ヒトのインフルエンザが流行していますが、鳥のインフルエンザも全国各地で報告されています。鳥インフルエンザとは、A型インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起きる鳥類の感染症です。
一般的には、鳥インフルエンザウイルスがヒトに直接感染する能力は極めて低く、感染してもヒトからヒトへの伝染は起こりにくいと考えられています。しかし、養鶏場などで感染した鳥と濃密に接触した場合など、大量のウイルスとの接触では感染するケースも稀に報告されています(処理をする場合には、防護服と手袋着用が必要です)。
食品中に鳥インフルエンザウイルスがあっても、十分に加熱すれば感染性がなくなるので、鶏肉や鶏卵を食べることによって人に感染したという事例の報告は有りません。また、市販されている卵は全て洗浄された上で流通しているので、生卵を食べても鳥インフルエンザに感染する確率は著しく低いと考えられます。
この様に、通常の市民生活を送る上では鳥インフルエンザウイルスの感染を恐れることはないのですが、可哀そうなのは巻き添えで殺処分されてしまうニワトリたちです。養鶏場で鳥インフルエンザウイルスの感染が確認された場合の対策は、発生地点から5~10 km 範囲のニワトリ等を直ちに全て殺処分することしかないからです。私たちのために毎日卵を提供してくれるニワトリたちにも、感染予防の方法が出来てほしいものです。