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健康管理

健診データの読み方・考え方(1:検査前は絶食)

2019年04月01日

今日4月1日は、新学期・新年度の始まりです。私が講義を担当している短大では、毎年この日に健康診断があります。

本ブログは、知っていると役に立つ「健診データの読み方・考え方」について、今回からシリーズでお送りします。第1回は、何故に検査前は食事をしてはいけないかを説明します。

健診の前日は夜9時までには食事を済ませ、当日も食事をしないように注意があります。その理由を、上の図に示しました。血液検査では、中性脂肪や血糖値が上昇しますので、正確な判断が出来なくなります。食事の影響は長時間残りますので、前日の深夜まで飲食していると、当日に食事をしていなくても、中性脂肪や血糖値は影響されます。

また腹部の超音波検査(エコー)では、食べ物と一緒に空気が入るので、検査が不可になります。その理由は、超音波は空気で遮断されるためです。さらに、食事をすると膵液が分泌されて、膵臓が萎縮しますので、検査しても判定不能になってしまいます。

検査前に激しい運動をすると、筋肉細胞が壊れて中の酵素(CK:クレアチンキナーゼ)が血液中に出てくるので、結果としてCKが高値になります。検査当日は、運動も控えて下さい。

 

若者の約半数にヘッドホン難聴のリスク

2019年02月20日

世界保健機構(WHO)は、世界の12~35歳の人口の約半数にあたる11億人に難聴のリスクがあると指摘しています。これは、スマホやMP3などで大音量で音楽を聴く若者が増えているためです。ヘッドホンやイヤホンを使用して大ボリュームで音楽を聴くと、大きな音が直接に耳に入るために、ダメージを受けます。障害のはじめは高い音域が聞こえにくくなるのですが、普通の生活には支障が無いので気づかないことが多くあります。これを放っておくと、会話の音域まで聞こえが悪くなり、難聴に気がつくのです。一度傷害されてしまった聴力は、元に戻らないので要注意です。

予防法は、音量を小さくすることと、長時間連続で聞かないことです。音量は、ヘッドホンで音を聞きながら人と会話出来る位の音量です。時間は、ヘッドホンを使用して聞いた時間の3倍以上は耳を休ませることです。

ヘッドホンやイヤホンの使用では、難聴以外の危険性もあります。駅のホームや道路で大音量での音楽などにより、電車や車の接近に気がつかずに事故に遭遇する危険性です。音楽は、楽しく安全に楽しみましょう。

 

腸内細菌叢が認知症に関与

2019年02月10日

腸内細菌の「バクテロイデス菌」が少ない人は18倍も認知症になりやすく、逆に多い人は認知症の罹患率が10分の1に低下することを、国立長寿医療センターが発表しました。

腸内細菌は、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌、ウェルシュ菌やブドウ球菌などの悪玉菌、バクテロイデスや連鎖球菌などの日和見菌があり、健康な状況ではそれぞれ 2:1:7 の割合でバランスを保っています。バクテロイデスなどの日和見菌は、善玉菌と悪玉菌の内の強い方に味方する菌ですから、善玉菌を優位にしておくことが認知症予防に不可欠ということになります。その方法は、乳酸菌やビフィズス菌が含まれるヨーグルト、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品を献立に入れ、ウォーキングなどの適度な運動で腸を刺激することです。

長寿社会を生きていくには、健康寿命を延ばして、介護無しで自活出来る健康状態を維持しましょう。

 

タバコが子供の誤飲事故の最多原因

2019年01月20日

子供の誤飲事故(2017年度中)を分析した結果、タバコが23.0%(640件中147件)を占め、4年連続最多原因であることが厚生労働省から発表されました。2番目は医薬品で14.4%、次いで食品類、プラスチック製品、玩具でした。

誤飲事故の子供の年齢は生後6ヶ月から1歳以内が最も多く、タバコの誤飲事故の殆どの事例では家庭内に喫煙者がおり、家の中に置いてあるタバコや灰皿の吸い殻を口にしたケースでした。子供がタバコを誤飲した場合には、半分~1本で死亡する場合もある程に毒物ですので、急いで胃の中を洗浄する処置を行います。

子供は生後半年くらいになると物がつかめるようになり、何でも口に入れようとします。子供がタバコの誤飲事故にさらされている危険性を認識して、卒煙を考えましょう。前回のブログでも示したように、喫煙は遺伝子を変異させてがんの発症を誘発します。卒煙はご本人の健康管理にもつながります。(タバコと酒で食道がんのリスク喫煙で遺伝子変異

 

謹賀新年

2019年01月01日

謹んで新春をお祝い申し上げます。

旧年中は本ブログに沢山のアクセスをいただきまして、有り難うございました。

本年も皆様の健康増進に役立つ記事を掲載しますので、ご愛読ください。

本年も皆様が御健勝で御多幸でありますよう、心からお祈り申し上げます。

平成三十一年 元旦