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健康管理

妊娠初期の葉野菜が児の喘息症状を予防

2018年04月20日

妊娠の初期に妊婦が葉野菜(レタス、ほうれん草など)やアブラナ科野菜(ブロッコリー、カリフラワーなど)を多く摂取すると、児が2歳時点での喘息症状の予防効果が高い事を、国立成育医療研究センターなどの研究チームがイギリスの国際医療雑誌に報告しました。

研究の方法は、妊娠女性511名において野菜の摂取量により5群に分類して、野菜の摂取量と児が2歳の時点における喘息症状(喘鳴:ぜんめい)との関係を解析しています。その結果、野菜を多く摂取している群では最も摂取量の少ない群と比較すると、喘息症状を呈する確率は約4割も減少しており、この傾向は野菜の摂取量と相関していました。特に、葉野菜やアブラナ科野菜を多く摂取している群では、約5割も低いことが認められています。胎児の呼吸器の形成は妊娠初期に始まるので、葉野菜などが児の呼吸器の形成に役立つと考えられます。

野菜は、抗酸化作用や食物線維などにより、健康長寿には欠かせないものですが、妊婦と胎児にも有用であることが示されています。全ての世代において、野菜の摂取を心がけましょう!

60歳代の4割が健康食品やサプリを利用 ⇒ 選び方

2018年04月10日

国内の健康食品市場の調査(矢野経済研究所)の結果、健康食品やサプリメントの利用は年齢と共に上昇し、60歳代では4割を超えていました。その60歳代の利用者の約80%は、殆ど毎日の利用です。使用頻度の高い商品は、腸内環境を整える乳酸菌や食物線維や、ビタミンやミネラルなどの基礎栄養素関連などです。若者を含めた全世代の1ヶ月の平均購入額は3698円で、60歳代では4422円と多くなっています。

健康食品については、これまで本ブログで度々取り上げてきましたが、国のお墨付きを得た特保でさえも全く効果の無いものや、逆に健康被害をもたらす商品が多々存在していますので、以前の記事をご覧下さい。

栄養ドリンクの危険性、 ②イソフラボンで痩せるは根拠無し、 ③トクホの大嘘、 ④根拠のない健康食品(特に水素水)、 ⑤トクホ表示やうたい文句に騙されるな、 ⑥健康食品で健康被害(ウコン)、 ⑦特保のウソ(2)、 ⑧特保のウソ(1)

多くの商品はプラセボ効果のみ

プラセボ効果とは、例えば、「この新薬は良く効く」と患者に説明しておくと、食塩水の注射やメリケン粉で作った錠剤の投与でも、2~3割の患者に効果が現れる現象をいいます。即ち、効くという思い込みが効果をもたらすのです。多くの健康食品は、このプラセボ効果に頼っています。

従って、健康食品を利用する場合は、選び方が重要ですので、その選定ポイントを私の研究している漢方飲料(美露仙寿:めいるせんじゅ)を例にして述べます。

1.医学的根拠(医学研究論文)がしっかりしている

殆どの健康飲料は、その効果に対する医学的根拠はなく、「○○○と言われています。」といったレベルのものです。機能性食品でも、健康に良い成分が含まれていれば登録可能なのですが、その商品自体に効果があるかは全く不明です。医学的根拠とは、その商品自体の効果が医学論文で確認されたものです。何故に殆どの健康食品にはその効果の根拠となる研究論文がないかというと、論文の執筆には長時間の研究期間と多額の研究費が必要なので、利益追求の会社は研究は行わないのです。また、行ったとしても多くの商品では効果が確認できないのが現状です。私の研究している美露仙寿(めいるせんじゅ)の最近の研究論文は、

① 医学検査561 (3): 41-547, 2012、 ② Chinese Medicine(3): 223-228, 2012、 ③ 未病システム学会雑誌21(3)1-6, 2015、 ④ International Journal of Phytomedicine 353-359, 2016 他

などの研究論文で、免疫力の向上、基礎代謝の向上、未病の改善効果などが確認されています。なお、学会発表の場合は内容は自由に発言できるので、信頼度はさほど高くはありません。一方、論文は内容の一字一句までを審査委員がチェックしますので、論文のデータは審査委員が公に認めたことで信頼度は格段に高いのです。この様な医学研究論文のある健康食品は、ほんの一握りしかありません。

