健康クイズ ③  食事と健康

2018年03月20日

健康クイズの第3回目は、健康の基本である食事に関する問題です。

*************************************

問題① 痩せは

a.  健康で長生き

b.  病気しやすく短命

 

問題② 朝食抜きは

a.  痩せやすい

b.  太りやすい

 

問題③ 小児の肥満は成長すると

a.  肥満が残る傾向がある

b.   改善する

 

問題④ アルコールは

a.  肥満とは関係ない

b.  エネルギーに変換され肥満のもとになる

 

問題⑤ 肥満と血圧の関係は

a.  関係ない

b.  肥満で血圧が上昇

 

問題⑥ 痩せの大食い(ギャル曽根、もえアズなど)が肥満しないのは

a.  栄養分が吸収されにくい特異体質

b.  トクホのウーロン茶やコーラを飲んでいる

 

問題⑦ 肥満解消には

a.  キャベツダイエット、リンゴダイエット

b.  多種類の食べ物でカロリーは制限

 

問題⑧ 肥満解消の減量は

a.  短期間で行う

b.  月に1~2kg位ずつ

 

問題⑨ 卵の摂取でコレステロール値は

a.  影響ない

b.  上昇する

 

問題⑩ 健康増進のための糖質制限とは

a.  糖質ゼロを目指す

b.  栄養摂取量の約50%に調整

*************************************

正解① 痩せは

b. 病気しやすく短命

BMIが18.5以下の痩せ体型は、免疫力が低いので病気しやすく、体力の蓄えが少ないので短命です。病気になる可能性が最も低く健康な体型は男女ともにBMI=22で、長生きなのはBMIが25前後の小太り体型です。従って、健康で長生きするためには、BMI=22~25位の体型がベストですので、食事と運動でコントロールしましょう。

 

正解② 朝食抜きは

b.  太りやすい

朝食を抜いて昼と夕食の2回は、朝昼夕の3食よりも太りやすい傾向があります。相撲取りは太るために、朝と昼の兼用食と夕食の2食にしています。

 

正解③ 小児の肥満は成長すると

a.  肥満が残る傾向がある

小児の肥満は、脂肪細胞の数を増やし、大人になってもその傾向が残りやすいのです。小さいときから食生活を管理して、肥満を避けましょう。

 

正解④ アルコールは

b.  エネルギーに変換され肥満のもとになる

アルコールは3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)ではありませんが、エネルギーに変換され体内に蓄積されて肥満の元になります。アルコールは、1グラムあたり7.1キロカロリーなので、ビール中瓶(500ml)のカロリーは200kcalになり、ご飯1杯(100g=160kcal)よりも多いのです。また、アルコールは食欲増進作用もあるので、食べ過ぎて肥満する傾向が出ます。要注意!

 

正解⑤ 肥満と血圧の関係は

b.  肥満で血圧が上昇

肥満すると、体重1kg当たり血圧は2mmHg程度上昇します。肥満体で血圧が高めの人は、食事療法と運動療法で減量することで改善が期待できます。安易に薬に頼らず、食事と運動を試しましょう。

 

正解⑥ 痩せの大食い(ギャル曽根、もえアズなど)が肥満しないのは

a.  栄養分が吸収されにくい特異体質

桁違いの大食いでも太らない体質は、食べたものを素早く胃から腸へ送り、栄養分を少ししか吸収しないで排泄する特別な体質です。特保のコーラやウーロン茶の栄養吸収阻害作用は、気休め程度の小さなものです。

 

正解⑦ 肥満解消には

b.  多種類の食べ物を摂るがカロリーを制限

キャベツダイエットやリンゴダイエットなどのワンフードダイエットは、栄養成分がかたより健康を害することと、変化の少ないことで飽きて失敗します。栄養バランスは崩さずに、食事全体のカロリーを制限する食事にしましょう。糖尿病の食事療法は、糖尿病のみならず一般の人の食事の基本になります。さらに、運動療法も組み合わせることで、効果が大きくなります。

 

