体調や症状に応じて薬を増減し、病状が改善すれば止め時を示します。名医ほど、薬の副作用や処置の危険性も予め説明し、少ない薬で治療します。何故なら、名医は薬の副作用を理解しているので、より身体に負担のない治療法を選択するからです。「薬をやめれば病気は治る:岡本裕」という本に書いてあるように、薬を沢山飲むことによって病気を酷くしている場合が多々あり、薬を減らすと逆に元気になることも多いのです。薬は必要最小限にすべきなのですが、素人判断で今まで飲んでいた薬を急にやめると、反動で症状が一気に悪化する場合もありますので、上手に投薬量を減らしてくれる医師を選びたいものです。

病院の選び方で書いたように、近所の評判やインターネットでの情報収集で、健康な時から名医のいる病院を選定しておくとよいでしょう。もしも、自分や家族が病気になったら、名医の診察を受けてください。

ダメ医師の見分け方

2015年01月20日

 病気になった時、ダメ医師にあたると悲惨な結果になりかねないので、出来るなら名医に受診したいものです。では、ダメ医者はどの様に見極めればよいのでしょうか?

 ダメ医者の特徴は、

   薬を大量に処方する

   検査が多い

   診察時間が3分以内と短い

   パソコンばかり見て患者を見ない

   「とりあえず○○しましょう」が口癖

   コレステロール値と血圧は低い程良いという

等です。

 ダメ医者の最大の特徴は、薬を沢山だすことです。昨年、お客様からの電話で、健診で糖尿病を指摘され(HbA1c 6.7%)、標準体重を10kg 程オーバーの肥満がありました。HbA1cが6.7%で肥満があれば、食事療法のカロリー制限で体重(脂肪)を落とし、運動療法で代謝を上げると、ほとんどの患者で改善が見込めます。この方は体重を5kg程落としたら、病院で怒られた上に、3種類の飲み薬を処方されたと伺いました。??????。この医師は、薬さえ飲めば良いといった考えのようです。しかも、最初から3種類も処方するのは、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の典型例ですので、糖尿病の専門医に変えるべきです。これまでに書いてきたように、薬には効果ばかりではなく副作用もあるのです。副作用が出た場合、新しい病名をつけて薬を追加するので、10種類以上にもなり、薬局で買い物かご一杯の薬をもらう方を見受けます。こんなに沢山の薬を飲んだら、健康な人でも薬の副作用で病気になります。最近の例では、2型糖尿病の新薬「SGLT2阻害薬」で、昨年4月以降、約3700人で約4800件の副作用報告があり、10人が死亡していました。薬は、食事療法と運動療法で改善が出来ない状態の時に用いるべきなのです。

 検査が多い理由は、患者の状態が把握できていない場合、検査料で儲けるため、研究材料としてデータを収集している場合などが考えられます。1年ほど前に、がんで大学病院から余命宣告された方が、美露仙寿を日15本飲んだ例がありました。みるみる回復して元気になったら、毎週CT検査をしているというのです。せっかく回復したのに、CTの放射線(胸部レントゲンの200~300倍くらいの被ばく)で新たながんが発症する可能性から、CT検査は拒否するようにアドバイスしたことがありました。この様な回復症例は珍しいので、大学病院の担当医が研究材料としてCT画像を収集しているとしか考えられません。前回書いたように、大学病院の医師は、患者を研究材料として見ている場合が多々あります。

検査の出し方を見ているだけでも、医師のレベルがわかります。ベテラン医師はピンポイントで正確に的を突いてくるのですが、研修医レベルでは投網を広げるような検査依頼(多項目の検査を度々)をしています。このような検査依頼の仕方は、患者の状態が把握できていないことを意味しています。逆に、沢山の検査をしているにもかかわらず、病名や薬から判断して当然するべき検査がなされていない例もしばしばあります。このように検査項目から医師のレベルを判断することは、経験を重ねた医療関係者でないとできないのですが、皆様からわかりやすいのは、沢山の検査項目を度々している医師は、ダメ医師の可能性が高いということです。

 病院に行くと、朝方受付をしたのに診察は昼過ぎということがしばしばあります。しかも、診察はほんの1~2分で、前回と同じ処方箋を書いて終わりといった経験は有りませんか?さらに、長時間待ったのに、患者の顔も見ずにパソコンばかり見入っている場合は、なおさらのこと信頼関係は築けません。

 また、「とりあえず○○しましょう」が口癖の場合は、診断と治療に対して自信が無いというように解釈できます。とりあえずの前に、“違うかもしれないが”という単語が省略されているようです。能力もないのに自信だけが過剰なのが一番始末が悪いのですが、腕も自信もない医師には受診はしたくありません。

 コレステロール値と血圧は低い程良いという医師の場合は、かなりの不勉強と考えられます。これまでにも度々書いてきたように、コレステロールは細胞膜、ホルモン、胆汁などの材料として使用される大切な栄養成分です。また、血圧の基準値の130mmHg は、若者の値なので、健康な高齢者では140~150 mmHgの血圧は普通ですし、総コレステロールも250 mg/dl位は全く問題ありません(昨年の5月1日の“正常値のウソが修正される?”をご覧ください)。コレステロール値も血圧も、薬で下げ過ぎれば、健康を害することは明らかです。年齢相応の値にすべきなのですが、低ければ低い方が良いと考えている不勉強な医師も実際にいるので、要注意です。