2. 医療の専門家が健康相談などのフォロー

健康食品を販売する会社が医療の専門家(医師、薬剤師、看護師など)による健康相談を行っているかを確認すれば、その商品の信頼性がみえてきます。何故なら、医療の国家資格者を雇用するには多額の人件費が必要ですので、利益を追求する会社は行いません。美露仙寿の場合は、私が常勤でお客様の健康相談に対応しています。お客様を健康にすることで信頼を高めることが、次のお客様に繋がるという会社の方針です。この様なまじめすぎる会社は儲かりませんが、顧客の信頼を得ることで長く生き残る会社です。

人生で最も大切なのは、自分と家族の健康です。健康の基本は、バランスの良い食事と適度な運動ですが、それを補うのは信頼できる健康食品と専門家の健康アドレスです。しっかりと見極めて、健康食品を選びましょう。

 

健康寿命と要介護期間

2018年04月01日

厚生労働省から、健康寿命(日常生活に支障が無い期間)の最新データが発表されています。男性は72.14歳、女性は74.79歳でした。同年の平均寿命は、それぞれ80.98歳と87.14歳ですから、その差の9.02歳と12.40歳は介護が必要な期間になります。

平均寿命と健康寿命が共に延びているのは喜ばしいことなのですが、その差である要介護期間は2001年と比較すると短くはならずに、僅かにではありますが大きくなっています。介護期間が長いことで問題となるのは、①家族の負担、②金銭的負担、③介護施設の不足などが挙げられます。従って、要介護期間(平均寿命ー健康寿命)を如何に短くして、健康に暮らすかが重要になります。

健康寿命が長かった山梨県では、地域毎にお金を出し合って旅行や飲み会をする無尽(むじん)というシステムがあるそうです。同じく静岡県では、緑茶を沢山飲むことを一因として挙げています。逆に、健康寿命の短い徳島県では、車社会で運動する機会が少ないことが考えられています。これらのデータから、健康で長生きするために、適度な運動とバランスの良い食事に加えて、人との交流が必要ということでしょう。そこで、可能ならば65歳の定年後も負担にならない程度の仕事を続けることで、対外交流や適度な緊張感を維持していきたいものです。仕事をすることで収入があれば生活も安定しますし、税金を払うことで社会も成り立ちます。また、仕事帰りにはスポーツクラブや趣味のサークルへの参加もお勧めです。同じ趣味仲間との交流は楽しいですし、生きがいになります。

近い将来には、人生100年の時代になります。介護などで他人のお世話にならず、人生を楽しむために、健康寿命を延ばす生活を設計しましょう!

健康クイズ ③  食事と健康

2018年03月20日

健康クイズの第3回目は、健康の基本である食事に関する問題です。

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問題① 痩せは

a.  健康で長生き

b.  病気しやすく短命

 

問題② 朝食抜きは

a.  痩せやすい

b.  太りやすい

 

問題③ 小児の肥満は成長すると

a.  肥満が残る傾向がある

b.   改善する

 

問題④ アルコールは

a.  肥満とは関係ない

b.  エネルギーに変換され肥満のもとになる

 

問題⑤ 肥満と血圧の関係は

a.  関係ない

b.  肥満で血圧が上昇

 

問題⑥ 痩せの大食い(ギャル曽根、もえアズなど)が肥満しないのは

a.  栄養分が吸収されにくい特異体質

b.  トクホのウーロン茶やコーラを飲んでいる

 

問題⑦ 肥満解消には

a.  キャベツダイエット、リンゴダイエット

b.  多種類の食べ物でカロリーは制限

 

問題⑧ 肥満解消の減量は

a.  短期間で行う

b.  月に1~2kg位ずつ

 

問題⑨ 卵の摂取でコレステロール値は

a.  影響ない

b.  上昇する

 

問題⑩ 健康増進のための糖質制限とは

a.  糖質ゼロを目指す

b.  栄養摂取量の約50%に調整

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正解① 痩せは

b. 病気しやすく短命

BMIが18.5以下の痩せ体型は、免疫力が低いので病気しやすく、体力の蓄えが少ないので短命です。病気になる可能性が最も低く健康な体型は男女ともにBMI=22で、長生きなのはBMIが25前後の小太り体型です。従って、健康で長生きするためには、BMI=22~25位の体型がベストですので、食事と運動でコントロールしましょう。

 

