女子高生の過半数が「自分は太っている」と考える

2018年05月01日

日本の女子高生の過半数(51.9%)が、「自分は太っている」と考えていることが国立青少年教育振興機構の調査で報告されています。しかしながら、実際にBMIが25以上の肥満はわずかに2.7%のみでした。この結果は、女子高生が必要以上にダイエット思考が強いことを示しています。ちなみにアメリカの女子高生では19.7%で、日本よりもはるかに低値であり、日本ほど痩せることに執着はないようです。
この調査結果は、本ブログ(イソフラボンで痩せるは根拠無し、消費者庁が改善措置命令、2017.11.10)で示したように、太っていないのに自分は太っていると思い込んでいるケースや、痩せているのが美人と勘違いして、痩せたいと願う女性が多いことに原因があります。私が講義に行っている短大の女学生からも、「痩せるにはどうすれば良いでしょうか?」という質問を度々受けますが、全く肥満はありません。

美人(魅力的な女性)の第一条件は健康であり、そして生き生き、ハツラツしていることです。痩せすぎは不健康で、逆に女性の魅力を落としてしまいます。

 

妊娠初期の葉野菜が児の喘息症状を予防

2018年04月20日

妊娠の初期に妊婦が葉野菜(レタス、ほうれん草など)やアブラナ科野菜(ブロッコリー、カリフラワーなど)を多く摂取すると、児が2歳時点での喘息症状の予防効果が高い事を、国立成育医療研究センターなどの研究チームがイギリスの国際医療雑誌に報告しました。

研究の方法は、妊娠女性511名において野菜の摂取量により5群に分類して、野菜の摂取量と児が2歳の時点における喘息症状(喘鳴:ぜんめい)との関係を解析しています。その結果、野菜を多く摂取している群では最も摂取量の少ない群と比較すると、喘息症状を呈する確率は約4割も減少しており、この傾向は野菜の摂取量と相関していました。特に、葉野菜やアブラナ科野菜を多く摂取している群では、約5割も低いことが認められています。胎児の呼吸器の形成は妊娠初期に始まるので、葉野菜などが児の呼吸器の形成に役立つと考えられます。

野菜は、抗酸化作用や食物線維などにより、健康長寿には欠かせないものですが、妊婦と胎児にも有用であることが示されています。全ての世代において、野菜の摂取を心がけましょう!

60歳代の4割が健康食品やサプリを利用 ⇒ 選び方

2018年04月10日

国内の健康食品市場の調査(矢野経済研究所)の結果、健康食品やサプリメントの利用は年齢と共に上昇し、60歳代では4割を超えていました。その60歳代の利用者の約80%は、殆ど毎日の利用です。使用頻度の高い商品は、腸内環境を整える乳酸菌や食物線維や、ビタミンやミネラルなどの基礎栄養素関連などです。若者を含めた全世代の1ヶ月の平均購入額は3698円で、60歳代では4422円と多くなっています。

健康食品については、これまで本ブログで度々取り上げてきましたが、国のお墨付きを得た特保でさえも全く効果の無いものや、逆に健康被害をもたらす商品が多々存在していますので、以前の記事をご覧下さい。

栄養ドリンクの危険性、 ②イソフラボンで痩せるは根拠無し、 ③トクホの大嘘、 ④根拠のない健康食品(特に水素水)、 ⑤トクホ表示やうたい文句に騙されるな、 ⑥健康食品で健康被害(ウコン)、 ⑦特保のウソ(2)、 ⑧特保のウソ(1)

多くの商品はプラセボ効果のみ

プラセボ効果とは、例えば、「この新薬は良く効く」と患者に説明しておくと、食塩水の注射やメリケン粉で作った錠剤の投与でも、2~3割の患者に効果が現れる現象をいいます。即ち、効くという思い込みが効果をもたらすのです。多くの健康食品は、このプラセボ効果に頼っています。

従って、健康食品を利用する場合は、選び方が重要ですので、その選定ポイントを私の研究している漢方飲料(美露仙寿:めいるせんじゅ)を例にして述べます。

1.医学的根拠(医学研究論文)がしっかりしている

殆どの健康飲料は、その効果に対する医学的根拠はなく、「○○○と言われています。」といったレベルのものです。機能性食品でも、健康に良い成分が含まれていれば登録可能なのですが、その商品自体に効果があるかは全く不明です。医学的根拠とは、その商品自体の効果が医学論文で確認されたものです。何故に殆どの健康食品にはその効果の根拠となる研究論文がないかというと、論文の執筆には長時間の研究期間と多額の研究費が必要なので、利益追求の会社は研究は行わないのです。また、行ったとしても多くの商品では効果が確認できないのが現状です。私の研究している美露仙寿(めいるせんじゅ)の最近の研究論文は、

