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食中毒

食中毒の件数でアニサキスが最多

2019年03月20日

厚生労働省より、18年度の食中毒の件数が発表になりました。最多件数はアニサキスで468件(患者数478人)、2番目はカンピロバクターで319件(1995人)、3番目はノロウイルスで256件(8475人)でした。

アニサキスが寄生した魚介類を生または生に近い状態で食べると、アニサキスがヒトの胃や腸壁に侵入し胃腸炎を起こす原因となります。

患者数ではアニサキスは少なく、ノロウイルスで多い理由は、アニサキスは人から人へと感染することがないのに対し、病原菌のカンピロバクターやウイルスのノロは周囲に感染して広がるので、1件の感染で患者数が増えるためです。

アニサキスの件数が増えた理由は、鰹の刺身からの感染が増えたためです。治療は、内視鏡で除去しますが、予防策としては、十分に加熱処理することやマイナス20℃以下で1日以上冷凍処理することです。酢締めや醤油では死にません。

 

話題の最新機器(スマホ顕微鏡、レーザー血糖測定器)

2017年09月01日

話題の最新機器を2つ紹介します。

1つ目は、スマホを利用して細菌が見える小型顕微鏡のミルキン(mil-kin;見る菌)です。最近、ポテトサラダでO-157に集団感染したニュースが頻繁に報道されていますので、細菌による食中毒への関心が高まっています。この小型顕微鏡のミルキンは、高さ約15cm、幅約18cm、奥行き約11cm、重さ約450gとコンパクトサイズですが、スマホを取り付けて顕微鏡としての機能は拡大倍率約1000倍で、1ミクロンまで観察できます。ちなみに、食中毒菌のO-157は3ミクロン、黄色ブドウ球菌は1ミクロンです。価格は99800円ですので、中小企業や個人商店でも取得可能な値段です。

2つ目は、採血不要の血糖値センサーです。糖尿病患者さんが自己血糖測定器で血糖値を計る場合は、指に針を刺して採血しますので、痛みがあり負担が大きいのが現状です。このセンサーは、指に赤外線レーザーを当てるだけで、指の血液中で吸収される光の強さで血糖値が測定できます。来年度から大学病院などで臨床試験が始まり、5年後の発売予定です。

色々な機器が開発され、健康管理にも便利な世の中になってきていますが、大切なことは感染症や病気にならないようにすることです。手洗いやうがいを習慣づけること、バランスの良い食事と適度な運動で免疫力や体力をつけるようにしましょう。

トイレ後に手を洗わない人は15%

2015年11月20日

食中毒の原因で過半数を占めるノロウイルスは、12月から3月の冬場に多く発生し、嘔吐や下痢、腹痛などを起こします。ノロウイルスにはワクチンが無いので、感染した場合は輸液などの対症療法しかありません。従って、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は、重症化し易いので注意が必要です。ノロウイルス感染者の糞便には、1 g 当たり数億個のウイルスが含まれています。このうち、僅か10~100個程度が感染すると発症します。主な感染経路は、経口感染ですから、頻繁な手洗いが有効な防御手段になります。

消費者庁が2000人の男女を調査した結果、トイレ後に手を洗わない人は、大便後、小便後、大小便後を合わせると15%にもなっていました。また、家庭での食事の前に必ず手を洗うのは52.6%のみで、約半数の方は手洗いをしていませんでした。

駅やスーパーマーケットのトイレでは、用便後に手洗いをしない人をよく見かけるので、上記の倍くらいはいる様に感じています。なお、トイレで手洗いをした後でも、ドアノブや照明スイッチなどは感染源になる可能性が高い場所です。従って、食事の前には更に手洗いが必要です。また冬場になると、デパートや公共施設などの入り口にアルコールが設置してある場合があります。ウイルスは、アルコールでは死なないので、手洗いがより有効です。感染防止の観点から、手洗いを習慣化してください。