子宮頸がんワクチン被害者の救済が滞り

2015年04月20日

子宮頸がんワクチンの接種は、2010年から公費助成で始まり、2013年からは定期接種になりました。このワクチン接種に関しては、昨年の6月20日の本ブログで、「予防効果が低く、副作用の心配あるワクチンは私の娘や孫娘には受けてほしくありません。」と書きました。これまでの接種者は約338万人で、2475件の副作用の報告があります。また、アメリカのワクチン有害事象報告制度によると、副作用被害者は世界で28661人、そのうち死亡者は130人となっています。これは報告例なので、未報告も含めるとこの10倍以上が副作用に苦しんでいるであろうと推測されています。

副作用は、現代の医学では説明できないさまざまな症状が次々と起こっていますが、全身の痛み、月経異常、体の震え、歩行困難、下痢、記憶障害などがあり、約3割の患者で高次脳機能障害、けいれん、意識レベル低下などの中枢神経症状が認められています。また、副作用は接種直後に起こる場合と、半年から1年後に遅れて起こる場合も多数報告されています。副作用の原因は、現時点では明らかにはなっていませんが、自然感染した場合の抗体価と比較すると、このワクチンの接種では4年後でも20~40倍の高い抗体価が測定されているので、ワクチンの効果を長持ちさせるために添加されている免疫増強剤が影響している可能性が考えられています。

ワクチンの接種で健康被害が起きた場合には、責任者である国は誠意をもって治療と補償をしなければなりません。しかしながら、国の救済手続きはストップしたままで、この半年以上に渡って1件も処理されていません。ワクチンを多くの女性に接種させることで製薬会社の売り上げを伸ばし、天下り先を確保するやり方は、お役人の常とう手段でありますが、利用されている一般庶民の声は、今回も届くことは無いのでしょうか?健康被害で人生を壊されてしまった沢山の若い女性たちが、自分の娘や孫であったらと考えて対処していただきたいものです。

昨年の6月20日の本ブログで書いたように、HPVウイルスに感染した場合でも90%は自己免疫がウイルスをやっつけるので、子宮頸がんを発症することはないのです。運悪く発症しても、定期検診を受けて早期に処置をすれば問題は有りません。危険を冒してワクチンを打つよりも、バランスの良い食事と適度な運動で免疫力を高めるのが一番です。

コレステロールは食事制限の必要性なし!

2015年04月10日


コレステロールは、重要な栄養成分であるにもかかわらず、“血液ドロドロ”の原因などの濡れ衣で悪者扱いをされ、摂取制限がいわれてきました。しかしながら、本年2月にアメリカの厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」から、「コレステロールは、過剰摂取を心配する栄養素ではない」との報告書が公開されました。即ち、食事と血清コレステロールの間には明らかな相関は無いので、食事制限は必要ないということなのです。なお、コレステロールが血管をつまらせる原因物質との説も、誤解なのです。

上記を議論するに当たって、最初にコレステロールの働きを示します。主な役割は、①細胞膜の原料、②ホルモンの原料、③胆汁酸の原料です。コレステロールが無いと、生命を維持する事が出来ません。また、
LDLコレステロールの役割はコレステロールを必要な場所へと運ぶ運搬係として重要で、悪玉と呼ばれるのは心外です。HDLコレステロールは、余分な分を持ち帰る係です。

 次に、何故にコレステロールが無実の罪で悪者扱いをされるか説明します。発端は、ウサギにコレステロールを与えたら、動脈硬化を起こしたとの実験報告でした。ここで良く考えてください。ウサギは草食動物であり、動物性のコレステロールは食べません。無理に与えれば具合が悪くなるのは当たり前ですし、このウサギの動脈硬化は血管の外側にできていたので、内側に付いて血管を詰まらせるとの根拠にはなりません。これは、食塩が高血圧の原因であるとした実験と同じ間違いです。ネズミに通常の20倍位の食塩(ヒトに換算すると、1日当たり約300g)を半年間摂取させた結果から導かれたもので、現実には有り得ない実験条件なのです。実際は、多めの食塩摂取が原因で高血圧になるのは極一部の人(塩感受性を持った人)だけで、他の大部分の人では食塩は尿中に排出されて高血圧になることはありません。(ただし、既に高血圧を発症している人や、腎機能が低下している人は、摂取制限が望ましい。)この様に、間違った実験結果からコレステロールが動脈硬化説の犯人として濡れ衣を着せられ、そのコレステロールを組織に運ぶLDLコレステロールが“悪玉”になったのです。LDLコレステロールは、決して悪玉ではなく、生命維持に必要な働きをしているのです。確かに、動脈硬化を起こした血管にはコレステロールの付着が認められるのですが、この付着は動脈硬化の炎症をコレステロールが修復していることが近年の研究で明らかになっています。コレステロールは無罪であり、善人なのです。