① 医学検査561 (3): 41-547, 2012、 ② Chinese Medicine(3): 223-228, 2012、 ③ 未病システム学会雑誌21(3)1-6, 2015、 ④ International Journal of Phytomedicine 353-359, 2016 他

などの研究論文で、免疫力の向上、基礎代謝の向上、未病の改善効果などが確認されています。なお、学会発表の場合は内容は自由に発言できるので、信頼度はさほど高くはありません。一方、論文は内容の一字一句までを審査委員がチェックしますので、論文のデータは審査委員が公に認めたことで信頼度は格段に高いのです。この様な医学研究論文のある健康食品は、ほんの一握りしかありません。

2. 医療の専門家が健康相談などのフォロー

健康食品を販売する会社が医療の専門家(医師、薬剤師、看護師など)による健康相談を行っているかを確認すれば、その商品の信頼性がみえてきます。何故なら、医療の国家資格者を雇用するには多額の人件費が必要ですので、利益を追求する会社は行いません。美露仙寿の場合は、私が常勤でお客様の健康相談に対応しています。お客様を健康にすることで信頼を高めることが、次のお客様に繋がるという会社の方針です。この様なまじめすぎる会社は儲かりませんが、顧客の信頼を得ることで長く生き残る会社です。

人生で最も大切なのは、自分と家族の健康です。健康の基本は、バランスの良い食事と適度な運動ですが、それを補うのは信頼できる健康食品と専門家の健康アドレスです。しっかりと見極めて、健康食品を選びましょう。

 

健康寿命と要介護期間

2018年04月01日

厚生労働省から、健康寿命(日常生活に支障が無い期間)の最新データが発表されています。男性は72.14歳、女性は74.79歳でした。同年の平均寿命は、それぞれ80.98歳と87.14歳ですから、その差の9.02歳と12.40歳は介護が必要な期間になります。

平均寿命と健康寿命が共に延びているのは喜ばしいことなのですが、その差である要介護期間は2001年と比較すると短くはならずに、僅かにではありますが大きくなっています。介護期間が長いことで問題となるのは、①家族の負担、②金銭的負担、③介護施設の不足などが挙げられます。従って、要介護期間(平均寿命ー健康寿命)を如何に短くして、健康に暮らすかが重要になります。

健康寿命が長かった山梨県では、地域毎にお金を出し合って旅行や飲み会をする無尽(むじん)というシステムがあるそうです。同じく静岡県では、緑茶を沢山飲むことを一因として挙げています。逆に、健康寿命の短い徳島県では、車社会で運動する機会が少ないことが考えられています。これらのデータから、健康で長生きするために、適度な運動とバランスの良い食事に加えて、人との交流が必要ということでしょう。そこで、可能ならば65歳の定年後も負担にならない程度の仕事を続けることで、対外交流や適度な緊張感を維持していきたいものです。仕事をすることで収入があれば生活も安定しますし、税金を払うことで社会も成り立ちます。また、仕事帰りにはスポーツクラブや趣味のサークルへの参加もお勧めです。同じ趣味仲間との交流は楽しいですし、生きがいになります。

近い将来には、人生100年の時代になります。介護などで他人のお世話にならず、人生を楽しむために、健康寿命を延ばす生活を設計しましょう!

健康クイズ ③  食事と健康

2018年03月20日

健康クイズの第3回目は、健康の基本である食事に関する問題です。

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問題① 痩せは

a.  健康で長生き

b.  病気しやすく短命

 

問題② 朝食抜きは

a.  痩せやすい

b.  太りやすい

 

問題③ 小児の肥満は成長すると

a.  肥満が残る傾向がある

b.   改善する

 

問題④ アルコールは

a.  肥満とは関係ない

b.  エネルギーに変換され肥満のもとになる

 

問題⑤ 肥満と血圧の関係は

a.  関係ない

b.  肥満で血圧が上昇

 

問題⑥ 痩せの大食い(ギャル曽根、もえアズなど)が肥満しないのは

a.  栄養分が吸収されにくい特異体質

b.  トクホのウーロン茶やコーラを飲んでいる

 

