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肝炎

健康食品で健康被害(ウコン)

2014年09月20日

平成18年厚生労働省から「健康食品が原因と疑われる健康被害の報告例」が発表されました。近年、多様な方法で世界中から購入可能となった健康食品ですが、一部の商品を利用された方に健康被害が現れました。

健康食品とは、不足しがちなビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養補給を補助する食品で「サプリメント」とも呼ばれます。「天然の有効成分のみを抽出した自然食品」などと効能効果が宣伝されていますが、抽出されたことにより数倍~数百倍に及ぶ不自然な量が健康を害する原因になっています。その健康被害で多いのがウコンです。

ウコンは中国原産ショウガ科の植物で主に香辛料として用いられます。俗に「肝臓の機能を高める」といわれますが、日本で発生した健康食品による肝障害の原因の4分の1<を占めるといわれます。

ウコンによる肝障害の原因成分については、2011年6月29日のNHKの「ためしてガッテン」が、ウコンに含まれる大量の鉄分が原因とする調査結果を紹介しています。健康な人なら問題はないが、肝炎にかかった人は鉄が肝臓にたまりやすく、その過剰な鉄が酸化促進作用で肝炎をさらに悪化させるのです。

他のウコンの肝障害の原因として、有効成分「クルクミン」が体内で酸化を抑える抗酸化物質として作用する一方で、鉄と同じように酸化促進作用も持つ両刃の剣との説もあるのです。また、アルコールによって誘発された肝障害が、クルクミンにより増悪するとの研究があります。日本で盛んに宣伝されている二日酔い防止や肝機能強化といった効果に対するまったく逆の作用指摘されているのです。

消化器系に関しても、食事中に含まれる通常量であれば安全とされていますが、過剰、長期の摂取で下痢や腹痛などを起こすことがあります。胃潰瘍、胆石症の方は利用してはいけません。

栄養は、バランスの良い食事で摂るべきで、不自然な形の加工物は要注意です。