花粉症

2015年03月01日

今日から3月です。私は3月が一番好きです。日差しが柔らかくなり、庭の水仙やチューリップの芽が伸びていくのを毎朝眺めていると、何か良いことがありそうで(実際には何もなくても)、気分が明るくなるからです。

ですが、世の中には3月と聞くと一気に気分が落ち込む方々が沢山おられます。恐怖の“花粉症”の季節なのです。花粉症は免疫が強すぎるから起こると思っておられる方がいますが、実は免疫の成長不良なのです。昨年11月20日の免疫の項でも説明しましたが、免疫には役割分担があり、敵が来たことを知らせる係、攻撃を命令する係、闘う兵士の係、攻撃を止める様に指令する係などがあります。これらの全ての係が正常に働いて、免疫が成り立っています。会社でも、社長一人が優秀でも、営業や経理、庶務の社員が仕事をしなければ会社は機能しませんし、掃除のおばちゃんがきれいにしてくれるので気分よく仕事が出来るのです。花粉症は、外敵(花粉)から体を守る戦いを止める様に指令を出す係(サプレッサーT細胞)が機能不良なために、防御反応(鼻水、くしゃみ、涙など)が止まらない状態なのです。

最近は花粉症の患者が増えていますが、その要因は大きく2つあります。1つ目は戦後の植林事業で植えられた杉が大量の花粉を出していることです。現在は、スギ花粉の少ない種類の杉に徐々に変えられていますが、成果が出るまでには長期間を要します。2つ目は、子供の時期にきれい過ぎる環境で育つと、細菌やウイルスなどの外敵の勉強をしないために、これらに対抗するための免疫が不出来になってしまうのです。実際、花粉症が疑われる子供の割合は、2012年は25.7%、2013年は32.7%で、年々増加しています。幼少期に牧場などの家畜がいる環境で育った場合には、花粉症は殆ど無いことが知られています。親の心情としては、子供が病気にならない様に清潔な環境を与えたいのですが、きれい過ぎる環境は、子供の免疫を成長阻害にしてしまうのです。外敵への適度な接触が重要ということになりますが、その“適度”が難しいですね。

花粉症への対策では、花粉を吸いこまないようにすることが最も重要です。簡単で最も効果のある方法は、市販の使い捨てマスクです。最も効果の高いのは、不織布製でワイヤーで顔に密着させるタイプ、次いでフィルター付きのガーゼでワイヤー入りのものです。ワイヤーのないタイプは、顔への密着度が低いので、効果は低くなります。ワイヤー入りのマスクでは、花粉の吸入量を10分の1位にまで減らすことが出来ます。注意点は、顔に密着させることです。鼻を出してマスクをしている人を良く見かけますが、何の為にマスクをしているのか不思議です。100%意味がありません。マスクは、毎日使い捨てにすることが望まれます。

ステロイド注射は、危険です。健康保険ではステロイド注射は認められてはいるのですが、副作用がありますので、耳鼻科の専門医はステロイド注射はしません。行っているのは、専門外の医師なのです。ステロイドの副作用は、感染症に罹り易い、副腎機能不全、糖尿病、精神障害、ムーンフェースなど多種です。副作用がでても、ステロイド成分は1ヶ月は体に残りますので、この間はどうしようもありません。

私は、以前は花粉症で鼻水が止まらなかったのですが、この会社にきてから美露仙寿を飲むようになったためか、昨年は花粉症の症状は殆どありませんでした。多くのお客様からも、花粉症が軽くなったとの体験をいただいています。花粉症対策は、短期ではマスクなどによる防御と、長期的には体質改善です。

賢い患者

2015年02月20日

  病気や怪我をした場合は、病院のお世話になる事になります。その場合、患者として賢くふるまうことが大切です。

賢い患者になるために知っておきたいことは、

  1.  診察時に伝えたいことをメモして準備
  2.  医師の説明をメモ
  3.  検査データなどはコピーを貰って、自宅にファイル保存
  4.  納得できないことや解らないことは質問
  5.  治療法などの重要な決定は、即答せずに熟考
  6.  治療の希望をはっきり言う

