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薬・副作用

抗生剤で肥満児

2016年08月20日

2歳までに抗生剤を3回以上飲んだ子供は、4歳時点で肥満児になり易いという研究が、胃腸の専門誌「Gastroenterology、2016年」に発表されました。

抗生剤は、細菌感染の治療に用いられていますが、人への投与量よりも2倍以上の量が食用の家畜へ使用されています。その目的は、食用家畜の感染を防ぐことに加え、抗生剤が成長を促進するので、より大きな状態で早く出荷できることが経験的に知られているためです。その機序として、マウスに抗生剤を投与された場合は、腸内細菌のバランスが変化して、10~15%も太ることが確認されています。

抗生剤と肥満2

同様の現象が、人にも起きていると考えられます。小児の時期の抗生剤の使用は、腸内細菌のバランス変化が体質として残りやすいために、肥満児になる傾向があると考えられます。この時期の肥満は、将来の生活習慣病を誘発します。抗生剤は、感染症の治療には不可欠なのですが、その使用は必要最低限にすることが望まれます。

超高額抗がん剤“オプジーボ”の使用は如何にあるべきか?

2016年08月01日

これまでの抗がん剤の主流は、増殖の速い細胞をがんと認識して攻撃するので、比較的増殖の速い腸や胃などの消化器や造血組織もダメージ(副作用)を受けていました。従って、効果よりも副作用の方が大きく、逆に寿命を縮める症例が多いのが現状でした。

オプジーボのがん細胞への攻撃機序は、上記とは全く異なるものです。すなわち、がんが発症すると、がん細胞表面の異常なたんぱく質(がんペプチド)をがんの目印として、免疫細胞(キラーT細胞)が攻撃します。しかし、がん細胞はキラーT細胞から攻撃されないようにPD-L1という物質で防御するので、免疫(キラーT細胞)が作用せずにがんが発症・進行してしまいます。オプジーボは、がん細胞のPD-L1が働かないようにする作用があるので、キラーT細胞ががん細胞に攻撃を加えて、がんを縮小・治癒させます。

オプジーボ2

その効果は、皮膚がんのメラノーマでは完全奏効(完治)が2.9%、部分奏効(一部に効果あり)が20.0%の合計22.9%で、一定の効果が認められています。全部のがんの全生存期間中央値をこれまでの抗がん剤のドキタセル(9.4ヶ月)と比較すると、オプジーボでは12.2ヶ月で、約3か月の延命が認められます。なお、PD-L1発現患者でオプジーボが有効と認められる患者では17.2ヶ月で7.8ヶ月延長されます。(この程度の完治率と延命効果でも画期的といえるということは、今までの抗がん剤が薬ではなく毒であるという意味にとれますが、読者の皆様は如何お考えでしょうか?)

副作用の頻度は、これまでよりはるかに少ないとのことですが、免疫の過剰反応(暴走)で間質性肺炎、重症筋無力症、1型糖尿病、甲状腺機能障害、各種臓器不全などの重篤副作用があり、950症例中103例(10.3%)が死亡または未回復(メーカー報告)です。特に、各種免疫療法(NK細胞療法、ワクチン療法など)との併用は危険で、死亡例が複数例報告されています。

上記の効果に対するオプジーボの薬剤費は、1ヶ月で300万円なので年間薬剤費は約3600万円になりますが、高額医療費還付制度を利用すると月6~10万円程度の支払いになります。オプジーボは、最初に患者の少ない皮膚がんで認可され、次いで肺がんに適用拡大されましたが、肺がんの新規患者は年間11万人と多いので、仮にこの内の5万人が使用すると薬剤費は1.8兆円になります。13年の医療費総額は40兆円で、うち高額医療費は2.2兆円ですので、これにオプジーボの高額医療費が加算されます。この金額では、近い将来に多くの健保組合が破たんの道をたどる可能性があります。

以上をまとめると、オプジーボの薬剤費は年間約3600万円で、完治するのが2.9%(100人中3人以下)、一部改善が20%(100人中20人)ですが、副作用があった場合に死亡するのが10.3%(100人中10人以上)になります。この抗がん剤は、費用対効果を考えて如何に使用されるべきでしょうか?患者全員に保険適用で使用すれば健康保険組合が破たんして、他の患者の治療に支障が出ます。全て自費にした場合には富裕層のみに限られて、一般庶民は恩恵を受けられなくなります。私見ですが、オプジーボの有効性の有無の判定方法の開発が急務と考えます。効果のある患者は約2割で、残りの8割は全く効果が無い患者です。オプジーボの使用を薬効の期待できる患者に絞ることで、医療費の増加を抑えてより有効活用できると考えられます。また、製薬会社は利益追求で薬品代を高く設定していますが、ノーベル医学賞の北里大学:大村先生が多くの患者のために薬剤を開発したように、“医は仁術”の精神で安く提供していただきたいです。

新薬の副作用調査で不正

2016年05月20日

製薬会社の「帝人ファーマ」で、医師が記入すべき新薬の副作用などの調査票を営業担当者が代筆の不正をしていたことが明らかになりました。前々回のC型肝炎治療薬の記事で、「治験で都合の悪いデータを握りつぶすのは、製薬会社の常とう手段」と書きましたが、新薬開発での不正は昔から行われていることで、病院関係者の間では周知の事実です。2年前にも、ノバルティスの降圧剤「ディオバン(一般名バルサルタン)」が脳卒中の発症抑制があるとのデータ改ざんが行われ、刑事告発さています。