 コレステロールの約70%は、体内で合成されます。従って、食事から沢山のコレステロールを摂取した場合には吸収量を落とし、さらに合成量を調整するので、血中のコレステロール濃度は一定に保たれます。動物性の脂肪には体内で合成できない必須脂肪酸も含まれているので、高齢者も適量の動物性脂肪を摂取する必要があります。逆に、薬でコレステロールを下げ過ぎると、うつ病やアルツハイマー病に罹りやすくなることが報告されています。コレステロールは悪者ではありません。このブログでは何度も繰り返していますが、肉、魚、野菜、果物、米も、バランスよく食べることが、健康長寿の秘訣です。

正義(人間ドック学会の基準値)は力で潰された?

2015年04月01日


昨年の5月1日の本ブログで、人間ドック学会が新基準値を発表した記事を掲載しました。この基準値は、1万人以上の健康人のデータから導いたものですので、信頼に値するものです。例えば、血圧は147 mmHgまでと、これまでより高くなっています。血圧は、年齢とともに上昇するので、昔いわれていた「年齢+90は的を射ていますし、1987年の老人基本健診の高血圧の基準値は180 mmHgでした。健康に全く問題のない高齢者の約8割は、130 mmHgを超えています。現在の130 mmHgは若者の基準値であり、これを高齢者にあてはめるのは無理があります。

総コレステロールの基準値は、人間ドック学会の基準値では280 mg/dlまでとなっています。1990年の基準値は、250 mg/dlでした。その後、メバロチンという高脂血症薬が発売されたとたんに220 mg/dl にさげられて、今まで正常だった数百万人が一夜にして高脂血症という病名をいただいたのです。本来、基準値とは、健康な人の95%が入る範囲です。220 mg/dlでは高齢者の約半分は異常値扱いになってしまいますので、基準値とは言えません。

人間ドック学会の基準値は、今日(H27年4月)から使用するとのことでした。膨大なデータを基に算出した疑いようがない正義(人間ドック学会の基準値)は、いつの間にか潰されてしまっています。その理由は、医師会と製薬会社が絶大な力で潰しにかかった結果なのです。もしも、この基準値が使用されたなら、患者数は激減し、病院経営は火の車になりかねません。また、降圧剤は年間1兆円、高脂血症薬は4000億円を売り上げる製薬会社は、売上額激減で経営が圧迫されます。ですから、これまで製薬会社は大学の偉い御用学者の先生方に、年間4000億円もの研究費を寄付して、基準値を厳しくする(引き下げる)ことで患者を増やしてきたのです。人間ドック学会の新基準値の採用は死活問題ですから、医師会と製薬会社は全力で潰そうとする訳です。また、医療費の増加が財政を圧迫しているので、厚生労働省は人間ドック学会の基準値を実行すれば医療費削減が実現できるのですが、現実はできないのです。何故なら、医薬品会社の役員ポストは、お役人の天下り先です。製薬会社に儲けていただかないと、自分たちの老後の保障がなくなります。正義(人間ドック学会の基準値)は、金の力の前には無力なようです。テレビのように、正義の味方がいれば良いのですが。

医者のいうことは全て正しい、医者の薦める薬を飲んでいれば健康でいられる、と思っておられる方は、健康長寿は望めません。薬は必要最小限度にして、バランスの良い食事と適度な運動が、健康の基本です。(お勧めの本: 薬をやめれば病気は治るー岡本裕)。このブログをお読みいただいている方々は、少なからず私の主張に賛同いただいていると思っています。皆様方が、食事、運動、美露仙寿で健康長寿を実践し、私の主張が正しいことを証明してください。

線虫(寄生虫の仲間)がガンを見つける!

