オプジーボの効果は筋肉量に左右される

2019年03月01日

がんの免疫療法として話題となったオプジーボですが、本ブログでも紹介したように、投与した患者の約2割しか効果はありません(オプジーボの効果は2割のみ超高額抗がん剤オプジーボの使用は如何にあるべきか?)。従って、効果のある患者とそうでない患者を如何に予測するかが必要でした。その予測因子として、患者の筋肉量が関係していることを、大阪大学の研究チームが英国の科学誌に発表しています。

この研究では、患者を筋肉量が多い群と少ない群で比較しています。筋肉の多い患者群では薬の効果が7ヶ月継続しているのに対し、筋肉量が既に少なくなっている患者群では2ヶ月ほどしか効果が継続せず、投与後にがんが進行するリスクは3倍も高い事が報告されています。このメカニズムはまだ明らかにはなっていませんが、筋肉からがんの増殖を抑える物質が分泌されていることが考えられています。

健康維持の基本は、バランスの良い食事と適度な運動ですが、この報告からもいえることは、普段から運動をして、筋肉の衰えを防いでおくことが大切です。