等です。 

  患者として病院に行くと、診察時には緊張や遠慮で、言いたいことの半分も言えないのが現状です。ですが、症状や治療の希望を正確に伝えないと、適切な治療は受けられません。そこで、予めメモを作っておくことをお勧めします。精神的に落ち着いた時であれば、自分の考えを短い箇条書きでまとめておく事が出来ます。診察時にこれをみながら話をすれば、短時間で要領よく意思疎通が可能になります。

  次に、医師の説明はメモしておきましょう。その場では理解したような気になるのですが、家に帰ってみれば何も覚えていない結果になりかねません。メモがあれば、自宅に帰ってからゆっくりと調べることもできます。診察の際には、検査データなどのコピーを貰ってきて、自宅にファイルしておくことをお勧めします。以前と現在の検査結果を比較すれば、病状が正確に把握できますので、より的確な治療が望めます。

  解らないことや納得できないことは、担当医に質問することは全く問題ありません。ですが、こんな素人質問をしても笑われないだろうかとか、次の患者さんを待たせても悪いかななどと考えてしまうことが、しばしばです。患者は当然のことながら医療の素人なのですから、笑われることは有りませんし、患者の権利ですのでOKです。もしも質問しにくければ、私の「無料健康相談」にお電話ください。ご理解いただけるまで説明します。

  担当医から治療法について説明があった場合、即答しなくてもかまいません。良く考えて、次回の診察時に自分の希望をはっきりといってください。例えばがん治療の場合、手術、放射線、抗がん剤の選択肢がありますが、「手術は受けたいが、抗がん剤はやりたくない。」などです。病院によっては、希望を言うと治療を拒否するような脅しを言われる場合もあるのですが、そのような病院での治療はお勧めできません。患者は、自分の治療方法を選択する権利があります。

  出来る事なら病院のお世話にならない様に、バランスの良い食事と運動で免疫力を高め、病気を予防しましょう。万が一に体調を崩してしまったら、名医の診療を受けられるように、病院や医師の情報を収集しておきましょう

大手製薬会社ノバルティスファーマが業務停止処分

2015年02月10日

今回の内容は、「賢い患者」の予定でしたが、製薬会社の行政処分の話題に変更します。「賢い患者」は次回の掲載とします。

これまで度々、薬には効果の他に副作用があるので、使用は最小限度にすべきと書いてきました。その副作用に関して、製薬会社が隠していた事例です。

ノバルティスファーマ社は、3000例以上の薬の副作用情報を国に報告していなかった問題で、業務停止処分(15日程度)を受けることになりました。薬による重い副作用が確認された場合には、製薬会社は30日以内に国に報告しなければならないことが法律で定められています。しかし、白血病治療薬の16例の副作用が報告されなかったために、昨年7月に業務改善命令を受けていました。その後の調査で、26種類の薬で3264例の重い副作用も報告していなかったことが判明しました。

同社の行政処分は2回目ですが、降圧剤バルサルタン(商品名ディオパン)の虚偽広告事件でも社員が起訴されており、再度の業務停止処分がなされる可能性があります。(反省が見えないところが怖い!)

(ディオバン事件: ディオバンは、京都府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大の計5大学が臨床研究を実施。京都府立医大と慈恵医大の論文は、ディオバンが他の高血圧治療薬より、脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いと結論づけている。しかし、同社の広告に利用するために、より効果を高く見せるように改ざんした虚偽の論文であるとして、薬事法違反(虚偽記述・広告)の疑いで逮捕された事件。)

薬の副作用による最近の死亡例は、今週の記事で前立腺がんの新薬「ザイティガ錠」(ヤンセンファーマ社)を服用した患者4人が重症低カリウム血症を発症して1人が死亡した例、昨年12月にも前立腺がんの抗がん剤「ジェブタナ」(一般名カバジタキセル:サノフィ社)を投与後に患者5人が死亡していた例、昨年10月の糖尿病薬SGLT2阻害薬3剤で5人の死亡例が報告されています。薬は、病気を治すためのものであり、薬で命を縮めるのは論外です。

 薬には効果とともに副作用がありますが、副作用の隠ぺいや効果の過大広告などは、氷山の一角のようです。病院での新薬の治験では、副作用などの都合の悪いデータは、依頼した製薬会社の社員によって握りつぶされることは、よく耳にしていました。ですから、副作用が少ないとのうたい文句で発売された後に、多くの事故が起きていることは度々あります。医薬品は、ヒトの健康や生死に直結するものですから、高いモラルの上に製造販売されなくてはならない商品なのですが、製薬会社が利益第一主義に走り過ぎていると思われる現況を理解しましょう。薬は必要最小限に!

