4人に1人が運動不足

2018年09月20日

世界保健機構(WHO)の研究班が、世界168カ国の18歳以上の成人190万人のデータを解析し、4人に1人が運動不足になっていることを、英国の医学誌:ランセット・グローバル・ヘルスに発表しました。

運動不足の定義は、1週間で2時間半以上のややキツい運動か、75分以上の激しい運動をしていない人とした。その結果、運動不足と判定された人は世界で27.5%(男性:23.4%、女性:31.7%)で、4人に1人の割合でした。運動不足になる傾向として、特に高所得の国でなり易く、また女性で高いことが示されています。原因として、交通機関の発達で歩かないこと、スマホの普及も身体を動かさない事に起因しているようです。

運動不足は、糖尿病、高血圧、高脂血症や肥満などのリスクを増大させます。平成25年の厚生労働副大臣の会見では、日本の運動不足に起因する死亡者数は年間5万人にも達し、喫煙、高血圧に次いで3番目に高くなっています。

本ブログで度々主張しているように、健康の基本はバランスの良い食事と適度な運動です。運動不足解消のために、身体を動かす趣味を持つことや、仕事帰りにスポーツジムによること、1駅手前から歩くことなどを心がけたいものです。(通勤形態と生活習慣病の関係毎日8000歩で死亡リスク半減

健康寿命を延ばす老人会活動

2018年09月10日

先週は、千葉県の老人会からお声がかかり、健康講演に行ってきました。このグループは毎月、防災、歴史、経済、健康などについて専門の先生方を講師に勉強会をもっています。平均年齢は75歳くらいとのことでしたが、皆さんそろって年齢よりは若くハツラツとしています。最高齢の91歳の方は、歩き方もしっかりとしていて、質問や会話も明確で、認知症や介護とは全く無縁の印象でした。この様なグループに講演に行っていつも感じるのは、活動に参加している方は身体も心も健康状態が良いということです。

平均寿命は年々延びて男性80.21歳、女性86.61歳になりました。他人の介護を必要としないで生活が出来る健康寿命も年々伸びて男性71.19歳、女性74.21歳ですが、平均寿命と健康寿命の差である要介護期間(男性9.02年、女性12.40年)は、2000年以降も全く短くなっていません。この期間には多額の医療費や介護費が必要で、また適当な介護施設を見つけることも容易ではありません。一度しかない人生を楽しむためには、平均寿命と健康寿命の差を小さくして健康で長生きが理想です。健康長寿には、今回の老人会のように、価値観の合う仲間達と楽しんで出来ることを持つことも有効な方法です。老後こそポジティブに!

多種類の食品が健康寿命を延ばす

2018年09月01日

食品の種類が多いほど健康寿命が延びることを、名古屋学芸大学健康栄養研究所の研究グループが報告しました。健康寿命(日本人:男性71.2歳、女性74.2歳)とは、他人の世話にならずに自分自身で生活ができる期間で、平均寿命(日本人:男性80.2歳、女性86.6歳)から介護が必要な年数(男性9.0年、女性12.4年)を差し引いた期間です。2010年度において、世界各国の摂取する食品の数の上位は、1位がニュージーランド、2位が日本、3位がスペインでした。この年の健康寿命は、1位が日本で、2位がスペイン、3位がスイスとイタリアでした。この様に、摂取する食品の数と健康寿命は有意に相関関係にあり、摂取する食品数が多いと健康寿命が長くなっています。

テレビの健康番組で、ヨーグルト、トマト、納豆などが健康に良いと放送すると、翌日にマーケットから商品が無くなることがしばしばありました。確かに、これらの食品は健康には良いのですが、一度にこの食品だけを大量に食べても健康にはなりませんし、逆に栄養成分が偏ってしまいます。沢山の種類の食物を、少しずつ食べることが健康へつながるのです。摂取する食品の数が多いと健康寿命が延びる理由として、食品の種類が多いと栄養素がまんべんなく摂取できるので、体力や免疫力が向上して、疾患を防止していると考えられます。