肥満児の対策

2019年09月20日

幼児期に肥満になると、将来は糖尿病や心臓病のリスクが高いので、小学校の入学前の幼児に肥満対策をするための手引きを、小児関連の学会がまとめました。

小学校の入学前に太っていると、思春期にはさらに肥満が進行することが多くの研究から明らかになっています。肥満は、将来的に糖尿病や心臓病のリスクを高めます。従って、小児期から肥満しないように食事や運動で体型をコントロールすることが必要です。特に、ポテトチップスのような高カロリーのお菓子を大量に与えないようにしましょう。また、夜更かしで睡眠時間が短いと肥満しやすいことも知られていますので、早寝早起きの習慣をつけることも重要です。

降圧薬の管理

2019年09月10日

血圧は、高すぎるのは良くないのは当然ですが、低すぎる場合もふらついて転倒事故や、血栓や認知症の原因になるので、適切な範囲にコントロールすることが必要です。

血圧に影響を与える因子は多々ありますが、自然現象では気温があります。夏は気温が高く暑いので、体温を逃がすために血管が太くなり、血圧は低下します。逆に、冬は寒いので体温を逃がさないように血管を細くするので、血圧が上昇します。

人為的な変動因子で注意が必要なのが、降圧剤の使用です。高齢者が入院中に一過性に血圧が上昇した場合は、主治医が退院時に降圧剤を多く処方することがしばしばあります。この降圧剤が効きすぎると、転倒事故や他の健康上のリスクが高まると言う研究結果が報告さてています(JAMA Internal Medicine)。従って、退院後は自分の血圧が適切にコントロールされているか、低すぎないかなどのチェックをすることが必要です。朝晩に血圧を測定してノートに記録し、高過ぎや低すぎる場合は、主治医に相談して下さい。

自身での血圧コントロールの良い方法は、朝のウォーキングを30分行うことが報告されています(Hypertension)。心臓から押し出された血液は、全身へ移動します。この血液が心臓に戻るのは、筋肉が担当します。特に、低い場所に位置する足の血液は、足の筋肉が押し戻します。普段からウォーキングなどで足の筋肉を使うと、血液がスムーズに流れるようになり、血圧が安定します。普段が低血圧な人も、ウォーキングで血流が向上するので有効です。

iPS細胞で視力回復

2019年09月01日

角膜(黒目の部分)が傷ついて失明状態の患者さんに、iPS細胞で作成した角膜シートを移植することで、文字が読める状態にまで視力が回復した世界初の治療が、大阪大学から発表されました。

これまで角膜の移植は、亡くなられた方からの提供でしたので、提供数が少なく順番待ちで、また術後の拒絶反応もしばしば見られていました。iPS細胞の角膜シートでは、現時点での拒絶反応は認められていません。さらに、この角膜シートは大量に作成することも可能ですから、将来は順番待ちもなく、治療が受けられるようになります。

iPS細胞による移植治療では、脊椎損傷で車いすの生活を強いられている方や、1型糖尿病で毎日のインスリン注射が必要な方などへのiPS細胞による治療は、動物実験では有効な結果が得られています。現在は安全性の確認が進められています。1日も早い実用化が望まれます(糖尿病治療の最新研究iPS細胞による治療が一歩前進iPS細胞の実用化に前進)。