名医の特徴

2015年02月01日


名医の特徴は、

① セカンドオピニオンを嫌がらない

② 検査データやレントゲン写真などを躊躇なくくれる

③ 自分の専門外は、他の医師を紹介する

④ 体調や症状に応じて薬を増減し、止め時を示す(名医ほど少ない薬で治療する)

⑤ 薬の副作用や処置の危険性も予め説明する

等です。

患者には、自分の治療方法を選ぶ権利がありますので、2~3か所の病院の医師の意見を聞いたうえで、決めることに問題はありません。その場合、セカンドオピニオン(他の医師の意見)を嫌がらないことや、検査データやレントゲン写真などを躊躇なくくれる医師は、よく勉強しているので自分の診断や治療に対して自信があると言えます。ですから、セカンドオピニオンを申し出た時に、すぐに同意してもらえるような医師の場合には、腕の良い医師である確率が高いので、他の病院に行く必要性は低いです。逆に、他の病院でも診てもらいたいといった時に怒る医師は、自信の無さの表れといえますので、他の病院で治療した方が賢明な可能性が考えられます。以前、お客様に検査データをもらってくるようにアドバイスした時に、病院側が個人情報なので出せない、カルテ開示になるので特別な手続きが必要などの理由で、もらえなかった例がありました。自分の検査データをもらうのに、何故に個人情報保護法に抵触するのか意味が分かりません。このような病院や医師は、レベルが低く、都合の悪いことを隠す可能性がありますので、お勧めできません。

医師は、自分の専門分野には詳しくても、それ以外は常識的な知識レベルであることが一般的です。従って、自分の専門分野以外の症状に関しては、他の専門医の診断を勧めることが賢明です。決して責任を放棄しているのではなく、責任感が強いからこそ、患者により良い治療が受けられるように考えている結果です。

前回、ダメ医者の最大の特徴として、薬を大量に処方することを挙げました。これとは逆に、名医は体調や症状に応じて薬を増減し、病状が改善すれば止め時を示します。名医ほど、薬の副作用や処置の危険性も予め説明し、少ない薬で治療します。何故なら、名医は薬の副作用を理解しているので、より身体に負担のない治療法を選択するからです。「薬をやめれば病気は治る:岡本裕」という本に書いてあるように、薬を沢山飲むことによって病気を酷くしている場合が多々あり、薬を減らすと逆に元気になることも多いのです。薬は必要最小限にすべきなのですが、素人判断で今まで飲んでいた薬を急にやめると、反動で症状が一気に悪化する場合もありますので、上手に投薬量を減らしてくれる医師を選びたいものです。

病院の選び方で書いたように、近所の評判やインターネットでの情報収集で、健康な時から名医のいる病院を選定しておくとよいでしょう。もしも、自分や家族が病気になったら、名医の診察を受けてください。

ダメ医師の見分け方

2015年01月20日

 病気になった時、ダメ医師にあたると悲惨な結果になりかねないので、出来るなら名医に受診したいものです。では、ダメ医者はどの様に見極めればよいのでしょうか?