 “医師の言うことを聞いていれば間違いない”、と思っている方もいらっしゃるのですが、上記のようなダメ医師にあたると、寿命を縮めることになりかねません。自分が受診している医師が、上記の項目に当てはまらないかチェックしてみてください。

長くなりましたので、名医の見分け方は次回にします。

病院の選び方

2015年01月10日

 今年も、このブログへアクセスしてくださいまして、ありがとうございます。

 1月も10日になり、ようやく正月モードから仕事モードへと体と頭が慣れてきたところでしょうか?健康で働けるのは、幸せなことです。健康でいるための基本は、バランスの良い食事と適度な運動です。それでも健康状態を保てなくなった時には、病院に行くことになります。しかし、病院の選び方を間違えると、命を落とす可能性があることが、昨年末に報道されました。『群馬大病院第二外科(消化器外科)の腹腔鏡を使った肝臓手術で、60<~80代の男性5人と女性3人の患者が、2011~14年の術後2週間から100日以内の容体悪化で死亡していた。』というものです。詳しい経緯は調査中ではありますが、他の病院で通常の開腹手術を受けていれば、術後に亡くなることは無かったものと考えられます。病院選びが如何に大切かを示しています。

 病院を選ぶ基準として、大学病院が一番優れていて、教授は名医中の名医という印象をお持ちの方が多いと思います。しかし、必ずしも大学病院が良い訳ではなく、教授イコール名医ではありません(一部には名医もいますが、、、)。その理由は、大学病院の目的は第一に研究、第二に学生の教育で、患者の治療は三番目以下なのです。大学病院に勤務する医師の多くは、研究に興味があるから勤務しているのです。多くの研究論文を書いて、その結果として教授になりたい目的があります。教授が選ばれる基準は、名医だからではなく、いかに沢山の論文を書いたかで評価されるのが一般的です。昔、教授の診察を受けるために封筒に札束を入れて渡していた時代がありましたが、ナンセンスなことです。故に、大学病院の医師の多くは、研究材料になりそうな患者には興味があるのですが、(言葉が悪いのですが)それ以外の患者は時間の浪費になっています。さらに、大学病院に行くと、しばしば学生の練習台にさせられます。学生は練習しないと一人前になれないので、仕方がないことなのですが、受診にはそのつもりでいかないといけません。

 次に、開業医の選び方です。開業医が『内科』や『小児科』などの看板を掲げていますが、この看板の診察科の表示はどの様になっているかご存知でしょうか?実は、医師免許さえあれば、診療科の表示は自由なのです。ですから、医師が一人でやっている医院でも、総合病院のように沢山の診療科が表示してある場合があります。これは、専門ではないが、とりあえず沢山の患者に来てほしいという意思表示です。この様な場合は、一般的には一番上に書いてあるのが専門診療科で、他は付け足しです)。美容整形やレーシック手術(視力回復手術)では、専門外の不慣れな医師の処置で、後遺症を患った例が少なくありません。治療実績を確認することが賢明です。

 個人病院であっても単科の専門病院には、患者の治療に情熱を持った医師がいる確率が高いように思います。例えば、徳島大学の近くの『藤田眼科』は小さな医院ですが、眼科専門の医師が数人で診察しています。藤田善史院長先生は、白内障手術などではまさに名医です。手術は、メスを入れて濁った水晶体を取り除き、人工レンズを折りたたんで挿入して中で広げ、傷口をふさぐまで、ほんの1~2分位と感じるほどの手際の良さで、神業です。さらに、手術中の様子を録画して患者全員に配っています。万が一に失敗た場合には、録画は決定的な証拠になるわけですから、私は絶対失敗しませんといっているのと同じで、テレビの『ドクターX』を地で行っています。病院スタッフも、院長先生の優しそうな人柄が反映されていて、受け付けは笑顔で挨拶してくれます。30分以上待たされることは殆ど無いようですが、看護師は必ず『お待たせしました。』と一言いってから、検査や診察の準備に入ります。患者は、体の具合が悪くなると気持ちも落ち込んでくるのが常ですが、この様な病院で治療を受けると、体も心も回復が早くなると思います。

 自宅近くに、普段の体調を理解してもらっている『かかりつけ医』がいることが理想であり、出来れば腕の良い医師であってほしいものです。前記のような良い病院を選ぶコツは、近所の評判を聞くことや、治療実績や評判の情報をインターネットなどで収集することでしょう。担当医の経歴や手術実施症例数などを公表している場合は、比較的信用度は高いように思われます。また、実際に病院(医院)に行ってみて、受付の事務スタッフが笑顔で挨拶してるような場合は、院長の人柄が良く、患者思いのことが多いと思います。逆に、玄関のスリッパが汚くて履き替えるのをためらうような場合、トイレなどの清掃が行き届いていない場合などは、ズボラで不勉強な医師の病院(医院)であることが予想されます。後悔しない病院選びは重要ですので、参考になれば幸いです。

 次回は、名医とやぶ医者の見分け方です。