正解⑧ 肥満解消の減量は

b.  月に1~2kg位ずつ

短期間で急激に減量すると、精神的ストレスが溜まることで挫折してリバウンドする可能性が高まります。また、急激すぎる体型変化は身体への負担となり、寿命を縮める場合もあります。月に1~2kg位ずつ、無理なく減量することが成功の秘訣です。

 

正解⑨ 卵の摂取でコレステロール値は

a.  影響ない

食事から摂取するコレステロールは全体の20~30%程度で、残りの70~80%は体内で合成されます。卵でコレステロールの摂取量が増えた場合は、合成量が減るので、全体量は変化がありません。

 

正解⑩ 健康増進のための糖質制限とは

b.  栄養摂取量の約50%に調整

3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のうち糖質を65%以上摂取すると、血糖値の上昇や肥満などを招くので、50~55%程度に制限すべきです。糖質はゼロまで減らすことが糖質制限と勘違いしている人がいますが、制限しすぎると栄養バランスを崩し健康を害します。

*************************************

いかがでしたか?健康長寿のために、備え(勉強)あれば憂い(病気)無しです。バランスの良い食事と、適度な運動が、健康維持には不可欠です。

健康クイズ ② 糖尿病

2018年03月10日

健康クイズの第2回目は、患者数が多い糖尿病に関する問題です。予防や改善のためにお役立てください。

*************************************

問題①  日本人は2型糖尿病に

a.  なり易い

b.  なりにくい

 

問題② 肥満は糖尿病に

a. なり易い

b. 関係ない

 

問題③ 小児の糖尿病(1型糖尿病)の原因は

a.  不摂生な生活

b.  免疫疾患

 

問題④ 糖尿病患者は尿糖が

a.  常に陽性

b.  コントロールが良い時は陰性

 

問題⑤ 糖尿病で尿量は

a. 血糖値が高いと増える

b. 特に関係は無い

 

問題⑥ HbA1c(糖化ヘモグロビン)は

a.  その日の平均的血糖値を反映

b.  1~2ヶ月前の平均的血糖値を反映

 

問題⑦ 糖尿病で食事療法が必要な理由は

a.  少なくなったインスリンの量に食事量を合わせる

b.  食費を節約して薬代にする

 

問題⑧ 糖尿病でトクホのウーロン茶やコーラを飲んだ場合

a. 沢山食べても構わない

b. 食事療法を守る

 

問題⑨ 糖尿病で運動は

a.  疲れるからやらない

b.  毎日の習慣にする

 

問題⑩ 糖尿病患者は

a.  高血圧になり易い

b.  血圧とは関係ない

 

*************************************

正解① 日本人は2型糖尿病に

a.  なり易い

日本人の祖先は農耕民族なので、栄養価の低い農作物で生き延びられる体質になっていて、インスリンの分泌量が少ないのです。現代の高カロリーの食事は沢山のインスリンが必要なので、インスリン分泌する膵臓が疲れてしまい、糖尿病を発症し易い傾向があります。

 

正解② 肥満は糖尿病に

a. なり易い

肥満では、白色脂肪細胞が増加して、インスリンの伝達を妨げる物質(TNF-α)やインスリンを働きにくくする物質(レジスチン)などが分泌されます。インスリンの効きが悪くなるので、沢山のインスリンを分泌しなければいけなくなり(高インスリン血症)、膵臓が疲れてしまい糖尿病を発症します。糖尿病以外でも、肥満では高血圧や高脂血症など、多くの疾患を発症し易くなります。

 

正解③ 小児の糖尿病(1型糖尿病)の原因は

b.  免疫疾患

糖尿病には、1型と2型があります。2型糖尿病は、全体の約95%を占め、不摂生な生活とストレスなどで発症します。主に小児にみられる1型糖尿病(約5%)は、自己免疫疾患が原因で、外敵を攻撃する免疫が自分の膵臓を敵と勘違いして攻撃して破壊してしまうことで発症します。治療は、インスリン注射が必須です。

 

正解④ 糖尿病患者は尿糖が

b.  コントロールが良い時は陰性

尿中に糖分が排泄されるのは、血糖値が170 mg/dl以上になったときに、超えた分だけ排泄されます。糖尿病患者でも、血糖値を170 mg/dl以下に良好にコントロールしていれば、尿糖は陰性です。