では、何故に不正が行われるのでしょうか?その答えは、新薬開発の成否が会社の存亡にかかわっているからです。一般に、製薬会社の研究開発費の割合は20%前後と一般企業の数倍で、新薬開発の成功率は1万の候補物質から1つ程度と極めて低いのです。さらに、1つの新薬開発の平均費用は数十億~数百億円、開発期間は10~20年を要します。しかし、開発された新薬が画期的なものであれば、数千億円以上の利益を生み出します。従って、製薬会社の社員は、新薬の効果がより高く、副作用はより少ないと見せかけたいのです。

新薬とジェネリック

患者さんの中には、新薬は現行薬よりも効きが良くて副作用が少ないと信じている方も多いのですが、発売されてから隠蔽されていた重篤な副作用が発生することはしばしばです。従って、発売から2~3年経過して、一般病院での効果や副作用情報が報告されてからの使用の方が賢明なのです。また、多くの患者さんでは安価なジェネリック薬で問題ありません。最も良いのは、食事療法や運動療法で抵抗力や回復力を高め、薬は最低限しか使わないことです。

C型肝炎治療薬ハーボニーは100%ではない?

2016年05月01日

肝炎で入院する原因は、アルコールを想像する方が多いとおもいますが実際は1割以下で、ウイルス性が約 8 割と圧倒的に多いのが現状です。ウイルス性肝炎の中でも、C型は慢性化率が高く、肝がんの原因の7~8割を占めています。C型肝炎ウイルスの種類は、主に1型と2型がありますが、日本人に多い1型ウイルス(約7割)はインターフェロンが効かない難治タイプでした。

肝がんの原因

1型のC型肝炎ウイルスの特効薬として登場したのがハーボニー配合錠で、C型肝炎ウイルスのRNA合成を阻害する薬剤です。1日に1錠(1錠当たり8万円)を3か月間服用(8 x 90 = 720万円)することで、治験では100%の著効率を謳っており、C型肝炎治療の特効薬として昨夏に保険適用されました。

ハーボニー 2

その後、この薬剤を用いて治療を行っている病院での報告が聞かれるようになりましたが、治癒率は100%ではないようです。A病院の例では、ウイルスが消えた後に再燃した患者は数%でした。なお、K病院の40人の患者では、ウイルスが消えた後に肝がんの発症が2人確認されています。この症例は、治療時点で初期がんがあったものと考えられます。

病院の報告から、ハーボニー配合錠は、これまでの治療薬と比較すると極めて高率にC型肝炎を治癒できるのですが、一部の患者ではウイルスの再燃が有るので、治癒率は100%ではないと推測されます。治験で都合の悪いデータを握りつぶすのは、製薬会社の常套手段ですから、再燃の患者がある程度存在することを念頭に入れておいた方がよさそうです。従って、治療後も免疫力を高く維持しておくことが不可欠であり、一定期間は再燃や発がんのないことの確認のための定期検査が必要と考えられます。

 

薬の副作用死

2016年01月20日

1月12日に厚生労働省は、降圧剤(血圧降下剤)として使われている「アジルサルタン」、「アムロジピンベシル酸塩」を含む製剤で、横紋筋融解症などを18人が発症し、重い肝障害である劇症肝炎で2人が死亡したことを発表しました。血圧が少々高くても、直ぐに死亡に至ることはありません。しかし、この方たちは薬を飲んだために人生を終えることになったのです。これは氷山の一角であり、実際には多くの薬による副作用死が存在します。

薬は両刃の剣で、効果の反対側に必ず副作用があります。アメリカでは年間の処方箋が約30億件で、その内の約10万人が副作用で死亡しています。日本では薬の副作用で亡くなった人数は発表されていませんが、処方箋数は約13億件くらいですので、アメリカでの死亡比率から計算すると約4.3万人が副作用で死亡していると推計されます。交通事故の死亡者数は年間で4500名くらいですから、薬の副作用死は約10倍も危険性が高いことになります。 両刃の剣 薬の副作用死は、普段に薬局で購入している風邪薬や抗生物質でさえも危険を含んでいます。この重篤な副作用として知られているのが、スティーブンス・ジョンソン(SJS)症候群です。発症のメカニズムは不明ですが、殆どの原因は抗生物質、抗てんかん薬、非ステロイド性抗炎症薬、風邪薬など千種類以上の医薬品が知られています。初期症状は発熱、咽頭痛などで風邪のような症状ですが、進行すると紅斑や高熱がでます。致死率は約10%です。他には、抗がん剤が挙げられます。表面上は、がんによる死亡ですが、実際には抗がん剤の副作用で命を短くしているケースの方が多いのが現状です。(2014年2月10日、2月20日、3月10日の本ブログをご覧ください。)

本ブログでは、毎回のように薬は最小限度にすべきことを書いています。バランスの良い食事、適度な運動、規則正しい生活を心がけ、薬に頼らない健康維持を心がけましょう。

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