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安楽死を認めるべきか?

2014年11月10日

11月1日、アメリカの29歳の脳腫瘍の女性が安楽死しましたが、その行為は賛否両論の議論になりました。人は、どんなに高度な医療を受けたとしても、永遠に生きることはできません。その死が、老衰のように安らかなものであり、家族に見守られての臨終であれば幸せなことですが、必ずしもそうではありません。この女性のように、“末期がん”の場合には、しばしば壮絶な痛みが伴います。その時に自ら死を選択することに対して、反対することが出来るのでしょうか?もし、自分がその立場だったら、どうするのでしょうか?もし、それが愛する家族であったなら、苦しみながらも生を全うすべきでしょうか?家族には生きていて欲しいと思う反面、苦しみをみるのは非常につらいことなので、死によって楽になった方が本人の幸せではないかとも思います。どちらの考えが正しい答えなのかは、いくら議論しても結論に達しないと思います。何故なら、立場の違いによって、導かれる答えが違うからです。

アメリカでの安楽死の反対意見の理由の1つには、宗教が挙げられます。アメリカ人の多くはキリスト教です。キリスト教の場合は、自ら命を絶つことは、末期がんであっても教義に背くことになるのです。信仰は自由ですので、この方たちは教義のようにすればよいと思います。同じ海外であっても、フランスの尊厳死協会によると、96%の方が積極的安楽死を望んでいるそうです。しかし、フランスは日本と同様に安楽死の法律は有りませんので、耐え難い苦しみがあったとしても、医師による安楽死はできません。安楽死を望む人は、合法化された国(フランスの場合は、隣国のスイスなど)へ行くことも、珍しくは有りません。

日本での考えはどうでしょうか?死と間近で向き合っている医療関係者の考えは、賛否両論あるものの、安楽死の合法化を支持する方も多いと思います。何故ならば、彼らは患者の壮絶な苦しみを日常的に目の当たりにしているので、自分や家族がこの状態になったなら、死の選択の方が幸せと思い、自分の最後は自分で決める権利があると考えるようになっているのでしょう。

しかしながら、私がこの会社に来てから、病院で末期がんの余命宣告をされた患者が美露仙寿で社会復帰まで回復された事例を何人も経験しました。従って、安易に安楽死を受け入れず、回復に向けて最善の努力をすることは不可欠です。その上で、耐え難い痛みとの戦いになった時には、本人の意志が尊重されるべきでしょう。皆様は、如何お考えでしょうか?

安楽死と尊厳死の違い:苦痛を長引かせないことを主眼に、人為的に死なせるのが安楽死。薬物を使うなどして死期を早めるものを積極的安楽死、積極的な治療の中止によるものを消極的安楽死と呼ぶこともある。尊厳死は患者の意思に基づいた死期の決定で、患者の意思による延命治療の中止を尊厳死と呼んでいる。

 

年金受給開始年齢

2014年05月20日

老後の生活に欠かせない公的年金の受給開始年齢は、以前は60歳だったものが、現在は65歳に引き上げられています。また、70歳まで遅らせると受給率が約4割アップする選択性があります。さらに、現在はこの受給開始年齢を選択的に75歳まで遅らせる検討をしています。男性の平均寿命は80歳ですから、もしもこの案が実行されたら、年金を受け取れるのはわずか5年になります。これは、政府ができるだけ年金を支払いたくないとの意志表示のように受け取れます。

還暦を過ぎた私には、若い時は忙しい思いをしてきたのだから、20年に満たない余命は、時間的と金銭的に少しは“ゆとり”をもって過ごしたいとの希望があります。しかしながら、政府には期待できないようなので、元気で働くことしか選択肢が与えられていないようです。

仕事を継続していくためには、病気をせずに元気でいることが必須条件ですし、特に私の場合は“健康の見本”でなくてはならない立場です。そんな私の健康法は、いつも講演で話しているように、①規則正しい生活、②バランスの良い食事、③適度な運動、を実行しています。①では、朝は5時半頃起床し、夜10時半頃には就寝。土日の休みの日も同じペースです。②は、朝と昼はしっかりと食べて、夜は控えめ。晩酌は週に3~4日で酒1合程度。③は、仕事帰りにプールによって1000m以上泳いでいます。このような生活パターンで、常に理想体重に保ち、美露仙寿を2~3本程度飲んでいますので、健康診断の結果は至って良好です。

このブログをお読んでいただいている皆様も、ぜひ私の健康法を参考にして、病気と無縁の毎日をお過ごしください。そして、健康は周りの方々にも分けてあげることが、自分の幸せにつながります。“健康の輪”が広がって、あてにならない年金に期待せず、老後も自活できる生活がしていけることを願っています。

 

 

基準値(正常値)のウソが修正される?

2014年05月01日


これまで、健康診断の基準は厳しすぎて、健康人を病人にしていると書いてきました。即ち、正常な検査結果を異常値と判定して、健康人を病人にすることにより、必要のない治療や投薬をして病院や製薬会社が儲けていたのです。私の主張が真実であることを証明したのが、2014年4月5日付朝日新聞1面の「『健康』の基準緩和─血圧・肥満度・コレステロール(人間ドック学会)」というタイトルの記事です。

血圧の基準値(正常値)は、年齢に関係なく130 mmHgとされてきましたが、これは若者の値であって、健康な高齢者は140~150 mmHg位あるのです。1987年の高血圧の基準値は180 mmHgだったのをご存知でしょうか?その後、50 mmHgも引き下げて130 mmHgにし、健康な高齢者に降圧剤を飲ませていたのです。なお、血圧は年齢とともに変化するので、本来は年齢別に基準値を作るべきなのです。

肥満に関しては、BMIが肥満と判定される25~26位が長生きであることは統計学的解析から明らかだったのですが、今回は男性が27.7で女性が26.1まで上がっています。ただし、一番病気が少ない体型は男女ともにBMI=22ですので、健康で長生きするには22から25位が適当と考えられます。なお、腹囲の男性85 cm、女性の90cmは全く医学的が根拠がありません。

コレステロールは、男性254 mg/dlまで、女性は280 mg/dlまでを基準値(正常値)としました。昔の基準値は250 mg/dlでした。メバロチンというコレステロールを下げる薬が発売されると同時に、基準値が220mg/dlに変更されていたのです。この基準値では、半分以上の中高年が異常値になります。要するに、薬を飲ませるために基準値を引き下げていたのです。コレステロールは、細胞膜やホルモンの原料となる大切な栄養成分なので、薬で下げすぎると健康を害するのです。

また、LDLは悪玉と宣伝されてきました。実際は、LDLはコレステロールを組織に運ぶ大切な役割をしているので、これまでの基準値を超えた値の人の方が長生きしているのです。LDLは決して悪玉ではないので、今回の大幅な上方変更は当たり前です。

学会はこの新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定です。
製薬会社から研究費という名目でワイロを受け取っている御用学者が、薬を沢山売りたい製薬会社と結託したウソの数々が、少し改善されるようです。