 

正解⑤ 糖尿病で尿量は

a. 血糖値が高いと増える

血糖値が高ければ高いほど、それを薄めようとして周りの細胞から水分を奪います。血液中に増えた水分は尿として排泄されるので、尿量が増えます。水分を奪われた細胞は、干からびないように、喉が渇いたというサインを出して、水を沢山飲んで補充するので、多飲多尿になります。

 

正解⑥ HbA1c(糖化ヘモグロビン)は

b.  1~2ヶ月前の平均的血糖値を反映

HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンに糖が結合したものです。この結合反応は、赤血球が生まれてから壊れるまでの寿命である120日間直線的に進行します。血液中の赤血球は、生まれたばかりから120日たったものまでが均等に含まれるので、60日(約2ヶ月)前の平均的血糖値が反映されます。

 

正解⑦ 糖尿病で食事療法が必要な理由は

a.  少なくなったインスリンの量に食事量を合わせる

健康なときは、食べた量に合わせてインスリンが分泌されます。糖尿病では、インスリンの量が少なくなっている(または効果が低下)ので、インスリンに合わせて食事量を調整します。

 

正解⑧ 糖尿病でトクホのウーロン茶やコーラを飲んだ場合

b. 食事療法を守る

トクホのウーロン茶やコーラを飲むと、沢山食べても問題が無いようなイメージのCMが見受けられます。しかし、これらの飲料で抑制できるのは微々たるものなので、効果を過信して多く食べてしまうと、逆効果になります。食事療法(カロリー制限)を守らなければいけません。

 

正解⑨ 糖尿病で運動は

b.  毎日の習慣にする

運動療法は、食後高血糖を抑えて血糖コントロールをよくすることや、運動を継続することでインスリンの働きをよくします。ただし、合併症がある場合は逆効果になる場合がありますので、担当医の指示に従って下さい。

 

正解⑩ 糖尿病患者は

a.  高血圧になり易い

血糖値が高くなると、正解⑤で述べたように、細胞から水分を引き込むことで血管内の体積が増えるので、血圧が上昇します。他にも、脂質の代謝も低下するなど、様々な疾患を起こしやすくなります。

*************************************

糖尿病の予防と管理には、バランスの良い食事と適度な運動が不可欠です。この知識を武器に糖尿病に勝利しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

健康クイズ ① 冬に多い疾患

2018年03月01日

健康長寿には、知識が必要です。本ブログの読者の方々は、普段から勉強されていることでしょうが、このクイズで確認してください。

*************************************

問題① 風邪やインフルエンザの感染予防のうがいは

a.  ヨードのうがい薬でないと効果が無い

b.  水道水でOK

 

問題② 風邪やインフルエンザの感染予防には

a.  こまめに水をのむ

b.  1日1本の栄養ドリンク

 

問題③ 風邪やインフルエンザの感染予防には歯磨きが

a.  有効

b.  関係ない

 

問題④ 風邪やインフルエンザには抗生剤が

a.  効く

b.  効かない

 

問題⑤ 風邪やインフルエンザで熱が38度近くになったら

a.  解熱剤で平熱まで下げる

b.  暖かくして休む

 

問題⑥ インフルエンザの予防注射をすると

a.  感染することは絶対にない

b.  感染する確率が低くなるだけ

 

問題⑦ インフルエンザに感染して回復すると

a.  免疫ができるので二度と感染しない

b.  再度感染する可能性はある

 

問題⑧ ロタウイルスで下痢したら

a.  下痢止め薬を飲む

b.  排便する

 

問題⑨ ロタウイルスで下痢したら

a.  水分を控える

b.  水分を補給する

 

問題⑩ ロタウイルスで下痢した時に良い飲み物は

a.  栄養のある牛乳

b.  スポーツドリンク

**********************************************************************************************

正解① 風邪やインフルエンザの感染予防のうがいは

b.  水道水でOK

うがい薬と水道水のどちらが感染予防効果があるかを研究した京都大学での結果は、水道水の方が感染率が低く予防効果があるという報告でした。その理由は、うがい薬のヨードは殺菌性の効果の裏側で、喉の粘膜を傷つけてしまうことや、口内の常在菌のバランスが崩れて、感染を引き起こしやすくなるのです。毎日のうがいは、水道水でOKです。

