睡眠不足で肥満

2017年02月20日

睡眠時間が不足すると肥満になる仕組みを、筑波大学と早稲田大学の研究チームがそれぞれ報告しています。筑波大学はレム睡眠との関係を、早稲田大学は食欲抑制ホルモンとの関与を示しており、両研究チームは異なる仕組みではありますが、結果として睡眠不足が肥満になる結果を導いています。

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筑波大学の研究では、睡眠不足の人と十分な睡眠時間をとっている人を比べると、睡眠不足の人は高カロリーの食品をたくさん食べて肥満になり易くなることに注目しています。その原因としているのが、睡眠不足の場合は夢を見る浅い眠り(レム睡眠)が減少して、脳の前頭前皮質(思考や創造性を担う脳の中枢部分)の働きに影響を与えることで、砂糖や脂質などの高カロリー食材を過剰に食べたくなる仕組みです。

早稲田大学の研究では、睡眠時間が7時間と半分の3時間半のグループの食欲に関するホルモンを測定しています。その結果、睡眠時間が短いグループでは食欲を抑えるホルモンが減少することで、空腹感が増す結果となっていました。短い睡眠時間の場合は、空腹感から食事量が増えることで肥満につながるのです。

本ブログの2015年8月20日と9月1日の「睡眠と健康」でも書きましたが、睡眠不足では子供は学力低下、大人は糖尿病や心疾患などに罹患する確率が上昇することが知られています。女性では、肌の回復力が低下して肌荒れを起こしやすくなります。健康と美容のために、早寝早起きで十分な睡眠がとれるように心がけましょう。

 

 

 

乳がん検診:マンモグラフィーの問題点

2017年02月10日

最近の小林麻央さんや北斗晶さんの闘病の報道で、乳がんへの関心が高まっています。乳がんは、女性のがんでは罹患率が最も高く、女性の全がん患者数(約422,000人)の21%(約89,000人)に達しています。乳がん患者の中で不幸にして亡くなるのは、16%(約14,000人)です。

全快する方が多い中で、亡くなる方との違いは何処にあるのでしょうか?一つの要因は、発見されるまでの期間です。乳がんは、初期に発見されれば全快する確率が高いのですが、亡くなる方の多くは進行がんでの発見です。進行がんになるのは、検診を全く受けなかった場合や、シコリに気付きながらも放置した場合もあるのですが、検診を毎年受けて陰性の結果を受け取りながらも進行がんになっている例もあるのです。その原因が、マンモグラフィーの欠点にあります。本ブログでも20131010日に、マンモグラフィーは擬陽性(間違って陽性となること)が多く、患者に肉体的および精神的負担が大きい方法であり、乳がんの死亡率低下に寄与しないと記載しました。この他にも、乳がんが進行してしまう原因である偽陰性(間違って陰性としてしまうこと)も多い検査方法なのです。

乳がん検診2

マンモグラフィーは乳腺とがんの濃密度を区別するのが難しい(苦手)検査方法なのですが、日本人女性の半数以上は乳腺密度が高い「高密度乳房(デンスブレスト)」です。従って、マンモグラフィーの検査を受けて陰性との結果を受け取っても、高密度乳房の場合にはがんの存在を見落としている場合があり、進行がんになってしまう可能性が出てきます。マンモグラフィー検査で判定不可な場合には『陰性』という表記は適切ではなく、『他方法での再検査が必要』と表記すべきなのです。

高密度乳房の検査には、超音波検査(エコー)が適しています。超音波検査は乳腺でのしこりの形や広がり具合を判別する能力が高いので、日本人の乳がん検査には適しています。乳がんの死亡率を低下させるには、現在のマンモグラフィーだけではなく、患者の体質に合わせて超音波検査を使い分けることが必要です。

追記:乳がんの発症確率は、出産回数が少ないほど高い傾向がありますので、少子化にともない乳がんの患者はさらなる増加が予測されます。発症確率を低下させる要因の一つとして運動があります。日常的に運動している人の方が乳がんの発症率は低い傾向にありますので、乳がんの発症予防と健康維持を兼ねて運動を心掛けましょう。私の研究している漢方飲料も、がん細胞を破壊するNK細胞を活性化する(2014年11月1日の「がん・予防4」)ことが確認されていますので、健康維持にお勧めです。

 

糖尿病治療の最新研究

2017年02月01日

糖尿病は、国民病と言われるほどに多くの方が罹患しています。糖尿病の新しい治療法として、マイクロRNAを用いる方法が東北大学の研究チームから発表され、iPS細胞を用いる方法を東大医科研チームが発表しました。

