9月も半ばになり、すっかり秋めいてきました。秋といえば、読書の秋やスポーツの秋などもありますが、なんといっても食欲の秋でしょう!
秋に食欲が増す理由は幾つか挙げられますが、一つ目は基礎代謝です。人は、一年中同じ体温(37℃)を維持しますが、これには全エネルギーの60~70%も費やしています。夏は気温が高いので、少しのエネルギーで37℃にまで上昇できます。これに対して、秋から冬になると気温が低くなるので、37℃にまで上昇させるには沢山のエネルギーを必要になり、その分を食欲でカバーしています。
二つ目は、最近の研究で神経伝達物質のセロトニンが食欲にも関係していることが報告されています。セロトニンは、主に生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与していますが、日光に当たった時間に依存して分泌されます。夏から秋になって日光を浴びる時間が短くなるとセロトニン分泌量が減少するので、これを補うために材料であるトリプトファンを多く含む食物を摂る必要性が生じます。その結果として、食欲が増すのです。
食欲が増す秋には、食べ方に注意しましょう。野菜、キノコ類、海藻などを多くすると、歯ごたえと満腹感を得ることができます。また、野菜を最初に食べると、血糖値の上昇が穏やかになります。食べ物のおいしい季節ですが、食べ過ぎずに健康的な“食欲の秋”になりますように!