高齢者にはリスクの高い睡眠剤と抗不安薬

2019年12月20日

年齢を重ねる毎に、慢性の疾患などに罹りやすくなり、より多くの薬を服用する様になります。実際、65歳以上の90%は何らかの薬を服用し、その内の約半数は5種類以上、約10%は10種類以上の薬を服用しています。

しかし高齢者では、薬の服用による副作用のリスクが高まっているのです。その理由は、①肝臓での薬の分解能の低下、②腎臓が薬を尿中に排泄する能力の低下、③身体の水分量の減少による水溶性の薬の高濃度化、④脂肪組織の増加による脂溶性薬の体内の蓄積などがあります。その上、多くの薬剤の服用による薬物相互作用のリスクが格段に増加しています。

薬剤の中でも特に、睡眠薬と抗不安薬は高齢者にとってリスクが高くなっています。即ち、これらの薬を高齢者が服用することで、転倒や認知機能障害が起こりやすくなることが報告されています。また、止められなくなる依存性を起こしやすく、死亡リスクも高くなるのです。現実に、これらの薬剤は80歳代の高齢者に最も多く処方されており、その危険性が指摘されています。

高齢者へのリスクの高い薬の処方は、本来は専門家である担当の医師が抑制していくべきなのですが、患者に求められれば断れないことや、経営を考えて多くの処方をするなどの問題点もあります。薬は必要なものではあるのですが、患者自身もその使用は最小限度に抑えるべきです。

 

1日の歩数が減少

2019年12月10日

ウォーキングは、健康推進や生活習慣病の予防のための最も一般的な運動として認知されており、その効果は血流や代謝がよくなることで血中脂質や血糖値、血圧の状態の改善などに有効です。

東京医大の研究グループが3814人のデータを分析した結果では、1日当たりの歩数が2000年までは増加傾向に有り8235歩であったのですが、2016年には7168歩になり、1日当たり約1000歩も減少していました。1日に1万歩以上歩く人の割合も、2000年の男性29.6%、女性22.3%から、それぞれ18.6%と11.8%に減少していました。

本ブログでは度々示しているように、健康の基本はバランスの良い食事と適度な運動です。ウォーキングは、時間にとらわれずに、誰にでも簡単にできて、お金もかからない、最も優れた健康管理のツールです。仕事への行き帰りや、買い物の途中でも、余計に歩くことが健康長寿のためにプラスになります。

 

サプリ製品の4割は溶けず⇒吸収されず無効

2019年12月01日

サプリ製品の4割は、水に溶けないので、吸収されず無効であることが、国民生活センターの調査で示されました。

サプリ製品は、高齢者の約半数が利用しているのですが、食品に位置づけされているので、効果などについての規制がありません。従って、多くの製品が乱立して売り上げを競っているのですが、その多くの製品は無効である可能性が高いのです。(60歳代の4割が健康食品やサプリを利用 ⇒ 選び方イソフラボンで痩せるは根拠無し!消費者庁が改善措置命令根拠のない健康食品(特に水素水)にご注意

国がお墨付きを与えたトクホや機能性食品であっても、儲け第1主義が見られているのが現状です。(「トクホの大嘘」を週刊新潮が特集健康食品: トクホ表示やうたい文句に騙されるな!)例えば、機能性食品は身体に有効な成分が含まれていれば届け出のみで製品に表示できるのです。しかし、経口摂取では吸収されるときに分解されたりして、同じ形であるとは限りません。また、その成分がピンポイントで患部に届けられる可能性は小さいので、有効性にも疑問が残ります。

無効とされたサプリ製品でも一部には有効性が認められますが、その理由はプラセボ効果です。プラセボ効果とは、有効であると信じ込むことで、2~3割の患者で実際に効果が現れる現象です。要するに、気持ちの持ち方なのです。

健康食品やサプリを選ぶときには、その製品を実際に使用した時の医学的データが示されているもの選択すべきです。私の研究している健康飲料の美露仙寿(めいるせんじゅ)は、多くの医学論文や国際学会などで研究成果を発表していますが、この様な医学的研究データが示された製品は、ほんの一握りです。製品の選択には、慎重を期しましょう!