正解② 朝食抜きは

b.  太りやすい

朝食を抜いて昼と夕食の2回は、朝昼夕の3食よりも太りやすい傾向があります。相撲取りは太るために、朝と昼の兼用食と夕食の2食にしています。

 

正解③ 小児の肥満は成長すると

a.  肥満が残る傾向がある

小児の肥満は、脂肪細胞の数を増やし、大人になってもその傾向が残りやすいのです。小さいときから食生活を管理して、肥満を避けましょう。

 

正解④ アルコールは

b.  エネルギーに変換され肥満のもとになる

アルコールは3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)ではありませんが、エネルギーに変換され体内に蓄積されて肥満の元になります。アルコールは、1グラムあたり7.1キロカロリーなので、ビール中瓶(500ml)のカロリーは200kcalになり、ご飯1杯(100g=160kcal)よりも多いのです。また、アルコールは食欲増進作用もあるので、食べ過ぎて肥満する傾向が出ます。要注意!

 

正解⑤ 肥満と血圧の関係は

b.  肥満で血圧が上昇

肥満すると、体重1kg当たり血圧は2mmHg程度上昇します。肥満体で血圧が高めの人は、食事療法と運動療法で減量することで改善が期待できます。安易に薬に頼らず、食事と運動を試しましょう。

 

正解⑥ 痩せの大食い(ギャル曽根、もえアズなど)が肥満しないのは

a.  栄養分が吸収されにくい特異体質

桁違いの大食いでも太らない体質は、食べたものを素早く胃から腸へ送り、栄養分を少ししか吸収しないで排泄する特別な体質です。特保のコーラやウーロン茶の栄養吸収阻害作用は、気休め程度の小さなものです。

 

正解⑦ 肥満解消には

b.  多種類の食べ物を摂るがカロリーを制限

キャベツダイエットやリンゴダイエットなどのワンフードダイエットは、栄養成分がかたより健康を害することと、変化の少ないことで飽きて失敗します。栄養バランスは崩さずに、食事全体のカロリーを制限する食事にしましょう。糖尿病の食事療法は、糖尿病のみならず一般の人の食事の基本になります。さらに、運動療法も組み合わせることで、効果が大きくなります。

 

正解⑧ 肥満解消の減量は

b.  月に1~2kg位ずつ

短期間で急激に減量すると、精神的ストレスが溜まることで挫折してリバウンドする可能性が高まります。また、急激すぎる体型変化は身体への負担となり、寿命を縮める場合もあります。月に1~2kg位ずつ、無理なく減量することが成功の秘訣です。

 

正解⑨ 卵の摂取でコレステロール値は

a.  影響ない

食事から摂取するコレステロールは全体の20~30%程度で、残りの70~80%は体内で合成されます。卵でコレステロールの摂取量が増えた場合は、合成量が減るので、全体量は変化がありません。

 

正解⑩ 健康増進のための糖質制限とは

b.  栄養摂取量の約50%に調整

3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のうち糖質を65%以上摂取すると、血糖値の上昇や肥満などを招くので、50~55%程度に制限すべきです。糖質はゼロまで減らすことが糖質制限と勘違いしている人がいますが、制限しすぎると栄養バランスを崩し健康を害します。

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いかがでしたか?健康長寿のために、備え(勉強)あれば憂い(病気)無しです。バランスの良い食事と、適度な運動が、健康維持には不可欠です。

健康クイズ ② 糖尿病

2018年03月10日

健康クイズの第2回目は、患者数が多い糖尿病に関する問題です。予防や改善のためにお役立てください。

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問題①  日本人は2型糖尿病に

a.  なり易い

b.  なりにくい

 

問題② 肥満は糖尿病に

a. なり易い

b. 関係ない

 

問題③ 小児の糖尿病(1型糖尿病)の原因は

a.  不摂生な生活

b.  免疫疾患

 

問題④ 糖尿病患者は尿糖が

a.  常に陽性

b.  コントロールが良い時は陰性

 

問題⑤ 糖尿病で尿量は

a. 血糖値が高いと増える

b. 特に関係は無い

 

問題⑥ HbA1c(糖化ヘモグロビン)は

a.  その日の平均的血糖値を反映

b.  1~2ヶ月前の平均的血糖値を反映

 

問題⑦ 糖尿病で食事療法が必要な理由は

a.  少なくなったインスリンの量に食事量を合わせる

b.  食費を節約して薬代にする

 

