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女性医師

東京医科大の女子一律減点問題

2018年08月10日

東京医科大の入試で、女子受験生が一律に減点されていたことが連日報道されています。その減点の理由には、女性医師が結婚や出産での離職や、育児による当直勤務の拒否などが挙げられています。

確かに、女性医師の産休や育児による当直勤務の回避では、男性医師に負担がくるので、そのような言い分が出てきます。しかしその根本を考えると、育児や家事などを女性の仕事と考えて、任せきりにしている男性が多いことに行き着きます。

医療現場においては、医師として女性が劣っているということは全くなく、むしろ内科では女性医師の方が患者の死亡率や再入院率は低い結果になっています(女性医師の担当で死亡率・再入院率は3%も低くなる)ので、女性医師は必要な戦力であるのです。この傾向は医療関係ばかりで無く、他の多くの業種にも共通しています。超高齢化社会に直面している日本という船が世界の荒波の海を渡っていくためには、女性のパワーが必要不可欠なことは容易に理解できます。

患者のためには、男女関係なく優秀な人に医師になってもらうことであり、医師のみならず全ての女性が働きやすい環境整備を、国レベルで改善していくことが必要です。

女性医師の担当で死亡率・再入院率は3%も低くなる

2018年01月10日

前回は世界中で最も注目された研究論文を紹介しましたが、今回は注目度が3番目の日本人研究者の論文の紹介です。

米国の急性期病院に入院した65歳以上の150万人の調査で、内科では女性医師が治療した方が男性医師よりも死亡率や再入院率が3~4%も低い結果が出ています。この理由を過去の研究の結果をもとに考えると、男性医師と比較すると女性医師は診療ガイドラインにのっとった治療を行う傾向があり、患者とのコミュニケーションスキルも男性医師よりも高いことにあると推測できます。すなわち、女性はリスクを回避する傾向があるために、患者とコミュニケーションを取りながらより安全で確実な治療法を選択することで、死亡率や再入院率が低下するようです。

なお、外科で執刀医が女性と男性で比較したカナダの調査では、女性の執刀医の方が死亡率が低いと報告されていますが、執刀医の性別を選べない緊急入院患者のみで比較すると、男女の医師で性別による差は認められませんでした。

患者さんの中には、女性医師はなんとなく頼りないと思われている方も多いのではないかと想像しますが、逆に女性医師が担当医になった場合の方が死亡率や再入院率が低いのですから、ラッキーです。もちろん、男性医師にも名医は沢山いますのでご安心を。医師を選ぶときには、性別ではなく腕を見極めることですので、本ブログを参考にして下さい。(名医の特徴ダメ医師の見分け方