日本人の平均寿命世界最長に緑茶が一役

2015年05月20日

世界保健機関(WHO)による「世界保健統計」で、男女合わせた2013年の平均寿命は、日本は84歳で世界最長でした。なお、女性は86.61歳で世界1位、男性は80.21歳で世界4位です。主要国では

韓国  82歳、 米国  79歳、 中国  75歳、 ロシア 69歳

全世界の平均寿命は71歳で、最短は中央アフリカ・シエラレオネの46歳。日本は2012年に続いて2013年も、連続で金メダルです。

死亡の危険性を下げる一因として、緑茶が良いことが、国立がんセンターと東京大の研究チームから報告されています。10都道府県に住む40~69歳の男女約9万人を対象に、死亡と生活習慣の関連を調査しました。1990年からの調査期間中に死亡した1万2874人の危険性を調べたところ、緑茶を「1日5杯以上飲む」と答えた人では、男性で13%、女性で17%もリスクが低い結果となりました。(コーヒーでも同様の効果があるとのことです。)

緑茶に含まれるカテキンはお茶の渋みの主成分で血圧降下作用があり、カフェインには血管や呼吸器の働きを改善する働きがあるので、脳血管疾患や呼吸器疾患のリスクが低下して、死亡率を下げる可能性が考えられます。他にも、認知症予防効果やがんリスク低減効果などの研究も報告されています。食事は日本食、食後には緑茶が、平均寿命のみならず健康寿命の延長にも良いようです。

ただし、人工的にカテキンを大量にとることは、逆に肝炎などの健康阻害を引き起こすことがあります。特保のへ●●ア緑茶には、1本当たりカテキンが約 540 mg/dl も大量に含まれており、通常にいれたお茶約10杯分に相当します(注:入れ方により異なる)。この量のカテキンは、海外では「肝障害」を引き起こすとして、カナダでは販売が中止、アメリカでは注意書き付きで販売されています。人工的や化学的に作られたものは、摂取過多の危険性を含んでいます。特保の商品は、必ずしも健康に寄与するものではなく、時には健康を害します(2014年9月1日、10日の“特保のウソ”をご覧ください)。

急須で入れたお茶を、毎食後に飲むのが健康には良いのです。食後の一杯のお茶は、“日本人で良かった!”と思える時間です。

ヤセ体型は認知症のリスク大

2015年05月10日

高齢化社会における最大の課題は、平均寿命と健康寿命の差を如何に小さくするかということです。健康寿命とは、他人の手をかりずに自分だけで生活が可能な寿命です。現在の平均寿命と健康寿命との差は、女性では12.40年で、男性では9.02年です。この期間は、他人の介助が必要な期間ということになります。この差を限りなく小さくし、生涯現役の仕事で収入を得て、その収入で人生を楽しむことが、本人にとっても日本の将来にとっても重要です。

要介護の期間において、撲滅すべき疾患の一つには認知症があります。2012年における認知症の患者数は462万人であり、2025年の患者数の予測は700万人と激増し、5人に1人の高齢者が認知症になると計算されています。この認知症のリスクとして、ヤセ体型が関与することがロンドン大学の研究で報告されました。約200万人を15年間に渡って追跡調査した結果、BMIが20以下のヤセ体型では、正常体型と比較すると認知症発症率が34%も高い結果となっています。ヤセ体型が如何に認知症発症に関与するかの機序は明らかにされていませんが、ヤセ体型は短命であることも周知の事実ですので、健康寿命を延ばすには、ヤセ体型は避けるべきであることは確かです。過度な食事制限でヤセ体型の方は、食事の改善で標準体型にするのは比較的容易でしょう。ヤセ体型の方の中には、食べたくても食が細くて量を食べられない、食欲自体がないなどの方もおられるでしょう。そんなお悩みの方は、無料健康相談にお電話ください(フリーダイヤル: 0120-5931-50)。なお上記の研究では、肥満者は認知症のリスクを30%下げた結果になっていますが、肥満者では生活習慣病など他の疾患の罹患率を上げるので、肥満もさけるべきです。健康で長生きするには、2013年9月10日の本ブログで紹介したように、BMIが22~25位が理想です。バランスの良い食事と適度な運動で、無理なく体型維持をなさってください。

残薬(飲み残しの薬)が年475億円分

2015年05月01日

  薬の「飲み残し」や「飲み忘れ」は、処方された薬全体の24%にあたり、年間では475億円にもなります。何故に、これほど多くの薬が無駄になるのでしょうか?いくつかの要因があるのでしょうが、その中の1つには、高齢者が多種類の薬を処方されて「何をどう飲めば良いのか分からない」ことがあります。高齢者の場合、10種類以上の薬を処方されていることは珍しくありません。それらの薬の全てが、朝昼夕に1錠という処方であれば、飲み間違いや残薬は少なくなるのですが、現実には、A剤は朝昼夕の3回で、B剤は朝夕の2回、C剤は朝のみ1回服用といった内容なので、高齢者は正しく服用できないことは容易に想像できます。この対策としては、薬の一包化(一回に飲む複数の薬を、1つの袋に入れるサービス)があります。当然ながら手数料がかかり、医師の指示がある場合と無い場合では薬局での支払い額に差が出ますが、1回の服用分が1袋に入れてもらえるので、飲み間違いや飲み忘れの防止になり、無駄が省けることになります。

 しかしながら、一包化だけでは残薬の問題は解決できません。何故なら、残薬の根本的な原因は、不必要なほど沢山の薬を処方する医師と、薬を沢山飲んでいると安心する高齢者が多いことにあります。そこで、無駄を省くという観点から残薬について考えると、475億円分の薬を最初から処方しない方が良策ではないでしょうか。何故なら、処方された薬を正しく飲まなかったために病状が悪化した症例も存在するでしょうが、これは極一部の患者であると考えられます。大部分の患者においては、飲み忘れても全く影響が報告されていません。故に、最初から必要がないと考えることができます。逆に、「薬をやめれば病気は治る:岡本裕(幻冬舎)」に書かれているように、服薬を減らすことで体調が改善することの方が多いと思われます。薬の常用は、一時的な症状の改善には有効ですが、その代償として回復力や免疫力を低下させます。また、効果とは裏腹に副作用が存在して、新たな病気を誘発します。薬は最小限にして、節約した薬代でスポーツクラブに行って体力や体調に適した運動をしたり、旬の食材をバランスよく食べた方が、健康維持には良い薬になります。無駄になっている薬代の475億円は、高齢者の年金や少子化対策のための託児所建設などに使って欲しいものです。