問題⑧ 糖尿病でトクホのウーロン茶やコーラを飲んだ場合

a. 沢山食べても構わない

b. 食事療法を守る

 

問題⑨ 糖尿病で運動は

a.  疲れるからやらない

b.  毎日の習慣にする

 

問題⑩ 糖尿病患者は

a.  高血圧になり易い

b.  血圧とは関係ない

 

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正解① 日本人は2型糖尿病に

a.  なり易い

日本人の祖先は農耕民族なので、栄養価の低い農作物で生き延びられる体質になっていて、インスリンの分泌量が少ないのです。現代の高カロリーの食事は沢山のインスリンが必要なので、インスリン分泌する膵臓が疲れてしまい、糖尿病を発症し易い傾向があります。

 

正解② 肥満は糖尿病に

a. なり易い

肥満では、白色脂肪細胞が増加して、インスリンの伝達を妨げる物質(TNF-α)やインスリンを働きにくくする物質(レジスチン)などが分泌されます。インスリンの効きが悪くなるので、沢山のインスリンを分泌しなければいけなくなり(高インスリン血症)、膵臓が疲れてしまい糖尿病を発症します。糖尿病以外でも、肥満では高血圧や高脂血症など、多くの疾患を発症し易くなります。

 

正解③ 小児の糖尿病(1型糖尿病)の原因は

b.  免疫疾患

糖尿病には、1型と2型があります。2型糖尿病は、全体の約95%を占め、不摂生な生活とストレスなどで発症します。主に小児にみられる1型糖尿病(約5%)は、自己免疫疾患が原因で、外敵を攻撃する免疫が自分の膵臓を敵と勘違いして攻撃して破壊してしまうことで発症します。治療は、インスリン注射が必須です。

 

正解④ 糖尿病患者は尿糖が

b.  コントロールが良い時は陰性

尿中に糖分が排泄されるのは、血糖値が170 mg/dl以上になったときに、超えた分だけ排泄されます。糖尿病患者でも、血糖値を170 mg/dl以下に良好にコントロールしていれば、尿糖は陰性です。

 

正解⑤ 糖尿病で尿量は

a. 血糖値が高いと増える

血糖値が高ければ高いほど、それを薄めようとして周りの細胞から水分を奪います。血液中に増えた水分は尿として排泄されるので、尿量が増えます。水分を奪われた細胞は、干からびないように、喉が渇いたというサインを出して、水を沢山飲んで補充するので、多飲多尿になります。

 

正解⑥ HbA1c(糖化ヘモグロビン)は

b.  1~2ヶ月前の平均的血糖値を反映

HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンに糖が結合したものです。この結合反応は、赤血球が生まれてから壊れるまでの寿命である120日間直線的に進行します。血液中の赤血球は、生まれたばかりから120日たったものまでが均等に含まれるので、60日(約2ヶ月)前の平均的血糖値が反映されます。

 

正解⑦ 糖尿病で食事療法が必要な理由は

a.  少なくなったインスリンの量に食事量を合わせる

健康なときは、食べた量に合わせてインスリンが分泌されます。糖尿病では、インスリンの量が少なくなっている(または効果が低下)ので、インスリンに合わせて食事量を調整します。

 

正解⑧ 糖尿病でトクホのウーロン茶やコーラを飲んだ場合

b. 食事療法を守る

トクホのウーロン茶やコーラを飲むと、沢山食べても問題が無いようなイメージのCMが見受けられます。しかし、これらの飲料で抑制できるのは微々たるものなので、効果を過信して多く食べてしまうと、逆効果になります。食事療法(カロリー制限)を守らなければいけません。

 

正解⑨ 糖尿病で運動は

b.  毎日の習慣にする

運動療法は、食後高血糖を抑えて血糖コントロールをよくすることや、運動を継続することでインスリンの働きをよくします。ただし、合併症がある場合は逆効果になる場合がありますので、担当医の指示に従って下さい。

 

正解⑩ 糖尿病患者は

a.  高血圧になり易い

血糖値が高くなると、正解⑤で述べたように、細胞から水分を引き込むことで血管内の体積が増えるので、血圧が上昇します。他にも、脂質の代謝も低下するなど、様々な疾患を起こしやすくなります。

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糖尿病の予防と管理には、バランスの良い食事と適度な運動が不可欠です。この知識を武器に糖尿病に勝利しましょう。