先月の敬老の日に、2014年の100歳以上の高齢者数の発表がありました。総数は58820名で、女性が87.1%を占めています。県別では、島根県、高知県、鳥取県の順で、西日本が上位でした。平均寿命は、9月10日記載のように、男性80.21歳、女性が86.61歳ですから、日本は世界一の長寿国になりました。
私の持っている健康長寿者のイメージは、歯が丈夫で何でも良く食べることです。高齢者に肉類は良くないと思っておられる方もいますが、人間の体はタンパク質でできているので、新しい細胞と入れ替えるには、良質なタンパク質を補う必要があります。ですから、長生きするには魚、やさい、果物、野菜などの他に肉類も摂取することとが不可欠です。肉類を含む多種類の食品を摂るには、丈夫な歯が欠かせません。さらに、歯は単に「食品をかみ砕く」ばかりでなく、「発音を助ける」、「表情を作る」、「体の姿勢やバランスを保つ」などの働きや、「ものを噛むことで脳に刺激を与える」ことで認知症の予防などの役割もあります。
歯がなくなる最大の要因として歯周病がありますが、その結果として肥満や糖尿病、心臓病や脳卒中の危険性が高まります。例えば、歯周病患者の心疾患での死亡率は健常者の2~3倍高いことが知られています。そこで、歯の専門家のアドバイスがあると、健康管理に良い結果を及ぼします。例えば、デイケアに通う在宅介護高齢者で、歯科衛生士によるオーラルケアおよび口腔衛生指導を週1回受けた人たちと自分でやるだけの人たちを比べたところ、インフルエンザの感染率が低下しています。また、介護施設入所者を、看護師や介護者によるオーラルケアを受ける人たちと受けない人たちにわけて比べたところ、肺炎になった率がオーラルケアを受けた人の方が少なかったことが報告されています。病院の入院患者でも、オーラルケアをすることで、回復の経過が良いことから、実施する施設が増えています。この様に、歯や口内の健康維持が、体全体の健康維持に直結していることは明らかです。
口内を清潔に保ち歯周病や虫歯を予防するには、毎食後の歯磨きが欠かせません。2011年の厚生労働省による歯科疾患実態調査では、歯磨きの回数は、1日1回が21.9%、2回が最も多く48.3%、3回以上は25.2%でした。この歯磨きを多くする習慣が、日本人の長寿の要因の一つとも考えられます。ちなみに私は、朝起きた時と毎食後の計4回歯磨きをしています。歯磨きで、健康な歯と清潔な口内を維持することが、長寿につながります。皆さんも、100歳超の長寿者の仲間入りを目指しましょう!