問題⑦ 肥満解消には

a.  キャベツダイエット、リンゴダイエット

b.  多種類の食べ物でカロリーは制限

 

問題⑧ 肥満解消の減量は

a.  短期間で行う

b.  月に1~2kg位ずつ

 

問題⑨ 卵の摂取でコレステロール値は

a.  影響ない

b.  上昇する

 

問題⑩ 健康増進のための糖質制限とは

a.  糖質ゼロを目指す

b.  栄養摂取量の約50%に調整

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正解① 痩せは

b. 病気しやすく短命

BMIが18.5以下の痩せ体型は、免疫力が低いので病気しやすく、体力の蓄えが少ないので短命です。病気になる可能性が最も低く健康な体型は男女ともにBMI=22で、長生きなのはBMIが25前後の小太り体型です。従って、健康で長生きするためには、BMI=22~25位の体型がベストですので、食事と運動でコントロールしましょう。

 

正解② 朝食抜きは

b.  太りやすい

朝食を抜いて昼と夕食の2回は、朝昼夕の3食よりも太りやすい傾向があります。相撲取りは太るために、朝と昼の兼用食と夕食の2食にしています。

 

正解③ 小児の肥満は成長すると

a.  肥満が残る傾向がある

小児の肥満は、脂肪細胞の数を増やし、大人になってもその傾向が残りやすいのです。小さいときから食生活を管理して、肥満を避けましょう。

 

正解④ アルコールは

b.  エネルギーに変換され肥満のもとになる

アルコールは3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)ではありませんが、エネルギーに変換され体内に蓄積されて肥満の元になります。アルコールは、1グラムあたり7.1キロカロリーなので、ビール中瓶(500ml)のカロリーは200kcalになり、ご飯1杯(100g=160kcal)よりも多いのです。また、アルコールは食欲増進作用もあるので、食べ過ぎて肥満する傾向が出ます。要注意!

 

正解⑤ 肥満と血圧の関係は

b.  肥満で血圧が上昇

肥満すると、体重1kg当たり血圧は2mmHg程度上昇します。肥満体で血圧が高めの人は、食事療法と運動療法で減量することで改善が期待できます。安易に薬に頼らず、食事と運動を試しましょう。

 

正解⑥ 痩せの大食い(ギャル曽根、もえアズなど)が肥満しないのは

a.  栄養分が吸収されにくい特異体質

桁違いの大食いでも太らない体質は、食べたものを素早く胃から腸へ送り、栄養分を少ししか吸収しないで排泄する特別な体質です。特保のコーラやウーロン茶の栄養吸収阻害作用は、気休め程度の小さなものです。

 

正解⑦ 肥満解消には

b.  多種類の食べ物を摂るがカロリーを制限

キャベツダイエットやリンゴダイエットなどのワンフードダイエットは、栄養成分がかたより健康を害することと、変化の少ないことで飽きて失敗します。栄養バランスは崩さずに、食事全体のカロリーを制限する食事にしましょう。糖尿病の食事療法は、糖尿病のみならず一般の人の食事の基本になります。さらに、運動療法も組み合わせることで、効果が大きくなります。

 

正解⑧ 肥満解消の減量は

b.  月に1~2kg位ずつ

短期間で急激に減量すると、精神的ストレスが溜まることで挫折してリバウンドする可能性が高まります。また、急激すぎる体型変化は身体への負担となり、寿命を縮める場合もあります。月に1~2kg位ずつ、無理なく減量することが成功の秘訣です。

 

正解⑨ 卵の摂取でコレステロール値は

a.  影響ない

食事から摂取するコレステロールは全体の20~30%程度で、残りの70~80%は体内で合成されます。卵でコレステロールの摂取量が増えた場合は、合成量が減るので、全体量は変化がありません。

 

正解⑩ 健康増進のための糖質制限とは

b.  栄養摂取量の約50%に調整

3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のうち糖質を65%以上摂取すると、血糖値の上昇や肥満などを招くので、50~55%程度に制限すべきです。糖質はゼロまで減らすことが糖質制限と勘違いしている人がいますが、制限しすぎると栄養バランスを崩し健康を害します。

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いかがでしたか?健康長寿のために、備え(勉強)あれば憂い(病気)無しです。バランスの良い食事と、適度な運動が、健康維持には不可欠です。