 ダメ医者の特徴は、

   薬を大量に処方する

   検査が多い

   診察時間が3分以内と短い

   パソコンばかり見て患者を見ない

   「とりあえず○○しましょう」が口癖

   コレステロール値と血圧は低い程良いという

等です。

 ダメ医者の最大の特徴は、薬を沢山だすことです。昨年、お客様からの電話で、健診で糖尿病を指摘され(HbA1c 6.7%)、標準体重を10kg 程オーバーの肥満がありました。HbA1cが6.7%で肥満があれば、食事療法のカロリー制限で体重(脂肪)を落とし、運動療法で代謝を上げると、ほとんどの患者で改善が見込めます。この方は体重を5kg程落としたら、病院で怒られた上に、3種類の飲み薬を処方されたと伺いました。??????。この医師は、薬さえ飲めば良いといった考えのようです。しかも、最初から3種類も処方するのは、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の典型例ですので、糖尿病の専門医に変えるべきです。これまでに書いてきたように、薬には効果ばかりではなく副作用もあるのです。副作用が出た場合、新しい病名をつけて薬を追加するので、10種類以上にもなり、薬局で買い物かご一杯の薬をもらう方を見受けます。こんなに沢山の薬を飲んだら、健康な人でも薬の副作用で病気になります。最近の例では、2型糖尿病の新薬「SGLT2阻害薬」で、昨年4月以降、約3700人で約4800件の副作用報告があり、10人が死亡していました。薬は、食事療法と運動療法で改善が出来ない状態の時に用いるべきなのです。

 検査が多い理由は、患者の状態が把握できていない場合、検査料で儲けるため、研究材料としてデータを収集している場合などが考えられます。1年ほど前に、がんで大学病院から余命宣告された方が、美露仙寿を日15本飲んだ例がありました。みるみる回復して元気になったら、毎週CT検査をしているというのです。せっかく回復したのに、CTの放射線(胸部レントゲンの200~300倍くらいの被ばく)で新たながんが発症する可能性から、CT検査は拒否するようにアドバイスしたことがありました。この様な回復症例は珍しいので、大学病院の担当医が研究材料としてCT画像を収集しているとしか考えられません。前回書いたように、大学病院の医師は、患者を研究材料として見ている場合が多々あります。

検査の出し方を見ているだけでも、医師のレベルがわかります。ベテラン医師はピンポイントで正確に的を突いてくるのですが、研修医レベルでは投網を広げるような検査依頼(多項目の検査を度々)をしています。このような検査依頼の仕方は、患者の状態が把握できていないことを意味しています。逆に、沢山の検査をしているにもかかわらず、病名や薬から判断して当然するべき検査がなされていない例もしばしばあります。このように検査項目から医師のレベルを判断することは、経験を重ねた医療関係者でないとできないのですが、皆様からわかりやすいのは、沢山の検査項目を度々している医師は、ダメ医師の可能性が高いということです。

 病院に行くと、朝方受付をしたのに診察は昼過ぎということがしばしばあります。しかも、診察はほんの1~2分で、前回と同じ処方箋を書いて終わりといった経験は有りませんか?さらに、長時間待ったのに、患者の顔も見ずにパソコンばかり見入っている場合は、なおさらのこと信頼関係は築けません。

 また、「とりあえず○○しましょう」が口癖の場合は、診断と治療に対して自信が無いというように解釈できます。とりあえずの前に、“違うかもしれないが”という単語が省略されているようです。能力もないのに自信だけが過剰なのが一番始末が悪いのですが、腕も自信もない医師には受診はしたくありません。

 コレステロール値と血圧は低い程良いという医師の場合は、かなりの不勉強と考えられます。これまでにも度々書いてきたように、コレステロールは細胞膜、ホルモン、胆汁などの材料として使用される大切な栄養成分です。また、血圧の基準値の130mmHg は、若者の値なので、健康な高齢者では140~150 mmHgの血圧は普通ですし、総コレステロールも250 mg/dl位は全く問題ありません(昨年の5月1日の“正常値のウソが修正される?”をご覧ください)。コレステロール値も血圧も、薬で下げ過ぎれば、健康を害することは明らかです。年齢相応の値にすべきなのですが、低ければ低い方が良いと考えている不勉強な医師も実際にいるので、要注意です。

 “医師の言うことを聞いていれば間違いない”、と思っている方もいらっしゃるのですが、上記のようなダメ医師にあたると、寿命を縮めることになりかねません。自分が受診している医師が、上記の項目に当てはまらないかチェックしてみてください。

長くなりましたので、名医の見分け方は次回にします。