 

正解②   風邪やインフルエンザの感染予防には

a.  こまめに水をのむ

喉には細菌やウイルスなどの外敵を体外に排泄する繊毛があるのですが、水分を摂り湿らすことで機能がアップします。飲水時に、喉に付着している細菌やウイルスが胃に流れ込んでも、胃液の強酸で死んでしまいます。

 

正解③ 風邪やインフルエンザの感染予防には歯磨きが

a.  有効

歯周病の原因菌のひとつであるグラム陰性菌が出す毒素で粘膜が破壊され、風邪やインフルエンザの病原菌がとりつきやすい環境がつくられます。実際、65歳以上の在宅介護者190名を対象にした調査で、正しい口腔ケアを行うと、インフルエンザ罹患率が10分の1になったと報告されています。歯磨き、歯間ブラシ、糸ようじで口腔内を清潔にしましょう。

 

正解④ 風邪やインフルエンザには抗生剤が

b.  効かない

抗生物質は細菌を殺す薬剤なので、ウイルスには効果はありません。風邪の約9割は、ウイルス感染が原因です。インフルエンザもウイルスなので、抗生物質は効果がありません。

 

正解⑤ 風邪やインフルエンザで熱が38度近くになったら

b.  暖かくして休む

罹患して発熱するのは、熱に弱いウイルスを弱らせているのと、免疫を担当する白血球の活性を上昇させるためです。例えば、体温を36.5℃から37.5℃に1℃上昇すると、免疫力は5~6倍上昇します。従って、解熱剤で平熱まで下げてしまうと、回復が遅れることになります。インフルエンザの場合には、これ以上に発熱することが多いので、解熱剤を使用して38℃くらいにまで下げることはOKです。使用には担当医の指示を受けて下さい。

 

正解⑥ インフルエンザの予防注射をすると

b.  感染する確率が低くなるだけ

インフルエンザのワクチンは、感染の確率を約50%程度低くする効果はありますが完全ではなく、接種しても発症する場合もあります。ワクチンを接種しても発症する因子は、①接種したワクチンが感染したウイルスと異なるタイプの場合。②感染予防の効果は、接種後約2週間から6ヶ月の期間のみなので、接種直後や半年以降は効果は無い。③接種による免疫がつきにくい体質などが考えられます。特に、子供は免疫がつきにくいので、2回の接種が必要です。

 

正解⑦ インフルエンザに感染して回復すると

b.  再度感染する可能性はある

インフルエンザウイルスにはA型とB型があり、それぞれに有効な抗体が違います。ひとつのシーズンにA型とB型のインフルエンザにそれぞれ感染することがあります。また、インフルエンザウイルスは毎年のように変異するため、抗体が有効なのはそのシーズンの間のみです。

 

正解⑧ ロタウイルスで下痢したら

b.  排便する

下痢の症状は、ロタウイルスのような有害な外敵を、下痢便として体外に排泄しています。下痢止め薬の使用は、有害な外敵を体内に留めておくことになるので、症状は悪化します。尚、下痢便の中には大量のウイルスが存在しますので、感染をしないように処理して下さい。

 

正解⑨ ロタウイルスで下痢したら

b.  水分を補給する

下痢便として多量の水分が失われますので、その分を補給しないと脱水状態になってしまいます。特に、子供は大人よりも水分量が必要ですから、十分な量の水分補給が必要です。

 

正解⑩ ロタウイルスで下痢した時に良い飲み物は

b.  スポーツドリンク

真水よりも電解質を含んだスポーツ飲料の方が体内への吸収率が大きく、効果的です。また、下痢では水分と共にカリウムが失われます。スポーツ飲料やリンゴジュースなど、カリウムを含む飲料が有効です。

*************************************

何問正解できましたか?理由まで答えられれば完璧です。次回も続きます。