2015年03月20日

九州大学などの研究グループが、線虫(寄生虫の仲間)がガンの有無を見分けられることを発表し、数年後の実用化を目指しています。

線虫とは、寄生虫の回虫の仲間で、土壌中や水中に住むものなど多種います。遺伝子研究などに汎用されるエレガンス線虫は、土中に住み体長1mm位の虫で、寿命は3週間位です。

この線虫は、犬と同程度の嗅覚受容体を持っていて、好きな匂いに集まり、嫌いな匂いからは逃げる習性が確認されています。この習性により、がん患者の尿の匂いは好きなので寄ってくるのですが、健常者の尿の匂いは嫌いで逃げるので、その動きから約95%の高確率でガンの有無を判定できるのです。

現在用いられている代表的なガンの検知方法には、腫瘍マーカーやPET-CTなどがあります。汎用される腫瘍マーカーはCEA、AFP、CA-19-9、PSAなどです。PSAは、比較的早期の前立腺がんにも反応しますが、他のマーカーはある程度の進行後に陽性となるので、経過観察の指標としては有用ですが、初期段階でのガン発見の確率は低いといえます。PET-CTは、ガン細胞がブドウ糖を大量に消費することを利用して、目印を付けたブドウ糖がガン細胞に集まったところをCTで画像化するので、比較的小さいガンも発見できます。注意点は、CT撮影の際に胸部レントゲンの200~300倍位のX線を浴びるので、度々行うと逆にガンを誘発する可能性があることです。

現在進行中のガン発見方法は、マイクロRNA法やガン探知犬です。マイクロRNA法は、昨年の10月10日の本ブログでも紹介しましたが、ガンの発症によりタンパク質を作らない小さなRNAの種類や量が変化する事で測定します。1回の採血で13種類のガンを検査できるので、健診の際に有効利用できると考えられます。なお、検査費用は10<~15万円位ですので安くは有りませんが、色々な検査を受ける手間や費用を考えれば、納得できる金額といえます。ガン探知犬は、線虫と同じで、匂いでガンの有無を見分ける方法で、千葉県の「ガン探知犬育成センター」の探知犬は、ごく初期段階であっても、90%以上の確率でガンの有無をかぎ分ける能力を持っています。訓練に手間と費用が掛かり、1頭当たりの訓練費は約500万円ですが、沢山の探知犬が医療チームの一員として活躍すれば、ガン治療には有用な戦力に成り得ます。

今回の線虫を用いた方法は、尿を摂るだけで簡単に検査できることと、検査費用が数百円程度と格段に安いので、普及が望まれます。なお、科学者的な視点では、匂いの物質を同定して、分析器で測定できるようになると、さらに迅速に大量の検体が処理できて、費用も安くなると考えられるので、研究者の先生方には是非とも頑張っていただきたいと思っております。

(いつも、医療や製薬業界の批判の記事を書いていますが、医療の全てを否定している訳ではありません。真の健康作りではなく、不必要な投薬などで金儲けをしていることが納得できないだけなのです。この様な有益な研究をなされている先生方には敬意を持っておりますし、より研究が進むような環境整備や待遇改善などがなされることを祈っています。)

群馬大学病院の会見

2015年03月10日

  群馬大学病院の腹腔鏡手術について、病院が過失を認め、謝罪しました。報告書は、①手術前の検査が不十分、②執刀医の未熟な技術、③術後措置の不十分、が重なって8人が死亡したとの内容でした。一般的に大学病院などでは、患者の検査結果と今後の治療方針について、主治医は医療チーム内で十分な討論をしてから治療を行いますが、殆どがこの執刀医の独断で行われていたようです。しかも、手術は自分の能力をはるかに超えているのに、その自覚が全くありません。また、この医師は学会で「手術成績は概ね良好」と虚偽の発表していたので、患者を手術の練習台として扱い、患者の安全よりも手術の実績作りを優先したとみられても仕方がありません。他にも、“がん”と診断して手術したところ、“がん”ではないと判明しても遺族には知らせず、死亡診断書にも“がん”とうその記載をした例、術後に腹水が溜って救急外来を受診した患者を入院させず帰宅後に死亡した例など、多数の不手際が報告されました。医師としての適性を欠いているばかりか、人間としても問題があります。さらに、教授や病院の管理体制にもかなりの不備があるようです。上司の教授は、どのような手術がなされて、経過はどうか報告を受けて確認するのが常識です。ここまで気が付かないのは、通常はあり得ません。

 1月10日のこのブログで紹介したように、大学病院は名医中の名医が最高の医療を与えてくれる病院と思っている方も多いのですが、それは誤解です。大学病院の医師の目的は、研究論文を沢山書いて、教授になる事です。患者の治療に情熱を持っている医師は、出世できません。問題になっているような人間性の極端に歪んだ医師は稀ではありますが、一般世間との触れ合いが少ない狭い世界で生きているので、庶民の感覚と異なる医師も存在します。

 大切なのは、病気にならないように、普段からの健康管理です。何度も書きますが、バランスの良い食事と適度な運動が基本です。他には、楽しめる趣味や規則正しい生活などがあります。もちろん、美露仙寿もお勧めです。そして、病院の選び方の項で紹介しましたように、元気なときから信頼できる病院の情報を集めておきましょう。