運動で認知症予防効果

2019年07月10日

世界保健機構(WHO)は、運動に認知症の予防効果のあることを示しました。認知症の患者は、世界で約5000万人おり、30年後には1億5200万人に増えることを予測しています。そこで、認知症の予防指針のなかで、運動の重要性を示しています。

これまでに発表されている運動と認知症の発症に関する多くの研究論文でも、身体活動や運動が認知機能の低下や認知症の発症に防御的効果があることが報告されていました。今回、WHOは認知機能の低下を防ぐためには、1週間に150分以上の有酸素運動を勧めています。

他には、認知症はメタボリックシンドロームと関係するとの研究報告が多数あります。これらの示すことは、生活習慣病を予防するような日常生活が、認知症の予防にもつながることを意味しています。ただし、痩せすぎも良くありません(ヤセ体型は認知症のリスク大)。また、夜更かしも認知症にリスクが高くなります(夜更かしの高齢者は認知症にリスク高い)。認知症に罹患すると治療が難しいのが現状ですから(アルツハイマー治療薬は効果が不十分)、摂生した生活で認知症も生活習慣病も予防しましょう(認知症の予防と改善に水)。

 

健診データの読み方・考え方(10:糖尿病の食事療法の意味)

2019年07月01日

糖尿病では、食事療法が不可欠です。その理由を、下の図で説明します。

健常な状態では、食べ物の量に応じてインスリンが分泌され、血糖値をコントロールしています(左)。糖尿病になると、インスリンの分泌量が少ないので、食べた量を処理できなくなり、血糖値が上昇してしまいます(中)。そこで、少なくなったインスリンの量に合わせて食物の量を減らすことで、バランスを保つのです(右)。日本人の糖病患者の約95%は2型糖尿病です。その多くの患者では、食事療法を厳格に実行することで治療が可能です。

糖の吸収を穏やかにするというコーラやウーロン茶などがCMで流れています。いかにも、これを飲めば沢山食べてもOKというイメージですが、実際に吸収を阻害できるのは数10 kcal 程度と極僅かです。ご飯は1杯で160 ~180 kcal 、ハンバーガーは1個で約300 kcal ですから、吸収を阻害できるのは約1口分と言うことになります。CMに惑わされて食べ過ぎないようにしましょう。

健診データの読み方・考え方(9:肥満と糖尿病)

2019年06月20日

肥満とともに糖尿病に成り易くなることは、前々回(7: 糖尿病の検査データ)に示しました。その関係は、以下のように説明されます。

肥満の原因は、栄養の摂り過ぎです。過剰な栄養分は、脂肪細胞に蓄えられます。この脂肪細胞からは、インスリンの効果を弱めてしまう物質が分泌されます。その結果、インスリンの効きが悪くなるので、血糖値が上昇して糖尿病を発症します。

白人の場合は、祖先が狩猟民族で栄養価の高い肉類を多く摂っていたので、インスリンの分泌量が多い体質なので、肥満しても糖尿病の発症率は高くありません。日本人の祖先は農耕民族で、栄養価の低い農作物を主食にしていたので、インスリンの分泌能力は低い体質になっているのです。従って、肥満になるとインスリン抵抗性物質の増加で、糖尿病を発症しやすい体質を持っています。

利用的な体系は、BMI(体重÷身長÷身長)が22です。BMIが25以上は肥満に分類されます。食事と運動でコントロールしましょう。

健診データの読み方・考え方(8:尿糖の意味)

2019年06月10日

糖尿病は、尿に糖が出る病気と書きますが、糖尿病では常に尿糖が陽性になっているわけではありません。尿糖が陽性になる状況を説明します。

尿糖は、血糖値が170 mg/dl を超えると、超えた分だけが尿中に排泄されます。この仕組みは、①血液中の不要な物質は、腎臓で濾過されます。②血液中の糖分は、一端は濾過されるのですが、エネルギー源として身体に必要な物なので、腎臓は再吸収して血液中に戻すことで、尿中には出ないようにコントロールされています。③ところが、この糖を再吸収出来る能力は170 mg/dl までなので、この値を超えてしまうと、再吸収が間に合わなくなります。④再吸収されなかった糖分は、尿中へ排泄されます。

従って、尿糖が陰性(ー)なら血糖値は 170 mg/dl 以下で、陽性(+、2+、3+など)の場合は血糖値が 170 mg/dl を超えていることを示しており、+が大きくなるほど血糖値も高いのです。この様に、採血して血糖値を測定しなくても、大まかな血糖値が推測できます。

尿糖の試験紙は、ドラッグストアーで50枚入りが2000円位で購入できます。尿糖が陽性化しないように、コントロールしましょう。

試験紙節約の裏技:

尿検査用の試験紙を家庭で使用する場合は、下の図のように、縦に半分に切ると、1本で2回使用できます。結果は変わりませんので、節約になります。

健診データの読み方・考え方(7:糖尿病の検査データ)

2019年06月01日

糖尿病は、今や国民病になっていますが、その主原因には日本人が糖尿病になりやすい体質があります。その理由は、次のような歴史があります。日本人のルーツは農耕民族なので、カロリーの低い農作物を主食にしていたので、インスリンの分泌量が少しですんでいました。ところが、近年の飽食の時代になりカロリーの高い食べ物が増えたのですが、インスリンの分泌能力は低いままの体質は変わらないので、糖尿病を発症しやすいのです。

糖尿病の典型的な検査データを示します。空腹時の血糖値が142 mg/dl と高値なので、糖尿病が強く疑われます。その原因として、中性脂肪とγーGTが高値であることから、飲酒と過食が挙げられます。BMIも29.1で肥満があるので、長期に渡り不摂生な食生活が想像されます。クレアチニンと尿素窒素の値から、腎症の発症は無いようです。ALT(GPT)がやや高めなので脂肪肝の可能性がありますので、エコー検査や血液のコリンエステラーゼなどでの検査が必要です。また、網膜症の検査もしておくべきです。

今後は、食事療法と運動療法で生活の改善が不可欠です。

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