マイクロRNAとは、たんぱく質を合成するRNAと異なり、塩基対が22塩基の小さなRNAで、遺伝子の発現を調整する機能を持っています。マイクロRNAは500~600種類が認識されていますが、このうちの2種類(106bと222)が膵臓のβ細胞の再生に関わっていることが明らかになりました。この2種類のマイクロRNAを糖尿病のマウスに注射すると、β細胞が増殖して、インスリンの分泌が回復し、血糖値が改善することが確認されました。

この方法は、2型糖尿病に応用が期待されます。日本人の糖尿病の95%は2型糖尿病で、不摂生な生活が原因で発症するタイプです。この2型糖尿病の患者のうちの半数以上は、経口薬やインスリンなどの薬剤は不要で、食事療法と運動療法のみで血糖コントロールが可能です。従って、第一には生活習慣の見直しが不可欠ですが、それでもコントロール不能な場合に上記のような治療法の活用が望まれます。

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東大医科研チームの発表したiPS細胞を用いる方法は、健康なマウスから作ったiPS細胞をラットの子宮内で育て、その子供のラットの膵島を採取して糖尿病のマウスに移植すると、糖尿病が改善しました。この方法の特徴は、マウスとラットという異なる種で治療に必要な膵島が用意できることです。従って、ブタにヒトの膵島を作らせて移植すれば、ヒトの1型糖尿病の治療も可能になります。1型糖尿病は、自己免疫疾患などで膵島が破壊されるために、一生の間インスリン注射が必要な疾患ですので、この方法により根本的治療が期待できます。

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飲食店が原則禁煙へ

2017年01月20日

20日から招集される通常国会で、飲食店や駅構内は原則として禁煙(喫煙室の設置は可)とし、医療機関や小中学校は敷地内が全面禁煙とする改正案が提出されます。違反した喫煙者や施設管理者には、過料の罰則も追加されます。この改正案は、非喫煙者が煙草の煙を吸い込む“受動喫煙”を防止するための対策です。

禁煙

喫煙は肺がんの危険因子であることは、これまでの多くの研究により明白です。さらに、喫煙により全身の血管で動脈硬化が進展することが、滋賀医科大学の大規模研究により再確認され「Journal of American Heart Association」に掲載されています。この研究は、血管病のない健康な40~79歳の男性1019名で行われ、喫煙状況と心臓、大動脈、頸動脈および末梢血管における動脈硬化との関連を分析しています。その結果、非喫煙者と比較して喫煙者では全ての部位で動脈硬化が進行すること、並びに禁煙すれば動脈硬化の進展を予防できることが示されています。この様な喫煙の害は、自分では喫煙しない受動喫煙でも同様に生じますので、健康管理の観点から今回の改正案が提出されている訳です。

また、非喫煙者の生命保険の掛け金を割引する保険会社の商品が、健康志向者の支持を集めています。この保険は、喫煙していないことや血圧に問題がないことなどを条件に、約30%も割引されます。裏を返せば、この割引率は非喫煙者は30%も死亡リスクが減ることを示しています。

昨年度の喫煙率の調査では、男性は29.7%で緩やかに減少気味ですが、女性は9.7%で横ばいです。喫煙は、喫煙者のみならず受動喫煙で非喫煙者や家族までもリスクを高めることから、飲食店や公共機関での禁煙は世界的な流れになっています。海外からの旅行者が急激に増加していることや、オリンピックを控えていることから、日本も海外のような禁煙の流れに沿った法整備を進めようとしています。

高齢者の定義65歳から75歳へ変更を提言

2017年01月10日

日本老年学会は、医療や介護などで65歳以上とされている高齢者の定義を75歳以上に見直すべきとの提言を発表しました。6574歳は準高齢者、7589歳が高齢者、90歳以上が超高齢者としています。

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現在の65歳以上が高齢者との定義は、1956年の国連の報告者に基づいているのですが、60年後の現在では65歳は当時よりもはるかに若々しくなっています。体の状態や知的機能は、1020年前と比べても510歳程度若返っていますので、60年前の定義が当てはまらなくなっているのは当然です。私は今年で64歳なので来年は高齢者の仲間入りするのですが、自分では未だ高齢者になる自覚は全くありませんから、今回の提言を素直に受け入れたい思いです。(ただし、今回の提言が年金支給開始を遅らせる口実に使われるのは断固反対です。)

65歳を過ぎてからの老化のスピードは、個人差が大きくなります。その大きな要因は運動の習慣の有無で、年齢よりも若々しく見える人の多くは習慣的に運動をしています。私は健康維持と老化予防などを目的として、週に23回はプールに行って1500 m(25 m30往復)くらい泳いでいます。泳いだ後にシャワーを浴びると、仕事の疲れも吹き飛んで、体も気持ちもスッキリします。お陰で、毎年の健康診断は極めて良好な結果が出ています。

皆さんも年の初めに当たり、楽しくて長続きする運動を始めて、老化防止と健康維持を心がけましょう。

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